第15話 悔恨の死霊遺跡 ゴーストタウン
古代文明が生み出した遺物スフィア、それは今を生きる人々にとって超便利アイテムとして重宝されていた。飛空艇という大型のものから、消しゴムのような小さなものまで、その形や大きさは様々だ。だが大抵は、厳重な防護を固めた遺跡の中にそれは眠っている。
しかし、そんな場所に眠っているスフィアを、遺跡から発掘して生計を立てる者達がいた。
これはそんな者達、三人のトレジャーハンターの物語であった。
――死霊遺跡 ゴーストタウン
ニャモメ団の三人は、絵画遺跡カンバスタンドを出て、元は普通の町だったという死霊遺跡ゴーストタウンにいた。
「皆さん、そこから出てこられたという事はあの遺跡の中をご覧になられたのですね!」
「なんか、一般市民に声かけられたんだけど……。どうする」
レアなイベントが発生した。
遺跡の出口に、あきらかに漁夫の利を狙う同業者でも、いいカモ見つけた的な盗賊でもなさそうな女性が立っていた
「皆さんにお願いがあるのです。力を貸してください」
「面倒事のにおいだねー。あーミリー。その顔、休憩せずにさっさと立ち去ればよかったーって、書いてあるよー」
休憩中にもかかわらずしっかりお菓子をほおばっていたケイクが、ミリの顔色を読んで言った。
「どうしても必要なんです。私一人ではどうしようもできなくて」
「ふぇっ、ポロン達困ってる人にお願いされちゃった、助けてあげなきゃ!」
「力を貸して下さるんですね! ありがとうございます。では早速事情の説明を……」
「ポロン達にまかせてだよ! ふむふむ……」
さっそく人助けだときてやる気をみせているポロンに、女性は目を輝かせて説明をはじめる。
「ちょっっと待ったあ! 何うち等の了承を得ずに話を始めちゃってるワケ! ポロンちゃんもポロンちゃんでしょ、知らない人が困ってるからといってほいほい手助け始めない」
「そうだねー、かわいそうだけどー、僕たちは
「それに、そいつ思いっきり怪しいじゃん」
「あ、そこも言っちゃうんだー。本人、目の前にいるんだけどねー。でも同意はするけどー」
こんなところに一人きりで、無力な一般人がいつ来るかもわからない協力者が来るのを待ってるはずがない、というのが二人の意見だった。
「そんな事ないよっ、ミリちゃんケイク君。…・・・えーと、たぶん」
「なるほど、話は聞かせてもらいました。三人とも協力してくださると。ありがとうございます! 私は一生あなたたちの事を忘れません。」
「どこをどう聞いたらそうなんの!?」
「なるほど、お礼はいらないという事ですね! 分かりました、この貴重な回復系のスフィアもいらないと……、何ていい人達なんでしょう」
「ちょおおおぉぉ、人の話をきけぇ!! その頭についてる耳はなんだ、飾りか!」
「ふぁ、そうなの? ミリちゃんもケイク君も協力してくれるんだ。わーい」
ポロンちゃんが喜んだ。
勘違いが暴走して人に伝染したようだった。
「これはちょっと収集つかないかなー。……あ、これ美味しいやつだー。今食べちゃおー。もぐもぐ」
ケイクは早々にさじを投げおいしいお菓子に興味をもっていく。
「では……心温まる声援をもらったところで続きを」
「だぁかぁらぁ……!!」
「この遺跡には人々の無念の魂が閉じ込められてるんです。お察しの通り、私の大切な人もこの遺跡の中に……、私一人が助かってしまってこの町は死霊遺跡ゴーストタウンと呼ばれるように……、ですから……」
「聞いちゃいねぇっ!!」
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