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75話 夢とメガネ
二人は事務所へと歩いて戻り永久を部屋に寝かせた。次にスマホをスタンドに乗せ充電を開始、キッチンでお湯を沸かしていた。
マグカップを2つ用意し、ビスケットを齧りながら彼女に入手した情報を沸くまでの時間を利用して粗方話し終えていた。
「えーっと、つまり狂弌達は一刻永正の研究を受け継いでる研究所を襲おうとしてた。そういう分けね」
「そうなるな。確認としての意味合いが強かったんだろうが、当たりなら狂弌さんは本来研究所を襲う手筈だったんだろうことは想像に難くない。ってその反応、知らなかったのか?」
二重能力者がいる可能性がある。現に彼らの仲間が1人消されていた。
強い人物の反応があった。ならば二重能力者を宛がうのは道理だ。それに、派遣したという三人組も本来はブルーローズに手を出さないはずだったらしい。とも聞いている。手の内が分かっている同士ならではの作戦を立てていた。
表向きは暴力団の抗争。そしてソレに巻き込まれた不幸な探偵という構図として。
「あたし個人は興味ないし、正直初耳。にしても不幸中の幸いってヤツね。怖いぐらい歯車が噛み合ってる」
お湯が沸騰し、インスタントコーヒーが入っているマグカップに注いでいき、軽く混ぜると一つをシェリーへと手渡す。
そして、電球が切れ交換は後回しにしている、薄暗い居間兼応接間へと向かった。
「だな。で、お前さんをどう交渉したもんだと、ずっと考えたんだが……その様子だと交渉せんでも手伝ってくれるよな?」
ボロボロのソファーに腰掛け、珈琲を一口啜る。
彼が思っている以上に気にかけてくれている事は、先程再確認した。故に交渉ではなく、事情を話せば手伝ってくれる。
そもそもの話、これまでもずっと手を貸してくれていた相手だ。最初から交渉の必要すらなかったのかもしれない。
「あらー? あたしが何時手伝うって言ったかしら?」
彼女も定位置に座ると、口をつけずに珈琲をテーブルに置く。
「……ちょっと待て、考えを練り直す」
「あはは、冗談、冗談よ。勿論手伝う」
「びっくりさせるなよ。……頼んでおいて何だが本当に良いのか?」
「いいわよ。ちびっ子に戻せるならそっちの方があたしとしても助かるし。あの子の質素な手料理も食べれないとなると寂しいしね」
「そうか。質問があるんだがいいか?」
「何?」
もう一口珈琲を啜り、口を開く。
「ふぅ~、一刻沙耶香とは何か遺恨があるのか? 言いたくなかったら適当に流してくれても良いぞ」
「うーん、とね。少しだけ。面と向かって話したことはなかったけど、探ってた時に言い合いになっただけ。ソリがトコトン合わないし、此方の過去知ってるわ自分の状況を楽しんでたわで。一緒に居たくないなってね。ただそれだけ」
それだけ。だとは考えにくかったが、深堀りすることはやめる事にした。
これ以上は地雷を踏みかねないからである。
「あたしも一つ聞きたい事があるんだけどいい?」
「いいぞ。なんでも聞いてくれ」
「警察は頼らないの?」
「その事なんだが……」
言い淀むが、話しても問題ないと判断し伝える事とした。
まずブルーローズが警察を情報収集の対象としていた事。この事自体はまだ良い。一刻永正の研究が事件後に発覚した事。そして警察がもみ消して居ただろう事実は有名な説だ。実際、辞任や内部からの逮捕者が出ている事で信憑性が高い話となっている。
そして、電脳力対策特務課の者を捕らえている。電能力者に関する情報も集まりやすく、妥当な相手だと五郎も考えていた。
そして狼男のこの言葉。
『だが、有益な情報は入手出来なかった。連中は工部省側ではなかったのでな。情報としてはまぁこの辺りの電能力者の犯罪者についてとそれっぽい人物の洗い出し、ぐらいだ』
工部省。以前日本に存在していた官庁の一つだ。現在では日本電信電話あたり、前身となっている。
本来ならばもう存在しないはずの官庁である。だが、狼の男の口から出た言葉はあたかも現在も存在している。そのような言い回しであった。
そして、その工部省と関わりのある連中が情報を知っているとも受け取れる。昨日の警察を真っ先に襲ったのは撹乱工作と共に、工部省派と思しき人物の抹殺もしくは拉致が目的だったのかもしれない。
「一説の話が真実に変わって感じね?」
思い当たる節があるのか、シェリーは何やら考え始める。
「俺達からしたら現実味を帯びてきて、諸説ある中で尤も信用できる説になったって方が正しい。連中からすれば恐らく真実として受け取っているんだろうが、俺達はそうじゃない。それで、今回の件に関してはその工部省派がいる可能性がある警察を頼るのは危険。って判断だな。向うに情報が流される可能性が高い。ソレじゃなくとも今の警察はボロボロだしな」
ブルーローズに狙われた事は馬鹿でない限り察知し、臨戦態勢を取っている可能性が高い。
最悪撤収される事も視野に入れなければならない。そのため、迅速にかつ確実に信用出来る人物と秘密裏に行う必要がある。
「それであたしって分けね。あのメガネくんは信用出来ないって?」
「いいヤツでも何か隠してる節があるが、信用はしてる。だが、アイツが動くと警察側に察知される可能性があるからな。そうなると伝言ゲームみたく連中に動いてる情報が行くかもしれん。無用なリスクは極力避けたいってのが本音だな」
ソレに、シェリーはこういった事には一番慣れている人物でもある。彼女ほどの適任者も居ないだろう。
「おーけー、了解よ。後も、一つ。もし、さ。あたしもちびっ子みたいに、ピンチになったとして五郎は助けてくれる?」
「当然、助けるに決まってるだろ。何言ってんだ」
五郎は即答し、一服置いて彼女は吹き出すように笑い始めた。
「そんな真顔で言わないでよ、あはは。おっかしー」
「笑うなよ。なんか恥ずかしいじゃないか」
気恥ずかしそうにマグカップを手にとった瞬間、ゆらりと視界が歪み始めた。
「はー、笑った笑った。……けど、ごめんね。五郎は連れていけない」
マグカップを落とし、珈琲が床にぶち撒けられる。
五郎が彼女の顔に目線を向けると、未だにオッドアイでありタトゥーが浮かび上がっていた。効果がずっと続いていたのならば能力を使ってすぐに事務所に戻れたはずだ。
なぜ敢えて能力を使わなかった?
電気もそうである。彼はハズレを引いて急に切れた。安直にそう考えていたが、能力が継続している事を気づかれにくくするタメだとしたら?
次に目線を彼女が口をつけていないマグカップへと目線を向ける。
全て五郎が用意し彼女は近寄っておらず、薬の類を入れる隙はなかった。普通ならば、能力を考慮しなければ。
「だから、おやすみ」
だが、能力が続いてたのならば、空間を切り裂いてつなげる事が出来ていたのならば、隙なぞ幾らでもあったのだ。
「こ……の……」
意識が途切れ眠るようにしてソファーの上に横になった。
◇
「馬鹿野郎ォォオオオ!!!!」
「五月蝿いよ」
という台詞と共に五郎の頭が何かに叩かれ、重い衝撃と共に鈍い音が辺りに轟き渡る。
「痛いな、何するんだ!」
叩かれた箇所を抑えつつ、犯人に顔を向けると九条廉太郎の姿があり、此処がどういった場所なのか検討が付く。
周囲は変わらず草原であり、曇り空。前回と変わった事といえば小川がない事だけだ。
そして、頭から滴り落ちている血に内心びっくりはするものの、夢ならば問題ないとため息を付く。
「なんだい、なんだい。頭から血を流してるのにも関わらず、こうも落ち着いたヤツがいるってのかい?」
「お前の存在で全てが台無しなんだよ」
「それは言い返せない正論であり、事実だね。あー面白くない、実に面白くない! こうもっと血!? 血じゃないか! 俺は死ぬのか!?!? みたいに迫真の演技でもしてほしいものだよ、僕としてはね」
そう言って彼は凶器である血の付いたハンマーを投げ捨てた。
「お前、俺のこと嫌いだろ」
「嫌いに決まってるだろう? 死んだ一因の男を好いているとでも思っているのかい? ……逆に言えば澤田吾郎。君だって僕の事が嫌いだ。違うかい?」
即答され、再びため息を付くと確かにな。と彼は返していた。
すると、つまならない。から始まり九条はまた長ったらしい独り言をぶつくさと言い始める。
ひとしきり良い終わり、チラッと見て彼もまたため息を付く。
「興味ないと言っているような無反応はつまらないよ」
「実際ないからな。……やっぱり俺は足手まといなのかね」
「っは、当然じゃないかい。今の君は力を持たない赤子と一緒。ましてやあの研究所だ。仕方ない」
「知っているのか!?」
知っているような口ぶりに食いつくと、彼は珍しくたじろいでいた。
「急に食いつかないでくれるかな。僕は元々一刻派の人間だったのだからね。そりゃぁ当然知っているさ。いるとするならば、8位、12位、16位、18位、19位、25位、35位辺りだろうしねぇ。わんちゃん、7位も繋がってるかな? シェリー本人が知らないとしても、他を頼れない上に旧研究を引き継いでいるとなると、戦力があると見てまず間違いないから君を外すのは至極当然さ。個人的に12位が一番怪しいかな? 尤も? 何処までが本当で嘘か、君には分からないだろうけど?」
面倒臭い。五郎の頭に真っ先に浮かんだ言葉だ。
「なんで順位で言うんだよ?」
「僕なりの優しささ。
彼の言っている事も一理ある。
だが、同時に"無用な情報は渡さないぞ"という魂胆が見え隠れしているようにも思えていた。
「なるほどな、俺がシェリーに聞いたら意味なくないか?」
「だから言っただろう? 何処まで本当か、嘘か君には分からない。僕は実は一刻派じゃないかもしれないし、言った順位の連中が全員違うかもしれないし、全員合っているかもしれない。なんなら言っていない奴が存在し、違う奴を混ぜているかもしれない。君がもし言ったとしたら……濡れ衣を着せ、無用な怒りや恨みを買うかもね。もしかしたら関係ない二重能力者を殺す手伝い。なーんてこともアリ得る分けさ」
本当に面倒臭い奴という言葉が良く似合う男である。
五郎が呆れていると、彼は上機嫌に笑ってみせた。
「そうそう、それだよそれ。僕なりの優しさなどと言っておいてこの言い草は何だというその顔! 実にいいねぇ! 君のそういう反応を見ていると、心の栄養というのはこういう事を言うんだね。と実感出来るよ。本当にありがとう」
「お礼言われても嬉しくない」
「あはは、確かにそうだ。事の
何処か妙に具体的で作り話とは不思議と思えなかった。
だが、誰のことを刺しているのか皆目検討も付かない。
「……意図はよく分からんが、答えはノーだ」
「ほう? 理由も聞いてもいいかな?」
一服起き、彼はゆっくりと簡素な言葉を投げかけた。
「確かに似てる。けど、それは似て非なるものだ。決して同じじゃない」
「なるほど、なるほど。同意見で嬉しいよ。澤田吾郎。だがね、見ようによっては先程の事例も全て同じようにも映る場合もある。要は人の捉え方、見え方なんざ千差万別なんだ。全く同じ意見だとしても、それは本当に全く一緒なのか。と問われれば違う。結論は一緒だとしてもそこまでに至る仮定が違い、抱く感情が違い、道筋が違い、頭の出来が違う。確かに同じ意見の者は同士だろう。だが、本音をぶつけ合うだけでその関係が続くのかと言われれば、多くの場合は拗れてしまう。故に本音と建前を使い分け、真実と嘘を交え、誤魔化し陥れ関係を築いていく。まぁこの意見も結構尖って入るけれどね」
遠回しに何かを伝えようとしている事だけは分かった。
だが、遠回し過ぎて何を伝えないのかまるで分からない。本当に面倒臭い男である。
「それで、何が言いたい?」
「故に……だからこそ澤田吾郎、君が抱いている考えと、君の相棒の考えは本当に一致するのか? という話だよ。僕は一致するとは微塵も思わない。君達は恐らく、彼女の今の人格を共通認識として、第三者と捉えるだろう。君達の身内じゃない、外の人間として扱う。建前は違っていたとしても、深層心理はそう扱ってしまっている。問題は此処からだ。君にとっての相棒は時柄永久その人であり、体の所有権は彼女として映る。だけど、彼女にとって本来の体の所有権は、一刻沙耶香だ。これの意味する事が分かるかい?」
「ッ!」
何かに気が付き、五郎は言葉を失う。
永久ならこの場合、どうするか。どう考えるか。その事が完全に抜け落ちていた。ただ、もとに戻す一心で彼女の元に戻りたい。そう考えていた。
「は~、真面目に喋ると酷く疲れるね。こういう時は紅茶でも飲みたいね。あ、僕は紅茶が嫌いだったんだった。さて問題です。僕は紅茶が好きなのでしょうか。嫌いなのでしょうか」
「……知るか。そもそも、真面目に喋ってる振りをしつつも変な事言ってるだろうが」
「おや、バレてたか。本当に僕は真面目に話していたのかふざけていたのか、本当に同意見なのか否か、本当に嬉しがってるのかどうか、本当は一致してるんじゃないかって思ってたりするかもね。もしかしたら、紅茶ではなくコーヒー牛乳でも飲みたい気分だったりするかもしれない。……つまる所はこういう事さ。良かったね。体の良い見本が目の前に居て。オオカミ少年だからこそ、説得力があるとは思わないかい? って、思わないか。あははは」
確かに誰がどう見てもオオカミ少年だ。
彼は敢えて道化を演じている。
「いや、思うよ。言われて気がついた。……かき乱されただけな気もするが」
「おや、おやおや……君までオオカミ少年になってしまうとは情けない! これでは嘘と嘘の殴り合い、真実を覆い隠した嘘の雪合戦だ。いや、これはこれで面白いかもしれないな。どうだい? レッツ一戦交えるっていうのは」
「それは断る」
「釣れない全くもって釣れない。新たな遊びを開拓できるかも知れないと思っていたのに。……まぁ、いいか。おっと、今回も最後に1つだけ、嘘を交えず本音を言っていこう。シェリー・サックウィルの事は信用していい。あの様子では本当は興味を抱いておらず、特に君に対して恋心は一切抱いていないだろうが、敵対せず寧ろ庇ってくれるだろうからね」
「あぁ、既に知ってるよ」
数少ない、心から信頼出来る人物の1人だ。
「おや、それは残念だ。実に残念。さて問題です。最後に1つだけから残念までのやり取りの中で、嘘は幾つあったでしょうか?」
「さてな。数える気にもならんかったよ」
「おやおや、乗ってくれないのは面白くない」
◇
極楽社山、中腹。
1本の鋪装された山道が通り、その先に一つの研究所が存在していた。
「さーてっと」
その研究所を見上げる形で、単眼鏡を覗く怪盗衣装に身を包んだシェリーの姿があった。
探っているのは幸原研究所であり、外に居る警備状況を偵察していた。だが、複数のトラックが確認出来、何かを運び入れている様子が目に飛び込んでくる。
「不味いわね。撤収準備を始めてるわ」
双眼鏡から目をはずし、スマホを取り出す。すると、彼女の画面にはミラーが表示されていた。
「便利子ちゃん。地図出してもらっていい?」
『了解なのです、なのです』
五郎を寝かせた後、手伝うように話を通していたのだ。
もし彼女の読み通りならば、ミラーの力が必要となるからだ。
表示された地図に目を通していき、口を動かす。
「やっぱり隠し通路的なのはないか」
『地図内にある、って事はないのですか? なのですか?』
「可能性はゼロじゃないけど、こういうのって本命の施設は隠すもんって相場が決まってる。特に表向きと裏が隔たってる場合とかね。実際昔はそうだったし」
1本のナイフを作り出し、振り上げる。すると、空間に一筋の切れ込みが入り、布のようにめくれていき別の空間へと繋がる。
繋がった場所は、幸田研究所の屋上であった。彼女はピョンと跳び、再び口を開く。
「引き継いでるのなら尚の事」
足を付け、周囲を見渡し人が居ない事を確認し、空間をもとに戻しながら下の階へと繋がる塔屋へと歩を進めていく。
『なるほど、なのです。では、先にハッキングを……と言いたいのですが』
言い淀み、画面に目線を落とすと困った顔になった彼女が表示されていた。
「ハッキング無理そう?」
『出来はすると思うのです。なのですが、プロテクトが固くてした途端にバレる。と思うのです。なのです』
ドアノブに手をかけ回すが開かず、刃が淡く光るナイフを生成し直しドアの隙間に差し込むと振り下ろし、デッドボルトを切断した。
「おーけー、じゃぁ一旦制御室を目指すわね。もしバレたらハッキングお願い」
ドアを開け、施設の中に足を踏み入れる。
『了解なのです、なのです!』
階段を下っていき、3階へと到着し、単眼鏡覗き周囲の人員の位置を確認し始めた。
これは能力で作り出した"近未来の"スナイパーライフルに付属していたスコープであった。本来の照準器に加え制度はお世辞にも良いとは言えないが、壁の透過機能も搭載している。
すると、とある異変にいち早く気が付き鉄板を生成すると、脱出のための空間を斬り出す。
「早速だけど、ハッキング宜しく!」
次の瞬間、複数の銃声と共に鉄板に銃弾の雨が降り注ぎ、金属音と共に凹んでいく。
『うぇえ!? いきなりなのです!?』
「完全に待ち構えてた、備えてたって動き。なんかの探査系能力使われてるわよ、これ」
垂れ下がった裂け目を通り空間を移動すると、裂け目を閉じつつ思考を巡らせ始める。
こうなってしまってはミラーのハッキングが完了し、隠し施設の場所が割れるまで時間稼ぎをする必要がある。
その事自体は良いのだが、探査を行える能力者が誰なのかが問題である。職員の1人なのか。はたまた。
カツ、カツ。と足音が聞こえ目線を向け、口を開く。
「チンピラ顔に似合わず、あんた頭良かったけね。梶谷」
目線の先には似合わない白衣を着たオッドアイのチンピラが、余裕綽々の様子でゆっくりと歩いてきていた。
「っち、昨日の今日でよォ……釣れるのがおめェってのも不思議なもんだなァ。おい、武器子よォ!」
2重能力者か。
この態度は何かある。そう考え、周囲の警戒を強めていく。
「その呼び方やめてくれる? 基本的に嫌いなの知ってるでしょ?」
「知ってて使ってるンだろうがァ。……っつーかよォ」
白衣の袖から1枚のトランプを取り出し、手裏剣のように投擲した。
すかさず鉄板を作り出すと、ソレは突き刺さって止まる。
「てめェ、やめろっつー相手、選んでんだろォ?」
「当然でしょ」
即答してやると、彼は上機嫌に喉を鳴らす。
「そりゃそうだよなァ。なァ、"鬼神さん"よォ!」
次の瞬間、シェリーの頭上の天井に亀裂が走り崩落が始まる。咄嗟に鉄板を生成し、後ろへと大きく跳んだ。
砂煙と共に瓦礫が降り注ぎ、鉄板が見るも無残な姿へと変貌していく。同時に1人のメガネを掛けた男性が上の階から飛び降りて着た。
「ッ!? あんた━━━━」
「
「━━━━眼鏡ェ!?」
「
MBC~異能力探偵事務所~ 猫缶珈琲 @ko-hi-
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