第54話:スイッチ

「やっと、スイッチが入ったか。」

そんな声が聞こえたけど僕にはそれを返す余裕はなかった。

魔王は痛がったけど斬りつけた手首がボコボコと泡立ち元の手の形を形成した。

「ちょっと!あんなの前なかったよ!」

シャナンさんの叫びが聞こえる。

再生して復活する!

だけど、僕はただ魔王を叩き伏せる事だけ意識を集中していたので、ただ復活するなら再びまた斬りつければいいだけ!

再び僕は走り出し剣を振り上げた。

魔王は僕の攻撃を遮ろうと再生中の腕で防ごうとしたので、僕はその泡の中に飛び込む。

泡が体を包み圧迫される。

僕はその押さえつけられる泡に体重をかけ、剣を前に突き出し泡の中、前へ走り出した。

力がいるけど、切れる!

剣先が泡とは違う何か、魔王の筋肉に当たった。

そのまま前に出したシャドウエクスカリバーに更に力を入れて、全力で前進し筋肉を裂く!

体が振り回される感覚がある。

魔王が痛がって暴れているんだろう。

再生された筋肉のまわりの泡が体を押さえつけるので放り出されることが無い。

だけどすぐに剣が空を切り、勢いで自分の体が空中に放り出された。

魔王の体内から飛び出た!

唸るような太い悲鳴が魔王から上がる!

体を捻り、飛び出た場所を振り返ると僕は魔王の首元から出ていた。

その血が出る首元をキョウコさんとヤヒスさんの毒と雷魔法でダメージを与える。

「何!あの攻撃!怖っ!・・・」

「エイリアンを思い出す・・・もしくは体内に入り込んだ寄生虫アニキサス。」

シャナンさんとヤヒスさんが僕の攻撃に引いているのを空中で見えた。

「外皮は硬いけど内側なら、そんなに苦労なくダメージを与えられるのか!」

ミランさんは向こうで別の魔王の攻撃に対処しながら、傷口を探した。

「それじゃぁその内側から3枚下ろしにでもしましょうか。」

キョウコさんが魔法攻撃を止め剣を握り飛んだ!

レイピアと呼ばれる細身の剣の種類だ。

キョウコさんはそこら辺、要領よく僕の傷つけた肩口まで跳び、魔王の傷跡の中をえぐる。

「やっぱり内側からなら外皮が裂けるみたいね。」

そう言うと丁寧に、外皮を裂いて見せた。

「ジョナサンこっちも最初の一太刀頼む!」

そう言われてるけどそんな事を気にしている場合じゃない。

向こうでずっと締め上げられているローリアさんの苦しそうにしている!

僕は地上に着地するとすぐに魔王を背にして、冒険者Aに向かって全力で走った。

まだ少し距離がある。

さすがに冒険者Aも僕がまっすぐ向かってくるのに気がついたようだ。

目線はこちらにはあっていないけど、黒い触手が飛んで来た。

僕は力一杯地面を蹴って、空中に逃げる事でそれをかわし、その勢いのまま冒険者Aに斬りかかる。

左右から別の触手が僕を襲う。

左は後方から放たれた雷魔法の攻撃で狙いが逸れた。

「ジョナサン前に出すぎ。」

ヤヒスさんが声を少しだけ張って言ってくれたけど、後退する気はなかった。

「いや!気にするな行け!」

右の触手は、ドゥベルさんが大剣で打ち落とす。

冒険者Aの正面に出た。

シャドウエクスカリバーを彼の頭上に振り下ろす!

ガンッ!

ローリアさんを拘束していた、薄っぺらい冒険者Aの闇の触手が1本、攻撃をかわす盾として、僕の剣を受けた。

僕は重力で落ちる前に剣を後ろから振りかぶり、もう一度その闇の触手にぶつけた。

薄っぺらいのに、鋼鉄を叩いたような音がする。

だけど、その触手の闇に呑み込まれる事はなかった。

いや、吸い込まれるって事を忘れていた。

僕は防がれた反動で押し返され、そのまま冒険者Aの攻撃を警戒しながら地面に着地した。

ローリアさんを見ると、拘束が1本解けた事で、彼女への拘束が少し緩くなっている。

「やはり触手の吸収と鋼鉄化は簡単に変えられ無いようじゃの。」

アナハイムさんの声が聞こえた。

簡単に呑み込まれないようにしているつもりだけど、今の物理推しでは手の打ちようがない。

そして、次の攻撃をどうしようか考えていたところで、後ろで大きな物が地面に倒れた音が聞こえた。

ドゥベルさん、キョウコさん、ヤヒスさんの3人で魔王を倒したらしい。

「やっと倒せた。」

「前の魔王より手応えが薄いが、今はこいつで手打ちだな。」

「こっちの残りはアイツだけ!」

冒険者Aの震えが少し止まった。

何かを考えているのか?

出方を伺う前に、ローリアさんを拘束している触手がもう一本解け、2つの触手がものすごい勢いて左右の壁を撫でた。

左のガラス壁は吸収され、硬いガラスだったものが何もなかったように削られた!

でも左のガラス壁をその切先で攻撃した闇の触手は、ガラスの壁にヒビが入るものの、壊れはしなかった。

冒険者Aは、すぐに左の触手を右のガラス壁に向かわせガラスを吸い込みに行った。

自分たちの頭上に闇の触手が大きく弧を描いて反対側に。

勢いはそのままに、でも音もなく右側のガラス壁が吸収してなくなる。

魔王がその空間に気が付き、左右の2体とも対峙していた冒険者さんを無視してこっちに向かった!

ガラス壁の隙は微妙に狭く魔王は開いた所を、強引に破壊・蹴散らして真ん中に来ようする。

だけど開いた空間の壁の上方から、ちりちりとガラス片が落ちている。

魔王が無理にその隙間を通ろうとして、体当たりで衝撃を与えると、徐々にガラス壁の破片が大きくなった。

「どうやらこの、ガラスの壁は元のシステムらしいね。」

ウォーレンさんがアナハイムさんに舌打ちをするように話していたが、こちらにも聞こえた。

「自分で作ってたら消すのも自分で対応できるじゃろうからの。」

「それよりも一番上のガラスドーム・・・まだ影響はなさそうだけど・・・」

冒険者Aの開けた空間は、魔王の無理やり通ろうとする体当たりの衝撃でガラスの壁の自重を抑えきれなくなり崩壊が始まった。

「ウヒョ!ワシたちも真ん中に!!」

「ええ!退避です!」

アナハイムさんは、ミハエルさんの背中にしがみつき、猛ダッシュ!

「ちょい!爺さん!」

「構うな!行けい!」

ミハエルさんは渋々アナハイムさんを振り払う事はせずにそのまま走る。

ガラスの破片が落ちて来る場所を確認し指示を出しながら、ウォーレンさんと一緒にこっちの広場に隙間をぬって移動してきた。

魔王はそのガラス片の事が気にならないのか、その分厚いガラス壁の破片が足に刺さって大きな傷がついた。

「チャンス!」

魔王の負傷した足がうまく動かず、地面に突っ伏した。

アナハイムさんをガラスが落ちないところに下ろすとすぐにミハエルさんは魔王の攻撃に移った。

分厚く尖ったガラスが魔王の足を貫通して、地面に刺さって動けない。

ミハエルさんはそのガタイから想像できないほど器用に落ちてくる物を避けガラス片で傷ついている魔王の体に太い剣を差し込んだ!

「ちょっとこっちの魔王も何とかして!私じゃ結局皮膚にダメージ与えられないけどさ!」

シャナンさんは格闘家なので拳だけじゃ確かに三枚おろしはできない。

「皮を剥ぐぐらいならできるんじゃない?」

「それだ!」

僕の後ろでは魔王への攻撃が活気付く。

でも僕は目の前の冒険者Aの奥にいるローリアさんをすぐにでも開放したい思いでいっぱいで他に気が回らない。

冒険者Aの触手が1本、僕の方へ向かってきた。

シャドウエクスカリバーでそれを受ける。

魔王より攻撃が重たい。

最初の1打でそのまま押し込まれそうになるけど、踏ん張って見せる。

骨が軋んで、足元の岩が割れる。

このままだと耐えられない!

僕は冒険者Aの攻撃を左に流すと、すぐ右から別の触手が襲ってきた。

それを上体を捻り交わす。

さっきもらった殻になったカレンちゃん特製回復薬の瓶がその触手に呑み込まれていく。

こっちは、吸引の触手か!

かわしたところで、次の攻撃が来る前に僕は走り出した。

「ジョナサン上!!」

ローリアさんに言われて意識を向けた方向に、左側の魔王の魔法攻撃が!

紫色の渦を巻いて僕のいる所に落ちて来る途中だった。

すぐに後退してかわせると、思った所でモフルゥーが僕より前にでていた。

「あっ!」

だめだ、庇いに出たら、両方共やられる!

バウッ!

その声が僕の後ろから聞こえたかと思うと、急ダッシュでウォー・ウルフの親が子供に食らいつきその勢いで、子供を中心にバク転をキメたと思ったら。子供を僕の方へ放り投げた。

僕は、モフルゥーを受けるとそのままの勢いで、魔王の魔法範囲から押し出された。

ウォー・ウルフの父親は・・・

激しい地鳴りが起き元居た場所は雷のスパークが起き、紫色の禍々しい渦が、激しい嵐のように上昇した。

そして瞬く間に嵐が消えた。

「そんな・・・」

ヤヒスさんがウォー・ウルフの経緯を見ていた。

「間に合わなかった・・・」

そこには子供の身代わりになって焦げたウォー・ウルフが、力なく地面に倒れた。

モフルゥーが僕の腕から抜け出し、急いで近き鼻先で父親の影をつつくと、父親は小さな粒子なってきえていった。

「キャン!キャン!」

父親の存在がそのまま消え、悲しい吠え声を上げる。

でも、冒険者Aの攻撃は止まらない。

モフルゥーに目掛けて触手を飛ばす。

僕は無意識にモフルゥーの前に出て、その冒険者Aの触手を剣で薙ぎ払うはらう!

こいつは物理攻撃の触手!

変わらず重い攻撃だったけど、受け流す程度にして、モフルゥーに当たらないように調整をした。

そして、そのまま攻撃に転じる!

「ダメ!ジョナサン!」

ローリアさんが叫んだ。

気がつけば僕の移動線上に黒い触手の先が伸びて来ていた。

「ガウッ!」

モフルゥーが僕の前に出てその闇の触手を喰らい付いた!

闇の触手は怯んで、僕の移動線からずれる。

僕はそのまま前に走る

僕は体勢を整えさらに冒険者Aに詰め寄る為に走り出すと後方でモフルゥーが振り落とされ地面に叩かれる音が聞こえた。

「キャン!」

悲鳴が後方から聞こえる。

合わせてその後方から闇の触手が僕を狙っている気配がした!。

ガンッ!

ドゥベルさんがそれを剣先でぶつけてをそらす。

再び、そこへモフルゥーが再び食らいつく。

「殿は任せろ!お前は目的だけを考えろ!」

ドゥベルさんは一撃離脱ですぐに攻撃から離れたけど、すぐにターンして触手に飛びつく!

モフルゥーはまた触手になぎ払われ地面に叩かれる。

「キャン!」

悲鳴を上がるけど、すぐに立ち上がり再び攻撃に転じる。

その行為が素早いテンポで数回繰り返してされるとだんだんモフルゥーの体が光に包まれていった。

「アオーン!」

モッフルーの叫び声とともに、その光が最大まで輝くと光が弾けた。

「進化した!」

「あれって、ウルフ・エンフェリアじゃない!?」

聞いた事がある、結構知性があって戦略を練って攻撃を仕掛けて来る奴だ!

モフルゥーは、全体的的な体のサイズは変わらないけど先程より威圧感を感じる。

外骨格も少しシャープになった印象だ。

さっきまで見えなかった歯も凶暴にシャープになっている。

「こんな、隠し要素があるとは思わなんだ。」

「いやこれもバグじゃないのか!?」

「その検証は、とりあえず後だ!」

そう、僕も冒険者Aと対峙しているけど、魔王もまだ残っている。

「おっし!こっちも魔王を倒した!加勢する!」

ミハエルさんが魔王にトドメを差しすぐにアナハイムさんとウォーレンさんと一緒に、残された魔王の攻撃に参加した。

魔王は冒険者Aと僕の間に入ろうと移動をしようとするが、クランメンバーのみんなの攻撃で、すんなり寄ってこれない。

シャナンさんが、挑発する。

「くっ!最初の致命傷を与えられない!」

そう、シャナンさんがぼやくと、ウルフ・エンフェリアとなったモフルゥーがそちらに駆け出し、首元に噛み付いた。

魔王との体格差があるけど、その牙は確実に首元刺さり、魔王が苦しみだす。

モフルゥーは、すぐにその場を離れると、首元に魔王の掌が、ハエ叩きをするかのように覆いかぶさる。

「首元が切れた!チャンス!」

そう言うとシャナンさんは魔王の顔面に打撃を加え、挑発をし、自分の方へ攻撃を誘った。

首元を抑えていた、手が全てシャナンさんへ向かう。

その隙を突きホーウェンさん、キョウコさん、武器を剣に切り替えたアナハイムさんも一緒に首元の傷に飛びかかる。

3人の武器で魔王の傷口をえぐった!

魔王の悲鳴が上がる。

続いて魔王の攻撃を回避したシャナンさんが、後退する3人と入れ替えで傷口に手を入れ、皮を背中にむかって剥いだ!

後はもう魔法攻撃と物理攻撃を連続で浴びせ魔王3体目の轟沈も時間の問題だった。

でも僕の方は、ドゥベルさんとヤヒスさんのバックアップが付いていながら、冒険者Aの攻撃をかわすだけで精一杯だった。

「関心している場合じゃない!シャナン!こっち来て空打!」

「えー忙しいしぃ〜直接顔面殴りたい!」

シャナンさんはさっきから攻撃を受けるだけでダメージをほとんど与えられなくて、ストレスが溜まっていた。

「腕が消えてなくなっても知らんぞ!」

「しょうがないなぁ。」

そう言うと、シャナンさんは腰を落として、息を大きく吸い込み前傾姿勢になると、冒険者Aの方に向かって拳を連続して突き出した。

その激しい空圧は周囲のチリを巻き込み冒険者Aの触手に当たる。

空圧なのに触手に強く当たった音する。

触手は鋼鉄の装いから風になびくシーツのように緩んだ。

その隙を見計らったようにドゥベルさんが触手を斬りつける。

『スッ』と言う音が聞こえるような気がするほど、あっさりと闇の触手は切れた。

「ティ!」

シャナンさんが最後の空打1発を打ち終わると。

魔王の後頭部がシャナンさんの後ろから頭上に倒れてきた。

シャナンさんはそれを見ることなく正面を見たまま、頭上に拳を振り上げる。

魔王の頭に見事ヒットし、衝撃波の鈍い音と共に大きな魔王の頭がバウンドする。

そしてシャナンさんの横に倒れた。

「トドメもらい!」

「オーバーキルよ!無駄玉!」

3体目の魔王も倒したようだ。

「いいのよ!魔王のトドメ刺したって自慢する為だけだから!我が渾身の一撃に!いっぺんの悔いなし!うわっと!」

シャナンさんのドヤ顔に冒険者Aの闇触手が伸び寸のところでかわす。

「調子に乗らない!」

だけどその攻撃はシャナンさんに向けたものではなかった。

闇の触手は真っ直ぐに倒された魔王の頭に突き刺さるとそのまま質量を無視しし、上下逆さまの状態で空に上がった。

「シャナン!空打!」

「ダメ!筋肉クールダウン中!」

「このっ!必要な時に役立たず!!」

「ごめんなさぁ〜〜い!」

そのまま冒険者Aの思いのままにされると、良くない事が起きると想像が着いたので、慌てて僕はその魔王に駆け寄る

そして、無意識に倒された魔王の首を狙い剣を突きつけ、動体と切り離した。

胴体はすぐに粉となって消失したけど、頭はそのまま冒険者Aの方に引き寄せられた。

そして、もう1体の魔王の遺体、足をガラス片で刺され倒された魔王が冒険者Aの方に向かって空中を漂っていた。

「しまった!」

冒険者Aの始末がまだなのに、奴は何かをしようとしていた。

僕は冒険者Aの方へ駆け出し再び、奴の高さまで飛んで攻撃を仕掛けた。

何かをしようとしているなら、その隙を狙うチャンス!

だけど、冒険者Aもそれを予測していた。

まだこのっている触手を使って、攻撃を防いだ。

奴の頭がすぐそこにあり、その向こうにローリアさんがいる!

だけど、この触手の壁は硬く丈夫で押し返せない。

「くっ!」

攻撃の反動で押し返されたところに触手が僕へ攻撃してきた。

状態を仰け反らしその攻撃をかわしたけど、頬に鋭利な刃物で斬られたような傷が着いた。

「ジョナサン!」

ローリアさんが、後方から回復魔法を唱え、僕の体に効果を与えた。

そうか、僕への攻撃はローリアさんを拘束していた触手の一つか。

拘束が一つ緩くなったので、ローリアさんの片手が自由になり、魔法を唱えられたんだ。

頬から流れた血はすぐに止まった。

続けて、僕の頭上に強化魔法が連続して降り注ぐ。

体力増強、体力回復、防御強化、攻撃強化、回避能力上昇、行動力上昇。

そして最後に魔法強化!

女神様からの祝福のように、頭上から降り注ぐ強化魔法が僕に勇気をくれる。

「ああっ!」

再びローリアさんに闇の触手が絡みつき拘束される。

「うくっ・・ジョナサ・・状態異常回復と、耐性は入ってないから気をつけて!」

拘束されて辛いはずなのに、こっちの心配なんていいのに。

「状態異常回復で彼の酔いが覚めると危険なんだが・・・」

ミハエルさんが攻撃を避けながら呟いた。

そう自分でも解っている。

今僕の力をブーストしているのはアルコールのおかげだと言う事を。

でも、まだ酔いは・・・

「ヴェええええええ!」

「ちょっ!!ジョナサン汚い。」

シャナンさんの率直な意見は、相当なひどいもよおし物を出しているぽい。

頭が回ってい無いので、自分でも何をしているのかよく解ってい無い。

「あれはバフ(強化魔法)で逆に頭にアルコールが廻ったかな。」

ヤヒスさんがいったことに。

「ローリアの強化は強めだからノォ。」

「ええっ!?ごめんなさい・・・無理はしないで。」

「いえ、アルコールに弱い僕に問題があるんです・・・」

なんてダメダメな自分なんだと、改めて思う。

でも、体は軽い。

冒険者Aの攻撃がさっきより軽くかわせる。

だけど、冒険者Aだけ意識を向けているわけにもいかなかった。

吐いている最中に、2つ頭の魔王が冒険者A触手によって創り出されていた。

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