42話 よくやったぞ小僧!

スライムの壁をワイバーンの炎で壊すも即座に元通りになってしまい、俺にはどうすればいいか分からなくなっていた


「ワシがスライム達を灰にするまで燃やしてやろうか、それとも何かアイデアはあるか?小僧」


正直それしか浮かばない、ワイバーンには悪いがその作戦でいこう


「頼んだ、ワイバーン」


「了解だ」


ワイバーンは炎のブレスを壁が崩壊しても出し続ける


俺は崩れたスライムの壁の中に飛び込み、鍵を探し始める


「小僧、気をつけるんじゃ! 」


っ…! 壁が修復されっ…!


「小僧!」


俺はスライムの壁の中に埋もれた。 辺りは暗く、何も見えないし息もできない


「エア…!」


俺は空気の玉を作り、その中に顔を入れる

これで数分は持ちこたえられるが暗くて鍵どころでは無い


炎で明るくしようにも二酸化炭素が発生してしまうので危険だ


「小僧、無事か!」


ワイバーンが俺がいる所に穴を開けた


「ナイスだ!」


そう伝えると…


「あった、これだ!」


俺は足元にあった鍵を手に取り、高く上げた


「よくやったぞ小僧」


ワイバーンはそう言うと消えた


2人はどうなっただろうか、シャーノは重力で何とかしたと思うがエリーは…

俺は足早に教室を出る



「来たか」


待機室でシャーノは終わっているようだがエリーはまだ来ていなかった


「ああ、何とか終わったよ」


俺はエリーへの不安を隠しきれず


「エリー、すぐ来るよな」


と言ってしまった。 アイツの持ち前の明るさで何とかなると思うが、あのスライムの壁は電気では…


「大丈夫だ。 実際、入学試験の時にゴーレムを3体も倒しているんだ」


シャーノはそんな事を言ったがどこか一点を見つめて視線を動かさない、やはりコイツも心配なんだろう…


「そうだよな」



(数分後)


「お待たせっ!」


エリーが俺達の方に走ってきた。 無事に終わったんだろうか


「すっごいギリギリだったよー」


右手を後頭部に当てて笑っている。 こっちは笑う余裕すらなく心配していたのに…


「無事にクリア出来たなら良かったじゃないか」


俺は試験前にエリーにやられたように肩をポンと叩いた


「今日はもう休もう。 そうだ、俺達の部屋に来ないか?エリー」


俺はエリーを部屋に呼び、3人で夜まで語り合った


…2人には俺の将来の事について話しておこうとも思ったからだ

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