34話 やっぱりこうなるか!

俺とシャーノは隠されていた部屋に入った。 すると…


「眩しいな…」

シャーノの言う通り眩しい、部屋にはクリスティン伯の集めた宝石類が沢山置かれていた


「王の石版ってどれだ? この辺全部金しか置いてないぞ…」


俺は金のコーナー(自分でそう名付けた)に近づいた


王の石版って名前からして金で出来てるっぽいけど…


「昨日調べたが金で出来ていた、恐らくこの金の山の中にある」


シャーノは金のコーナーに容赦なく手を突っ込んだ!


「おいバカ、中に尖ってる物入ってたらどうするんだ!」


「大丈夫だ」


俺はその返答を信じることにした


「じゃあ扉見てるから、見つけたら言え」


「おう」


シャーノは手を突っ込んでは投げ、突っ込んでは投げを繰り返している。 もう少し丁寧に扱って欲しいが…


「クロウ君、シャーノ君、敵が近づいて来てる! 6人くらい!」


6人だと…! 俺が防がなくては!


「シャーノ、ゆっくりでいいから確実に探し出せよ!」


俺は背負っていた杖を左手に持ち、いつ敵が入ってきても良いように構えた


「何だ貴様等は!」


男達がそう言ったと同時に俺はバンパイアとウィッチを召喚した


ガーゴイルは建物の中で飛ばれると色々と邪魔になりそうだからやめた


「主様/主、いかが致しましょう」


俺はウィッチには炎の壁を作ってもらい、バンパイアには俺とウィッチの盾になってもらった


ウィッチはかなり大きくなり魔法も余程の物でなければ即座に発動できるようになった


バンパイアは成人した一般男性くらいの大きさになり、もう少しで世間に知られている姿ほどになれそうだ


「シャーノ、まだか?」


俺は一緒に石版を探しにシャーノの元へ向かう


「無くなった…」


金のコーナーには何も無くなった。 そんなはずはない、もう一度探さなくては…!


俺はシャーノがそこら中にばらまいた金品をもう一度見返した


「主様!」


バンパイアに呼ばれた、恐らく押されているんだろう


「俺が行く」


シャーノは腰の剣を取り出し、バンパイアとウィッチの元へと走った

恐らくエレベーターの天井を切ったのはあの剣だろう


あった…!


「あったぞ、ここから出よう!」


俺はシャーノと使い魔達にそう伝えたが、どこから出よう…


入ってきた扉からは洋館の男達が沢山いる。 エレベーターまでは戻れないだろう… なら


「ウィッチ、扉にバリアを張れ!」


ウィッチがバリアを張るのを見届けて、俺は窓の外に水の玉を外に2つ作った


「エリー、管理室から出て敷地内から離れろ。 帰るぞ!」


エリーにそう伝え、使い魔達を戻す


「シャーノ、窓に飛び込め!」


そう叫び俺とシャーノは窓に飛び込んだ。 俺が先程作った水の玉が落下する速度を下げ、俺達は安全に地上に降りた


「走るぞ!」


俺達は1時間かけて歩いてきた道を走って戻る。しかし…


「待て!」


スーツを着た3人の男が俺達を追ってくる。 しかも足がかなり早い!


「やるしかないな」


シャーノはそう言うと立ち止まり、男達の方に右手を向けた


すると男達はその場に倒れてしまった! どういうことだ…?


「もう歩いても大丈夫」


シャーノがそう言うので俺達は歩いて学校へ戻った



帰り道、シャーノは自分の得意とする魔法は重力を扱う魔法だと言った

だから男達は倒れたんだろう


エリーはハッキングなど電気を使用する魔法が得意だと言った


俺は…何が得意なんだろう。 満遍なく特訓をしていたから分からない


「召喚術が得意だけど、あらかたどの魔法も得意だ」


そう答えておいた

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