31話 堕天使について!
(学校入学から1週間後)
大体の初めての授業を受け終わった。 しかし[天使と悪魔]という授業のみ1度も授業をしていなかった
「なぁ、天使と悪魔って授業何なんだろうね」
今日は珍しくキリカが起きている。 明日は大雪だろうか
「分からないけど、次それなんだろ?」
授業が始まって8日目、ようやく謎だった授業が始まる。 一体どんな事を学ぶんだろうか…
チャイムが鳴る
同時に黒髪に所々白いメッシュが入った、綺麗な顔をした男の人が入ってきた
「さあ、授業を始めよう」
この声は聞いたことがある気が…
男が黒板の方を向き、俺達に背を向けるとその後ろ姿はまるで…
「マスター?」
思わずそう呟くと教師は笑った。 マスターが授業を? どうしてだ?
「私がこの授業を担当するレイだ、よろしくな」
レイがそう言うと女子生徒から黄色い歓声が上がった
レイの素顔は俺でさえ初めて見るが、これ程綺麗な顔立ちをしていたのかと度肝を抜かれた
「私の授業では天使と悪魔の違いなどをこと細かく教えていく。 しっかり着いてきてくれ」
はいと女子生徒が大きな声で返事をした
天使と悪魔の違い…どちらも経験した事のあるレイだからこそ出来る授業だろう。 それに俺も違いには興味がある
「天使と悪魔の違い、それは何か分かるかい?」
とエリーは聞かれた
「色とか、性質ですか?」
「そうだね、まず色が違う。 天使は白く、悪魔は黒い」
確かに、父親はいつも真っ黒で母親は真っ白だ
「性質… そうだね、悪魔は敵をとにかく倒そうとする。 でも天使は敵の悪しき心を浄化しようとする」
「あとは魔法だね。 白魔法を使える悪魔はいないし、その逆もいない」
じゃあ俺の白魔法はやはり母親からの遺伝か…?
「じゃあここで質問だ、白魔法を使えていた天使が堕天したらどうなると思う?」
難しい質問だった。 教室の誰も答えられない…
「答えは不明、だ」
…? そんな質問をしていいのか?
「堕天しても使える者は使える、一方で使えなくなる者もいる」
そういえばレイは洞窟の中で使っていなかった。 いや、使えなくなってしまったんだろうか
「また羽根や髪に影響が出る者もいる」
「見た目は天使の羽が黒くなっていたり、白かった髪の毛が黒く変色したりする」
じゃあレイも以前は…
「私の髪と羽根がそうだ」
レイはそう言うと羽を広げ、束ねていた髪を解いた。 羽根は真っ黒だった、父親と同じくらい黒い…
「私は堕天使だ。 だからこそこの授業を君達に提供することが出来る、1年間よろしく頼む」
レイがそう言うと授業が終わるチャイムが鳴った
レイは教室を早々と出て行ったが、教室の奴らは動けずにいた
当たり前だ、最初の授業でそんな事を暴露されたんだ。 俺も最初は驚いた
ふとシャーノの質問を思い出した
「堕天使ってどう思う」という謎の質問を
彼も堕天使なんだろうか…
いつか分かる日が来るだろう。その日が来たら俺は、彼がなんと言おうと受け止めるつもりだ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます