28話 おめでとう!
(試験から10日後)
今日は王都メサイア学園から合否結果が送られてくるため両親は仕事に行かずに家にいた
いつ両親が働いているか?俺も知らん、興味無い
「ドキドキしますな!」
バンパイアが俺の周りを飛び回る。コイツはすっかり成人男性くらいの大きさになっていた
「神様…」
ウィッチが手を折りひたすら祈る。中学2年生くらいの大きさになっていて、もう立派な女性だ
「契約主はよくやりましたよ」
ガーゴイルは呑気に茶をすすっている。がっしりとした体つきに成長した
「来た!」
俺の元に紙が現れた。どういう原理かは分からない
両親も寄ってきた。 紙には…
合格
俺達は安堵した。しかし合格の文字の下に何か書いてある
「王都メサイア学園へのご入学を認めます、しかし下記の事項を守ってお過ごし下さい」
…? 何だ?
「特級魔法の使用禁止」
あ、やっぱり? チートだよねあんなの
「守る事が出来る場合はこちらにサインして下さい」
俺は迷うこと無くサインした
「おめでとう!」
両親が抱きつこうとしたが俺は避けた
本っ当に気持ち悪いからやめて欲しい限りだ
「行くぞお前達、特訓だ」
俺は使い魔達を引き連れ庭に出た。こんな所で満足していられない
しばらくの間特訓しているとエリーとエヴァンスがやって来た
「クロウ様、合格おめでとうございます」
エヴァンスはぺこりとお辞儀をするがエリーは
「やったね! 同じ学校だよ!」
どうやらコイツも受かったんだろう、賑やかな学園生活になりそうだ…
「クロウ、おめでとう」
エヴァンスの後ろから黒いローブを身に付けたレイが現れた
「マスター! 来てくれたんですね!」
俺は今日一番元気な声でそう言った
「君なら出来ると思っていたよ、本当におめでとう」
レイに頭を撫でられ、俺はとても嬉しかった
「じゃあ、用事があるから私は行くよ」
レイは早々に帰ってしまった。でも会えただけで嬉しかった
「明日からクロウは学生かぁ、早いなぁ…」
父親は感慨にふけっていた
ようやく両親から1年間だけだが離れることが出来る。自由だ…!
どうだクソ親父、これでお前は俺に干渉出来まい!
「じゃあお父さんはちょっとやらなきゃいけない事があるから行くね」
父親は突然そんな事を言い出し、黒く大きな翼を
広げ飛んだ
父親は俺に手を振ったが背を向けてやった
「今日は最後の晩餐ですね」
母親はそう言ったが、それではまるで俺が明日死ぬみたいに聞こえた
「クロウ君、また明日ね」
「失礼します」
エリーとエヴァンスは飛んで帰って行った
しばらくして
「クロウ、貴方は明日から学園に行ってしまいますが覚えておいて下さい」
母親は俺に近づき手を強く握った
「私とお父さんは貴方の味方です。辛い事があったら、この指輪を見て下さい」
指輪…生後1ヶ月の時に貰った物だ。毎日するようにしている
「分かった、お母さんも元気でね」
俺は母親を抱き締めた。理由は分からないがこうした方が良い気がした
明日から俺は王都メサイア学園の生徒だ。予言の天才魔道士に近づくため、常に全力で魔法を学ぼうと思う
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