23話 癖強すぎないか!
(実技試験当日)
俺は試験を受けるべく王都メサイア学園に来た
大丈夫だ、昨日までの特訓を思い出せ…
「あのー」
後ろから女の人の声声がして振り返ると
「あっ、やっぱりクロウ君だ!」
「エリー?」
エリー、友達第1号。図書館で会った以来のはずでその後ろには彼女の父親であるエヴァンスもいた
「久しぶりだな、ここの試験をしに来たのか?」
俺はエリーがどんな魔法を使うのか知らない、今度コイツが魔法を使った時にでも見てやろう
「そうだよ、クロウ君も?」
まあここにいる以上全員そうだろう。俺は首を縦に振った
「エヴァンスは付き添いか?それとも試験?」
薄ら笑いを浮かべて言ってやった
「流石クロウ様、面白いご冗談を」
いや今のは全然面白くないだろ
「付き添いでございます、クロウ様は…」
来れるはずがないだろう、サタンとラファエルだぞ…?
「着いてきて欲しくなくて」
まあ事実だ、嘘ではない
「ははは、反抗期ですな」
…反抗期か? アイツらが試験会場まで来ると色々面倒くさそうだからだ
「じゃあ2人共、頑張ってきなさい」
エヴァンスはそう言うと去っていった
沢山の人が学校の中へと入っていく。果たしてこの学校の合格者はどのくらい出るんだろうか…
「行こっか!」
俺とエリーは学園の中に入った
中はとても綺麗で下はレッドカーペット、どこかの城のようにも見える建物だ。本当に学校か?
俺とエリーは受付を済ませると紙が配られ、指定された教室に向かった。俺は1階、エリーは3階だった
教室のドアを開けると既にざっと40人くらいの人がいた。コイツらは全員敵だ、俺は実技試験でコイツらを上回らなければならない
教室で待っていると
「これより実技試験を開始します、先程配布された用紙に記されている場所に移動してください」
107番と書かれていたのでそこに向かうと魔法を使う準備をしろと指示されたので杖を左手に持った
以前は右手で持っていたが洞窟での戦闘後、右手が空いていた方が剣を扱いやすかったりと利点が多かったのでこうした
「試験番号100079:クロウ、お入りください」
そのアナウンスを聞き、俺は入ってきた扉と反対側の扉から外に出た
「今から30分間、ファイアゴーレムから逃げて下さい」
ファイアゴーレムって…!
すると俺の目の前から体が炎を纏っているゴーレム、ファイアゴーレムが3体現れた
逃げるって事は倒してもいいのか?
俺が杖を強く握り直すと1体のファイアゴーレムが俺に突進してくる!
俺はすかさず避けるも、もう1体が時間差で突進してくる
間一髪避けたが熱い…!コイツらの炎は思ったより熱かった
2体が尚も突進を続けるが3体目は動かないでいる。多分俺の攻撃パターンを読もうとしているんだろう
何なんだよこの学校は、外見、内装、試験内容といい癖が強過ぎないか!?
「いいぜ、やってやるよ!」
俺は突進し続けてくる2体のうちの最初に突進してくる方に向かって左手を伸ばした
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます