12話 緑魔法使ってみた!

エリーに本を返した翌日、俺は昨日読み漁った本の内容を思い出しながら青と緑魔法の特訓をしていた


「本当にこんなので白魔法が強くなるのか?」


俺は庭いっぱいに草花を生やしたが白魔法が強くなった実感を得る事が出来なかった


「うーむ、もう少し生成が難しい花を咲かせた方がよろしいかと」


バンパイアは冷静に解析した。昨日からコイツは俺のお気に入りになっていた


「難しい花って人喰い花とか?」


割と本気で行ったのだが


「それは召喚術です」


と少し笑って返された。まあ無礼の1度くらい許してやろう


「それっ!」


と俺は庭にバラを咲かせた


「おおっ、何と美しい!流石でございます主様!」


やってやったぜ


「まあ、綺麗ですね」


俺の特訓を見ていた母親が出てきた


「少し摘んでもいいかしら?」


まあ別に摘まれても出せばいいし、と俺は承諾した


「痛っ」


母親がトゲで指から血を出した。コイツいっつも血出てないか?


「はい」


と俺は白魔法を使ってやった、すると包丁で切った傷よりも浅かっただろうが普段より早く治すことができた。俺が出した草花のお陰なのだろうか


「魔法が効くのが早くなったようですね」


やはりそうだったか、白魔法使いの母親に言われると説得力があった


「この調子で頑張って下さいね」


母親は俺に微笑んだ


「ああ…」


俺はそう呟き特訓に戻った


「そうだわ、状態異常を回復させる魔法はもう使えるようになりましたか?」


毒を消したりするやつか


「いや、どうやるの?」


俺はその魔法は1度使ってみたいと思っていた

まさか庭にバラを咲かせるだけで教えて貰えるとは


「いいですか、最初に治したい相手の頭に手をかざして下さい」


どうやら白魔法は種類によって手の位置が違うらしい、しっかり覚えていかなくては


「そしたら、うーん…悪い物を抜き取る感じで」


まあ分かりやすい説明だった

…しかし今状態異常になっている人がいないので試すことが出来ない!


「ありがとう、今度困った人がいた時に使ってみるよ」


お前ら両親が困ってても助けないけどな!


「ふふふ、頑張って下さい」


母親は家に戻ろうとしたが俺の方を振り返り


「そうだわ、どうして白魔法がよく効くようになったか分かりますか?」


…?生成難易度がそこそこ高いものを作ったからじゃないのか?


「バラの花言葉、愛情です。その力があなたを手助けしたのですよ」


…は?


母親は家に入った


…何言ってんだあのババア!

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