6話 お友達第1号だ!
(クロウ生後24日目)
俺は中学2~3年生くらいの体つきになっていた
魔法はそこそこ使えるようにはなったが、剣術はなかなか上達しない。やはり1人で剣を振るだけでは駄目なのだろうか
俺は閃いた
父親がこの前ゴーレムを出現させた様に、俺もモンスターを召喚してみよう!
そしてそれを剣術で攻撃すれば魔法も剣術も上手くなって一石二鳥だ!
俺はリビングにいた母親に父親はどこに居るのかを尋ねたが、魔界城にいると言われたので辞めた
俺がそう尋ねた経緯を説明すると
「なら図書館に行ってみたらどうでしょう」
と答えたのでここは素直に図書館に行くことにした
モンスターを召喚する…[召喚士心得]みたいな本があると良いんだが…
俺は図書館の司書さんに
「召喚士心得みたいな名前の本ありませんか?」
と尋ねた。こういうのは聞いた方が早い
すると召喚士コーナーという場所があると言われたのでそこに行くことにした
召喚士コーナーとは召喚士に関する人、もしくは物についてが書かれている本のみが置いてある場所だった
[召喚士になるには]という丁度いい本を見つけたのでそれを借りようとしたが…
図書カードが無かった!作ろうにもあの家の住所を知らない!
「その本借りたいの?」
俺と同じくらいの身長の女の子が寄ってきた
「うん、でも図書カードを忘れちゃって…」
俺はひ弱なこのフリをした。女はひ弱な子に弱いからな
「じゃあちょっと待ってて!」
しばらくすると女の子は本を沢山持ってきた
「これと一緒に借りちゃうね!」
なかなか元気な子だ。少し苦手かもしれない…
俺はどちらかと言えば元気な奴より大人しめの奴の方が好きだ。でも借りてもらうのにそれは失礼だな
「はいこれ!…召喚士になりたいの?」
「うーん、なりたいって訳じゃないけど…使えたら楽しいと思わない?」
俺はあえて便利だとは言わなかった
「確かにそうかも!お友達が増えるね!」
友達…転生してからというもの、友達は1人もいない。エヴァンスは多分違うだろうし
「そうそう、これ再来週に返さないといけないから、再来週ここで会えないかな?」
会うための口実の様にも聞こえなくはなかったが合わなければ彼女が怒られてしまう
「分かった、僕はクロウ。君は?」
俺はお友達第1号を作ろうと決めた、すると
「エリー!よろしくねクロウ君!」
エリーか、覚えておこう。お前は記念すべき俺のお友達第1号だ!
「じゃあね、クロウ君!」
とエリーは走り去った
俺は家に帰るやいなや庭に出て借りてきた本を開いた。何やら魔法陣を書く必要があるらしかった
「面倒くさ」
そう呟いて俺は俺の影から真っ黒い妖精が出てくる様子をイメージした
すると妖精はすぐに現れた
「コンニチハ!」
妖精は俺に挨拶したが、俺にはちっとも面白くなかった。こう何でもすぐに出来てしまうと感動が湧かない
俺は挨拶をし続けている妖精を消した
次は…と本のページを捲り続けると
[上級]と書かれたページが出てきた。上級…これを召喚して両親どもを驚かせてやる!
しかし今度はいくら想像しても出現しなかった
…何故だ!俺は天才なんじゃないのか…!
するとページの隅に小さく
[魔力が不足している方は召喚出来ません]と書いてあった。俺を馬鹿にしているのか…!?
けれど何度試しても出てこない
「はぁ…」
天才魔道士、人生最初の挫折
俺は明日から魔力強化に力を入れることにした
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