天才魔道士の幼少期
1話 目覚めたら驚きの連続だった!
目が覚めた
壁が木で覆われていて、暖かい部屋
背中は柔らかい、ベッドだろうか。少なくとも病院ではないっぽい
…えっ、もしかして転生しちゃった?
辺りをよく見まわそうにも身体が動かない
そうか、俺は交通事故にあったから足を折ったのか
そう思い足の方に目をやると、足が小さくなっている…何で!?
いや、体全体が小さい!何故だ!
「あら、起きたのですね」
と髪の白い、綺麗な女の人が近寄ってきた
起き上がりたいけど…起きれない…ぐぬぬ
「暴れたら駄目ですよ」
俺はベッドから起き上がろうとしたがこの人に止められた
「お父様に似たんでしょうね」
お父様? まさか俺、この身体のサイズからして、赤ん坊に転生したのか?
いや、どんな転生する物語もある程度成長した段階から始まっていたろ!
なんで俺は赤ん坊からのスタートなんだよ!
「そろそろお父様が帰ってくるので、晩御飯の支度をしますね」
そう言うと女性は俺のいるベッドから離れていった
参ったなぁ…意識はあるのに身体を動かせないんじゃまるで生き地獄だな
…ふと父親の事を思い出した
奴は交通事故に遭い、植物状態になってから死んだ
当時はバチが当たったんだと思っていたが、いざ自分が似たような状況になるとこんなに辛かったのかと思えてきた
いかん、俺はここで新しい人生を歩むんだ!
あんなクソ野郎の事思い出してどうする!
「ただいま」
背後から人が出てきた。しかも下の方から
かなり美形な男性。俗に言うイケメンというやつだ
いやいや、そこはいいんだ。明らかにベッドの下から出てきたぞこの人!助けて白髪のお姉さん!
「あら、おかえりなさい」
は?
待ってくれ、じゃあまさか…
「ただいまクロウ、お父様に会いたかったかい?」
こいつがお父様って奴だったのかよ!
白髪のお姉さんと恐らく俺の父親であろう人は食事を始めた
俺は2人の会話を聞いて状況を理解しようとした。せめてここが何処かくらいは知っておきたい
「クロウに何か変化は無かったかい?」
「いえ、全く」
「そうか、君に何か差し支えは?」
「いいえ、特には」
2人は業務連絡みたいな会話しかしなかった…
とりあえず分かった事は俺が「クロウ」という名前だということ、白髪のお姉さんは俺の母親で黒いイケメンが俺の父親だという事の3つだ
「そうだ、明日エヴァンスが家に来ることになった」
「はい、分かりました」
いや、少しは分かりましたとか以外言えってんだよ!
と俺は力を入れると思いのほか簡単にベッドの上に立てていた
「クロウ!?」
と父親が寄ってきた。フローリングの床から。
瞬間移動っぽいが、一応地面にでも潜っているのだろうか?
「アナタ、影移動は家では辞めてくださいと言っていますでしょう?」
影移動…母親はそう言った
多分自身を影と一体化させて移動するんだろう。
むしろその移動方法なら障害物が無くなっていいんじゃないだろうか
…魔法?
「凄いじゃないかクロウ、生後1日目で立つなんて!」
…生後1日目!?
俺昨日産まれたばっかりなのか!?
どうりで身体が動かない訳だ
「流石クロウ、将来最強の魔道士になると予言されただけありますね」
最強の魔道士、母親から発せられたそれは俺になれと強制されている様に感じた
…俺剣士とかしかやった事ないから分かんねぇよ!(ゲームの話です)
「将来が楽しみだな」
父親が立ったままの俺の頭を撫でた
その後俺をもう一度寝かせ、父親は食事をしていたテーブルに〈歩いて〉戻った
「将来が楽しみ」その言葉を俺の両親は別々の意味として捉えていたと知ったのはまだ先の話
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます