20xx年12月30日

 2学期は〝ペン〟を使わずに中間と期末テストを受けてみたところ、中間は5教科合計370点、期末は385点。先生は『夏休み遊びすぎだ』とか言うし、クラスメートの何人かは心配もしてくれたけど、他の人たちは一つ上がった順位に胸をなで下ろしてたみたいです。

 学生だから成績が気になるのは仕方ないけど、私にとってはもうどうでもいいことだった。私に取り憑いた使者だか悪魔だかとさっさと決別したいだけだったから。


 だけどどうしても気になる。

 なんで私なの。なんで私がやらないといけないの。


 あなたがたまたまペンを手にされたからですよ。他に理由はありません。


 あっそ。わかったわ。じゃ、始めましょうか。

 最初はこの世の始まりからだったかしら。


===============

 以上、ある新興宗教の教祖様が書いた日記の抜粋でした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

『ペンと紙と神託と』教祖さまの日記 よたか @yotaka

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ