タイトル未定。とある少年の話

邂逅

平々凡々で退屈な授業がようやく終わった。

僕は家に帰るなりPCを立ち上げ、いつもプレイしているゲームを起動した。……が

「っな?!緊急メンテ!?」

今日はツイてない。いつもはサボっている学校に無理やり行かされ、行ったら行ったでアイツは違うクラスだったし、おかげで顔もほとんど覚えてない奴らと、ひたすら無意味な授業を繰り返す羽目になった。

そしてこの仕打ちだ。

全く、まだ3時間もメンテをするのか……その間何をしていろっていうんだ。

しょうがないので、この前気まぐれで置いておいた、web小説?があるサイトのURLを押した。

しっかし、僕が気に入るようなものなんてあるんかね…

とりあえずこの話数の少ないのを…


―数分後―

うっわ、おもしろ!あんな能力絶対ゴミだと思ってたけどなるほど、そういう使い方が……


―さらに数10分後―

ふぅ、これは面白かった。

まさかあんなに面白いのがあるとは……ってまだこれだけしか時間たってないのか。

ちょっと長めのやつにも手を出すか。どうせなら似たようなのがいいな。

タグ?これでジャンルごとに探しやすくなってるのか。さっきのは……異世界転生?とりあえずこれで検索っと


―それから2時間後―

な、なんだこれ!!主人公が、し、死なない!

なんだよ、スライムにそんな能力とかよく考えたら最強じゃん!もう一個のはスライムに限らず最強だろうけど……

やっべ、止まらねぇ。早く次の話を……


―それからさらに2時間後―

はー、なるほど。あれはここのための伏線だったのか……

さて、次のはな……し……

「し、しまった!とっくにメンテ終わってるじゃん!!」

でも……

「……別に今日はフレとの約束もないし、こっち読んでるか」

今の僕には、こっちの方が面白かった。

さ、次の話ではどんな展開が待ってるのかなー


トントントン…

次の話に進もうとした時、足音が聞こえた。まぁ、わざわざ屋根裏にまで来る人なんて……

「ご飯、ドアの前においておくからね?」

母さんくらいだろう。

そして、それだけ言うと母さんは下りて行った。

さて、続き続き


―多分さらに4時間後ぐらい―

あぁ、もう残すところこの最終回だけ……


読み終わってしまった。でも面白かった!

いやー、まさかこんないいものが無料で読めるとは、ネットって怖いね。


そういえばお腹すいたな。あ、ご飯食べてなかったな。

ドアの前に置いたんだっけ?なにかな~

って、ラーメンかよ……

いや、これラーメンか?汁吸いすぎてもはやうどん並みの太さじゃん。

はぁ、これ食えるんかね。

   パクッ

「………まっず」

人の食えたもんじゃないなこれ。とりあえず捨てよう。

しっかし、何か食べるものあったっけな。台所漁るか。

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