001 異世界転移?

「カセット?」

「そうそう。本体にカチャっとさして……画面がつかなかったら」

「はい。…つかない」

「一回取り外して、ちょっと貸してみ? っふおおおお ……ふーっ」

「Σえ、何やってんの!?」


 むかしのこどもたちの常識 ▼


「フーン! 見てみんさい、これで復っ活すっから!」


 カチャリ ▼


「あ…… 画面、映ったかも?」

「ほれみろ~ 昭和生まれ舐めんなや」

「う、うん…… 息吹きかけただけで自慢しないで」


 ピピピ ピピピピ ピ (何かの信号音) ▼


「なにこれ……」

「あれ? こんなだっけ、このゲーム」

「やっぱり壊れてるんだよ、古いし、大昔のでしょ」

「Σ失礼な! ちょっと前、ちょっと前、ひと世代前!」

「あ…、タイトルが出たよ」


【ふじたん クエスト】


 YES

 NO


「は? ふじた?」

「いや知らねぇな……何このゲーム。イエス/ノーって、古いな~」


『やりますか』

『やりませんか』


「おじさん、このゲーム喋ったよ」

「本当だ。気持ち悪ぃ」

「いったん、切るよ……」

「おーっと! せっかくだから、一緒に “やろうぜ”













「え、鷹




『ふたりの意思に、間がありました。よって、同時に転移はできませんでした』







史?」







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