ふじたんクエスト

a FantasyOf 篝

『1000年に一度、果ての海から魔物がる。』


それは、この“かがりの大地”の遠い過去むかしを謳ったお伽噺だと思ってた。

滅びた文明に、どこぞにあるという大きな世界樹。――見た事がない。

僕らはとても平和に生きている。

それはふつうの事で、当たり前の事だった。

けれど各地に残る伝説は物語る。

決して、幻想つくりものなどではない。もう現実にやってくる。

来るべき日は、すぐ未来。――すぐの日なのだ。





人よ 勇者を導き戦に備えよ


人が勝利すれば 約千年大地が栄え

魔が勝利すれば 約千年大海が覆う


魔よ 常闇を這出はいずり恨み晴せ


――北の海・さいはての石碑より




森よひらけ

かの地に勇者を導きたまえ


世界を巡り根を張りて

精霊たちを呼び覚ませ

加護の力を与えたまえ


そして約束の日

世界樹のその最深部にて

満たした器を解き放て


人につくか 魔につくか

支えし柱は 常世に一つ


――東の森・さいはての石碑より




人は裏切り、魔もまた破る。


1000年後の世にこの悲劇を、

決して忘れぬよう、決して繰り返さぬよう、

交わぬよう、断絶を。


最後の日、ここに刻む。


――かがりの村・町外れの石碑より

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る