かがり町のエイプリルフール／だん恋③

第４話 ふじたんクエスト（よこく）

20190316――【きっかけは松雪】

松雪について。

「RPGだったら、“袂を分かつ幼馴染”的な」

「敵方へまわって、魔王に身も心も侵蝕されてしまう闇堕ちキャラ」

「後半一騎打ちイベント入る」

「隠しEDで松雪を救うルートがある……！　かも？」

みたいなイメージです。

『だん恋』が異世界ファンタジーだったら、絶対にやってました！

なんてボヤいてたら、本当にやる事になりました……。

20190318――【かがり町クエスト】

異世界ファンタジーは　いつか　やりたいと　思ってま　した。

まさか　田舎町の　住民たちを　使いまわして　やる事に　なる

かも？

しれない　なんて　予想だに　して　ませんで　した　▼

主役は誰にすべきか？

パーティはどうするか？

その①　【藤田メンバー】

藤田はいう事聞かず、戦闘中に「ちょうちょ」を見つけて逃亡したり、突然の昼寝をはじめたりで戦力外。

たまにやる気をみせて、戦闘参加……つかえない。

職業：博打戦闘員（遊び人）

その②　【西村メンバー】

西村は手の怪我が心配、戦闘は不参加……つかえない！

そもそも、かがり高校でも体育の授業は見学してる事のほうが多いのかもしれない。

職業：？

その③　【五十嵐メンバー】

MP：0。

レベルUPしても、MP：0……つかえない。

職業：戦士

その④　【マンガ委員長】

宇宙人か、てんしか。

日本語が通じない論外。

職業：？

その⑤　【ヒマそうなおじさんたち】

※ 高校生たちがあまりにも使えないとなると、だんだん「おじさん」たちしか、世界を救えない気がしてくる。

　ではでは。

　カモンおじさん！　れっつごーKAGARI　▼

【おじさんクエスト１：異世界おじさん】

鷹史「これだから最近の若者は～！　なんつって、おじさんがんばっちゃう★」

　鷹史（Lv.中年）村の料理人おじさん　▼

鬼頭「Σおま。そんなあほみたいなエロい服で、何がんばんだ鷹史てめー」

厳蔵「えっと、あの、この武器はどうやって使えばいいんですか？」

鷹史「そらおまえ、うちの店の鍋だっつの。ゴンゾーまじドン引き～」

厳蔵「Σなんと！！」

鬼頭「フッ…、ゴリラは道具いらねぇだろ、肉弾戦で特攻しろや」

厳蔵「そういう先輩こそ、ヒーラーとか本当に気色が悪いんですけど」

鬼頭「ア？」

厳蔵「後方で応援でもシクヨロです～」

鷹史「なにおじさんたち。また喧嘩？　死んでも蘇生にカネ使ってやんねーからな」

おじさん×２「ごめんなさい」

藤田父「ぼくは何をすればいいんだろね？」

おじさん×３「藤田は藤田だろう。そもそもモンスター？　ニンゲン？　どっち」

藤田父「Σふにゃ！　に、にんげんだよお！」

　冒険初日。その日は、ダベって終わりました　▼

　――そっと見守る、村のこども。

忍「……。（おじさんたち、はやく旅立ってくれないかな）」

【おじさんクエスト２：戦闘おじさん】

鬼頭「魔法で治癒とかより、湿布張らされたり整体させられたりで“物理”なんだよな、うちのパーティは」

鷹史「おじさんたち歴戦の玄人だからさー、モンスの動きを知り尽くしちゃってるから、攻撃くらうとかのヘマはしないんだよなー。ただ若い頃みたいに、ガンガンいこうぜできないっていうか……ツライ」

鬼頭「ツライ」

厳蔵「ほら～…　だから準備体操の必要性を教えたでしょう」

鬼頭「ウルセェウルセェ最年少！」

鷹史「おじさんの一歳・二歳差は、体感的に取り戻せないんだよ！」

藤田父「魔法の薬（栄養剤）でドーピングするしかないよ！」

鷹史「あ～…それね、切れた途端に地獄をみるやつ」

鬼頭「それ頼ったら終わりだろ、研修医時代の当直地獄を思い出すゼェ」

厳蔵「そんなものより、鷹史さんの飯が一番の栄養剤です！！」

鷹史「厳蔵のそういうの、今いらないから…あーしんど」

鬼頭「しんど」

藤田父「寝て起きたら、世界はきっと平和だよ～ぉ」

鷹史「ん～　じゃあおやすみさよなら～」

おじさんたち「さよなら～」

♪　宿屋の曲　（野宿）

――見守る村のこども　with猫。

忍「おじさんたち、まだ隣村まで到着してないんだってツナ。世界平和が先か、寿命が先か、わからないよ」

鼻で嗤うツナ「にゃ…」

【おじさんクエスト３：役割おじさん】

鷹史「Σギャッ！　魔物の攻撃が当た…

鬼頭「Σ鷹史！」

鷹史「らな～い★」

鬼頭「腹立つ…」

　鬼頭先生は心配性　▼

厳蔵「関節はずれてしまった！　先輩、治して下さい」

鬼頭「Σ俺は内科医！」

厳蔵「え～…、使えないな」

鬼頭「Σやりゃいいんだろ、やりゃ！」

　鬼頭先生は万能医者　▼

鬼頭「何が悲しくてゴリラの手当てとか…フッ、獣医の資格も必要だなｗ」

厳蔵「でも先輩自分じゃ治せないから、絶対怪我しないで下さいね。守ります」

鬼頭「…守ります？　誰に口訊いてんだゴリラ、喧嘩上等だｺﾞﾙｧ」

厳蔵「あ、いや、感謝されるかと」

鬼頭「ジャンプしろ、魔物と一緒にジャンプしろ。かがりゴールド落とせやゴリラ」

　鬼頭先生はおこりんぼ　▼

鷹史「奇太郎っ。タカシ…マモノレシピ考えたの♡　毒味しろ」

藤田父「Σふにゃ！　死んじゃうよ～！！」

　だんだん冒険なれしてくるおじ…　勇者たち　▼

――見守る、村のこどもたち。

松雪「なんか村の入口で、１ヶ月前に旅立ったはずのおっさんどもが遊んでんだけど」

忍「あ…　それたぶん、選ばれし・うちのおじさん…ごめんなさい」

松雪「まじ軽蔑する」

涙を堪える忍「……」

　つづく