突然の訪問
勝利だギューちゃん
第1話
3月の半ばになると、そろそろ新生活の準備に入る。
少し遅い気もするが、僕には丁度いい。
今年から、1人暮らしを始める。
引っ越すわけではない。
両親が仕事を引退した。
前々から、「仕事を引退した後は、田舎で自然に囲まれて暮らしたい」
父も母も、そう漏らしていた。
そして、その願いが叶い、田舎へとこもった。
姉はすでに、お嫁に行った。
義兄さんは、「ボランティア」と言っていてが、照れ隠しだろう。
多分・・・
で、家には僕ひとりとなった。
結婚の予定は、当分ない。
彼女もいないし・・・
「さてと、どうするかな・・・」
考えていると、ピンポーンと玄関のベルが鳴った。
(誰だろう?)
そう思い、玄関のドアを開けた。
ちなみに我が家は、テレビが嫌いなので、置いていないので、
受信料を払う必要はない。
「こんにちは。久しぶり、お兄ちゃん」
誰だろう?
僕には、妹はいないのだが・・・
「あのう・・・」
「わからない?普通は逆でしょ・・・」
「えーと」
どうしても思い出せない。
「私、一美(ひとみ)よ。相川一美。いとこの・・・」
「ひ・・・一美ちゃん?本当に?」
目の前にいるのは、いとこの一美ちゃんだった。
言われてみれば、面影がある。
「どうしたの?急に・・・」
「おじさんと、おばさんに頼まれたの」
「親父とお袋に?」
「うん、お兄ちゃん、1人暮らしがしたかったんでしょ?」
「うん」
「そうは、させないって・・・」
どういう意味だろう?
「お兄ちゃんが、1人暮らしをすると、絶対に体を壊すから・・・」
「うん」
「だから、面倒みてくださいって」
いいのか?両親よ。それに。おじさんとおばさんよ・・・
「私は、今年から高校生。こちらに通う事にしたから」
「いつから、決めてたの?」
「前々から。訊いてない?」
「うん」
いつの間に、決めたんだ?
「私は、家賃はいらないって。その代わり、家事とかやってくれって」
いとことはいえ、女の子にそんな事させて問題にならないか?
「そういうわけで、よろしくね。私の未来の旦那様」
「旦那様?」
【お兄ちゃん、従兄は法理上は、結婚出来るんだよ】
突然の訪問 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu
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