レポート集(ケイオスに関する記述 Chapter.6まで)

〇ケイオス(追記)

 ケイ素性無精神生命体について、前述したが、さらに旅が進むに連れて新たなデータが得られたため記述していく。新たに得られた情報は旧ノトス共和院の研究施設の恩恵によるものが多いことを考えると、内心複雑ではあるが。


・色の違い

 基本、ケイオスの体色は黒と紫の混ざった色味をしている。が、フェーズ2の大地そのものと一体になった形が出現した。これらの違いは、コアの分化しやすさが関係している。

 色味が黒い状態は、コアが成熟し、その型の分体を生み出すことを定着化した状態である。

 反対に白い状態は、まだ成熟しておらず、まだその型を生み出すことに定着しておらず、他の進化形態のものへ移行できるようになっている。いわば、どの進化形態へ移行するか試験的に試しているような状態であり、他の定着化した黒いコアの分体に比べて構造が脆い傾向がある。


・コアについて

 コアは分体を生み出すための本体であるが、コアと呼称して、分体をケイオスと呼ばれることが多い。その組織は高密度のケイ素の結晶体で構成されており、コアそのものを増やす行程は膨大な質量のケイ素を必要とするため、非常に時間がかかる(数年単位ぐらい?)。そして、コアを生み出す作業自体、他の迎撃という機能を削ぎ落とさないと不可能であるため、外敵が完全にいないフェーズ2の状態でないと、コアを増やすことができない。なので、現在は一度その区域から殲滅してしまえば、再発生を高確率で防ぐことができる(これも、コア生成特化ケイオスなど発生した場合には、その限りではないのかもしれないが…)。ただ、新たな生成はできないが、コア同士で融合することは可能である。それによって、型の生成が定着化したケイオスであっても、同型を巨大化させることもできる。

 コアの機能を果たす条件は、高密度のケイ素の結晶体であればいいので、コアが大きいから強い、繁殖力などの特性が強いということはない。分体を覆うことで、コアを保護したり、コアそのものを擬態化させるタイプも出現している。


・情報の伝達?

 ケイオスが様々な形態へと進化しているが、連携が取れていたり、他の箇所で見た形態をさらに進化させていることから、何かしらかの方法でケイオスも情報を共有していると考えられる。地球のインターネットクラウドのように、独自の情報を共有できるデータベースかネットワークがあるのだろうか。それとも、進化の形態にどこか選択性が考えられるので、なにか指令役となっている個体が存在する可能性もあるかもしれない。



〇今まで発生したケイオスの型

 進化形態、その派生について整理するために、今まで発生したケイオスの型について並べていく。矢印で繋げているものは、進化、派生先として繋がりのある形態となっている。

 ※端的に羅列しても分かりづらいので、著者の方で登場chapterを追記しています。


・強襲型、四足歩行型(Chapter.1など)

 ケイオスとして一般的なタイプであり、その姿は黒紫の血管や触手をまとわりつかせた狼、あるいは獅子という形態である。

 分体同士の連携が巧みだが、分体の再形成は他の形態と比較して遅めである。密集状態にある時の再形成速度は恐ろしく、最速15秒は脅威である。

 ↓

・巨人型(Chapter.1)

 ケートス奪還の折、強襲型を追い詰めた際に発生した型。四足歩行型を寄せ集めてコアを保護した形態で、巨人のように見えて、個々の感覚器官が有効な状態で残っている。


・兵器浸潤型(Chapter.1、Chapter.6)

 ケートスの中枢であるツバキが憑依した集積回路へ、ケイオスのコアがそのまま取り込んだことにより生まれた形態。タイタス奪還時はタイタスの集積回路と、プロームの集積回路を取り込んで砲台や武装を使用する状態へさらに進化していた。


・飛行型(Chapter.1~4)

 コウモリ型の飛翼を持つ形態。基本群れで行動し、リーダー格に当たる分体がコアを保有して守っている。他のコアが窮地に陥った時に最も寄ってきやすい型である。


・土地浸潤型(Chapter.4から5)

 蔦のような植物の形態のケイオス。フェーズ2とは異なり、浸潤した箇所をケイ素化させる機能はないものの、成長、侵食スピードが非常に早い。その速度は、人口10万人規模の街なら1時間もあれば陥落できるほど。サザン大陸に発生した型は、操作を受けていたために、電気と金属を好んで侵食するよう調整されていた。大地を侵食するだけの形態は、ケートスやファリア大陸にも存在していたが迎撃機能を有して明確な脅威となったのは、サザン大陸に発生したものが初めてである。

 ↓

・フェーズ2(Chapter.3)

 外敵がなく、大地そのものがケイ素化し、触れたものを無機物、有機物問わずケイ素化させることに特化した状態。迎撃機能を持たないというが、その変換スピードは恐ろしく、十分に脅威といえる。ただ、この形態に移行するまでは年月がかかるのが、救いか。

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