レポート集(用語集 Chapter.2~4 追加分)

○テラプロームついて

 惑星全ての大陸に繁殖していたケイオスに対抗するため、島、大陸そのものを兵器化することで対抗することにした、超規模殲滅兵器である。

エイジス海域の列島および大陸では、オリハルコンの埋蔵量が多かったため、建造地として選ばれた。建造期間は半年、数多のフェアリスの労力のもと建設された。

ちなみに、資源が足りないこと、各勢力のフェアリス間で協力体制がとれないことから、新たにテラプロームを建造することは不可能となっている。

・テラプローム ケートス

 地球の地図で言えば日本列島にあたる全長3500kmの島。オリハルコンの質量を保存、復元する際に発生する重力の歪みを利用し、オリハルコン同士の保存および復元作用をループして連続で発生させることによってエネルギーを生み出し、重力の操作、飛行、移動を行っている。

チャージまで時間はかかるものの、得られたエネルギーを収束させることによって重力砲を放つことができる。

実際のケートスの運用には、ケートスの航行と施設管理の演算にフェアリス1人、火器管制制御にフェアリス数人、通信管制にフェアリス数人、そして指揮官が必要となっている。

・テラプローム オルカ

地球の地図で言えば、東南アジアのフィリピン周辺当たる島々の一部。

各島で連携を取りつつ群れのように攻撃できるのが特徴。飛行、海上航行および潜航もでき、機動力は他のテラプロームよりも高い。

タイタスを奪還する際に激しい砲撃を受けたため、現在は修復中。だが、資材が足りないため、復旧の目処は立っていない。

・テラプローム タイタス

地球の地図で言えばオーストラリアにあたる大陸。位置的にはオーストラリアであることに変わりはないが、面積としては一回り狭い。

元々、移動可能なプロームの生産および補修基地を目的に作られていたため、砲台の数は他のテラプロームよりも少ない……が、規模が広大であるだけに十分破壊兵器として成立する。奪還する際にはかなり損耗したことを追記しておく。

現在は、ユエルビアなどの労働奴隷や黎明の旅団に保護された人々の保護区域、授産施設として稼働している。



○精神束縛について

フェアリスが人類を意図的に代理戦争の駒として扱いやすくするよう生み出されたフェアリスの特殊技能である。精神束縛をすることによって、人類をフェアリスの意図に基づいた行動をさせることが可能である。強度によっては、意思に基づいた行動を全くできなくさせることが可能である(ちなみに人の側も抵抗することは可能である)。

操った人間を自分の代弁者という機能を持たせるために、精神束縛された人間の発言には、周囲の人間に発言を信じ込ませる、説得力を持たせる力がある。

なお、精神束縛を受けていても、フェアリス側の意図に反しなければ、ある程度人の自立意思に基づいた行動をとることが可能である(但し、これもフェアリス側の強度の程度による)。

基本的には他の勢力の為政者は記憶から操作されているので、大抵傀儡と化しており、自分の発言の裏にフェアリスが関与しているとは露ほども感じていない。

自分も精神束縛を受けたことはあるが、二度経験したいものではないことを記述しておく。

精神束縛を受けた人間は、そのフェアリスにより精神的な守りを得て、他のフェアリスからの精神束縛を受けなくなる。もし、破りたい場合にはフェアリスがその人間に直に干渉し、かけた側との一対一での勝負になるが、自分の家族を守ってくれているフェアリスは、精神系に関する能力が高いので心配ないとのことである。

それにしても、ある程度自立思考を残しつつ、思考の方向性を調整する精神束縛。人間が人工知能に行う学習と似ている気がするのは考えすぎだろうか……。




○ゲーム “CosMOS”について

VRヘッドギアを用いてネットワークフルダイブ式MMO対戦型ロボットアクションゲームである。

ロボットを操作するという特性上、揺れはあるが慣れれば機体と一体化するような操作性の良さと爽快感が味わえる。

プレイヤーはプロームに乗り込み指定されたエリアのケイオスの駆逐、あるいは他のプレイヤーとエリアの争奪戦を行って競う。遊び方は、ソロでも最大15人のチームでも可能であり、プレイヤー個々でケイオスの駆逐数を競うモード、チーム間で駆逐数を競うモード、単純な1対1のプレイヤー対戦モード、チーム間で対戦し保有エリア数を競うモードがある。

他のオンラインゲームとは異なり、課金による優越やプレイ時間数による優越が出ない仕様になっており、純粋にプレイヤーの力量と戦略と連携が試されるゲームとなっている。大会や、ランキングの方式は、1日がかりのものから、決まった時間に30分~1時間で行われるもの、数日の間のどこか2時間を決めてその間の記録を競うものなど様々な方式を採用しているので、働いている人でも楽しみやすいシステムになっている。

武装が長剣や手甲、槍、大剣など近接武器が多いのはケイオスのコアの硬化に対応するためとしているが、RPG様の武器種に寄っているのは、CosMOSのUIがグランクエストという別のオンラインゲームから流用していることも関係している。

フェアリスから裏話を聞く機会があり、なんでも人間にプロームのトレーニングをさせるためにCosMOSというゲームを広めることにした。その際に、自分たちの境遇をそのままシナリオとして提案したところ、プロデューサーや制作側がえらく気に入ってしまい、現在運営しているゲームを放棄してそっちの制作に打ち込みたいという流れになった。地球では、製作者側の不祥事ということで、いきなりゲームを畳んだが、特に目立ったスキャンダルもないのにファンの間では、何故??と混乱が起きた模様。

とはいえ、製作者側の熱意と技術によって、CosMOSはグランクエストを超える大ヒットゲームとなった。



○プロームにおける武装と特殊武装について

ゲーム製作者側が単にロボットの格闘戦だけでは戦略性がない、ということで銃器や特殊武装というシステムを開発し、フェアリスが可能な限り試作をして実現可能なことを確認してからゲームで実装された。


ちなみに、プロームに特殊武装や銃器を搭載する際には一部スペックを犠牲にする必要があるというが、それはゲーム上の仕様というだけでなく、オリハルコンの記憶限界、プロームの強度や演算処理の問題などが絡んでいる。ただ、遠距離射程の武装のみでは、乱戦に対して明らかに弱すぎるということで二重武装というシステムを搭載したが、それにともなう装甲の弱体化や命中補正の低下などペナルティがキツイということで、玄人や上級者しか二重武装システムを活用していない。


以下、ゲーム製作者側の提案によって追加された武装と特殊武装について記述していく。


・メイン武装

火砲杖…エネルギーのチャージ率によって威力を調節でき、単射レーザー、拡散砲(分散レーザー)、閃光弾などの撃ちわけが可能。見た目がRPGの杖に似ているのは製作者側の意図によるもの。

変化弓…弓の状態では、エネルギーを矢として放ち、真ん中から分ければ二振りの細剣として使用可能。近距離、中距離と万能に立ち回ることができる分、武装の性能だけでオリハルコンの記憶容量を多く割くので、プローム機体の頑強性が犠牲になる。

ライフル…連射可能で乱戦に強いアサルトライフル、単発だが貫通力があり長射程向きのスナイパーライフルと二種類ある。基本的にはアサルトライフルはケイオスや近距離戦を挑んできたプロームへの緊急対応用、スナイパーライフルはコアの破壊や対プローム戦の遠距離支援用というのがこの世界の認識である。


・特殊武装

ブレイズ機構…メイン武装に炎熱効果の付与が可能となる。設備破壊に最適。

フロスト機構…メイン武装に極冷却効果の付与が可能となる。敵の捕縛に適している。

ライデン機構…メイン武装に電撃効果の付与が可能となる。捕縛だけでなく、プロームの補助武装の破壊を行うことができる。

ショック機構…メイン武装に振動増幅効果の付与が可能となる。装甲が硬い敵や敵へ有効な攻撃が可能となる。

ファントム機構…幻影を発生させることができる。発生した幻影はおとりにすることもできるが、長く巨大な幻影を投影しようとするとそれなりにエネルギーを損耗する。

ミスティ機構…排熱パーツを利用して、霧を噴出させ目くらましを発生させる。この霧は味方機に対しては視界を阻害しないような粒子になっている。ただ、発生させている間は使用している機体は駆動ができない。

シールドサポート…プロームが本来持っているシールド機構を補助する。複数のシールドを展開したり、シールドを保持しつつプロームの駆動を可能としたり、単純にシールドの強度を他のプロームよりも強化できる。ただし、それぞれの機能を使用をする際はエネルギーを犠牲とする。

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