第21話:父、加藤吉宗の葬儀での話。

 2011年1月15日午後2時頃に加藤一美一家4人、加藤夏子一家4人が

1月15日やって来て、亡き父、加藤吉宗の顔を見て、涙を流して、

ご焼香をした。その後、葬儀の1月15日夜7時から、お通夜を、

加藤吉宗の実家で行われ、最初に喪主から、次に、奥さんのタネさんの

挨拶で始まり、近くの親類縁者の長老から順番にお悔やみの口上を述べた。


 夜10時には終了して、加藤一美一家4人、加藤夏子一家4人に、風呂に入り、

加藤吉宗と末吉の家で寝ていただいた。翌日の葬儀の日、1月16日を迎え、

 朝8時には、加藤一郎一家4人、加藤次郎一家4人が、亡き加藤吉宗の家に

集まった。8時半には、葬儀社の車で、亡き加藤吉宗と喪主の加藤一郎が乗って、

葬儀場へ出かけた。


 他の人達は、9時過ぎに。加藤末吉の運転するマイクロバスに15人、加藤次郎

が、末吉の家のハイエースで8人をのせ、葬儀場へ向かった。9時45分に葬儀場

について、打ち合わせ通り、受付、案内係を手分けして行うべく、動き出した。

すると、村役場の人達や、近所の人達が続々と車で、やってきた。10時から、

葬儀が始まり、型どおり喪主の挨拶から始まり、長老順に、挨拶をして、ご焼香と

なり、お花の送り主紹介、弔電を読み、進行していき、遺体を荼毘にふしている

70分の間に、昼食をとって、在りし日の加藤吉宗の話を懐かしそうにした。


 その後、骨を拾い、形式に則り、故人の子供による、葬儀参列者への挨拶を

終えて、菩提寺までマイクロバスとハイエースで20人ほどが同行した。

 そうして、午後2時過ぎには、全て終了して、帰りは、村役場のマイクロバスと

ハイエースで、海老名、橋本駅へ送っていった。葬儀終了した後、亡き加藤吉宗の

家に加藤末吉が行くと、タネさんが、診てもらいたいものがあると言い、タンスの

引出から、遺言書と書いてある1通の封筒を持って来た。


 ちょっと加藤一郎、兄さんも呼んでくると良いと言うので電話をかけた。

 少しして、加藤一郎が、やってきて、タネさんを含め3人で、文面を見てみると、

私に、もしもの事があった時に、ここに書いておくことを忠実に守って欲しいと

書いてあった。まず、遺産は12億円あり、所在は、下に書いてあるいくつかの

金融機関の口座に分散してある。思えば、この村は、お陰で、若い人が増えて、活気

を取り戻し、財政も豊かになり、いろんな事業をして、更に発展しているのは、実に

喜ばしい限りだ。


 さて、財産分与について、私は、亡くなった後も、この村のために、この金を役立

て欲しい。加藤一族は、それぞれ、十分な蓄えがあると思うので、全額を村に寄付

したいと思う。そう言う事で、その手続きを村役場の関係者でない、加藤末吉に

手続きを取ってもらいたい。何卒宜しくお願いします。下に、日付と、加藤吉宗の

実印が押してあった。その文面を読み終えると、加藤一郎、末吉、タネさんが、

目に大粒の涙を浮かべて、何て立派な人なんだろうと言った。

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