第5話:田舎に観光バブル2

 また、村の4ヶ所の温泉に入り、中学校を改修した宿泊施設に泊まる、中高年

の口コミで増えてきて、車で5-8人で来て、温泉に泊まり、紅葉を見たり、

ハイキングをしたり、旬の味覚を楽しんだりする60-70歳代が増えた。


 村の役場に予約しておけば、10人以上集まれば、マイクロバスで高尾駅

と海老名駅に送迎すると駅、旅行会社にパンフレットを配ったところ、電車で

来て、帰る人達も増えてきて、村内の施設、料理屋は急に繁盛し始めた。

 高尾駅と海老名駅近くの道の駅・奥相模は、村が半分と、加藤吉宗が半分の

費用を出し、利益も半分ずつ分け合うことにして、始まったが、山菜や、

漬け物、生きた鮎、鮎寿司が完売する日が多く、想像以上の繁盛して、

トウモロコシ、スイカ、ブドウ、柿、なし、みかん、米、季節の山菜、

そば、健康卵が、入荷すると、売り切れる日が続いて、半年で出資金を全て

回収した。


 その後は、道の駅の経営権全てを、加藤吉宗が買い取り1年で、大きな利益

を産むようになった。加藤吉宗の家の臨時駐車場も、やめるられず、プレハブ

の事務所を、道の駅・奥相模3号店として、加藤吉宗が経営した。


 やがて、1977年7月になると、この村のきれいな清流に、涼を求めてくる

、人達が増えてきて、バス会社にお願いして、大型バスの臨時便を出してもらう

様になった。地元の農家も漁業関係者から、うれしい悲鳴が聞こえてきて、

久しぶりに、この村に多くの人が来るようになった。


 初春のフキノトウから始まり、タラの芽、セリ、ノビロ、タケノコ、キノコ

、栗など、天道に並ぶと直ぐ売れる日々が続いた。あゆの漁業権もうれて、

多くの釣り人が訪れた。しかし、2,3年経つと、潮が引くように、お客が

減り始めて、春と秋の山菜、鮎シーズン、夏休みの川遊びのお客さんだけで、

平日はがらがら、道の駅は、好評だったが、土日の家族連れの観光客は

減りだしたが、中高年のグループの観光客は、変わりなく来ていた。


 それでも農家が栽培する、インカの目覚め、きたあかり、とうや、

アンデスレッド、ベニアアカリ、男爵いも、メークインなどジャガイモが

人気だった。ジャガイモ農家は、総じて、喜んでいた。その他では、

1個50円から100円する、健康卵が、健康志向の高まりで売れる

ようになった。


 加藤吉宗の家では、屋敷のうち200坪を村に1億円で売却した。

道の駅の経営権、駐車場代で、既に、2億円以上の資産が出来た。

 その後、バス会社として作った建物は、道の駅・奥相模3号店となり

、マイクロバスの置き場と50台の駐車場となった。


 1984年4月になると、加藤末吉の長男の加藤和男が、小学生に

なり、村営バスと電車を使って、八王子の小学校へ入学した。

 お兄ちゃんが、勉強してるのを不思議そうな目で見ていた、長女の

美代子が、お兄ちゃんの教科書を見るようになり、勉強してるところを

興味深げに見るようになった。


 そのうちに、ひらがな、カタカナ、簡単な漢字を読めるようになり

、算数の足し算、掛け算も習った。たまに、お兄ちゃんの間違えを探すと

、それ違うよと言うようになり、うるさいよと、怒ると泣くのではなく

、お兄ちゃんの馬鹿と言うようになった。その後、小学1年生向けの本を

買ってと言い、小公女、ピーターパン、ピーターラビット、親指姫などを

次々に読んでいった。

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