第6話:若い村長と投資話1

 そこで、村の人のために、加藤吉宗が考えたのが、村民のためのスーパー

マーケットだった。道の駅の隣に、マイクロバスの運転手に言って、途中の

ディスカウントスーパーで、安い商品を買ってきてもらう様になり、その利益も

上乗せされた。また、近くの清流の水を凍らせて、夏やかき氷、冬は、天然水

を使った、珈琲、紅茶、お茶とスイーツのセットを道の駅の一画にテーブル5つ

と椅子を20個おいて、販売を始めた。


 1979年秋、きたあかり、とうやと言うジャガイモが旬で、ふかして、

直ぐにバターをつけて食べると最高に旨かった。インカの目覚めの甘さとコク

が良いが、収量が少なくて、どうしても、大量に作れないが、単価も、普通の

ジャガイモ4倍もする、上手く作れる人が少ない品種だった。


 高速道路の開通直後のような、盛り上がりはなくなったが、工夫で、

着実に利益を得られるようになり、観光事業に慣れて来た気がする。

 今年の夏休みから、清流の水を少し、もらった、川の横に、深さ60cm

、15m*6m小さなプールを作って冷たい川の水を入れ替えて好評だった。

 プールの利用料は、3時間料金で5百円とした。川のように、危険ではなく

、冷たくなくなると、大人2、3人で、直ぐに、水を入れ替えるようにし

、冷たさを持続させる工夫をすることにより、待ってもらう事もあった。


 そのようにして、加藤末吉も2年して、資産が5百万円となった。

 しかし、最近のペースで行くと、年間、百万円が良いところかも知れないと

、ちょと心配になった。一方、加藤吉宗は、この2年半の高速道路とインター

チェンジの効果で、駐車場や道の駅、町のスーパーマーケットなどの収入で

約1億円入り、以前の2億円と合わせて3億円の資産となっていた。


 その後、加藤末吉が、父の加藤吉宗に、結婚して、5百万円の資産だけ

では心許ないので、何か仕事を下さいと言うと、加藤吉宗の庭に作った、

事務所の店の道の駅・奥相模3号店と、地元の人向けのスーパマーケットを

やってみるかと言われ、是非やらして下さいと言うと、純利益の半分を

やろうと言ってくれたので1979年10月から、店長として、店に

立つようになった。


 寒い時期なので、暖かい甘酒や熱燗の旨い酒を、安く仕入れ、鍋の材料

として、白菜、春菊、豪州牛のしゃぶしゃぶ用スライス、ステーキ肉を

仕入れ、海鮮鍋用にタラ、鮭、小さな蟹、エビを仕入れた。鍋の素も

塩ちゃんこ、ちゃんこ、寄せ鍋、白湯風味の商品と乾麺を取りそろえて

販売すると、地元民から好評で欠品しない様に頻繁にディスカウント

・スーパーに買いに行った。それから、加藤末吉は、忙しくなったが、

何でも屋と地元スーパーのオーナーの2足のわらじで忙しいが、給料も

同年代のサラリーマンよりも、少し収入が良い程度になり持ち家で不自由

のない生活ができた。

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