第13話 良かった
新聞記事
発見された男性の遺体からは1か月前に死亡した妻のものと思われる肉片が付着し
…
なんてね嘘嘘
大丈夫
ふたりともいるよ
いつもの宅配のお兄さん。
今日は無農薬新鮮野菜をありがとう。
野菜が新聞にくるまれてるから妄想しちゃった。
みかりは、野菜なんて農薬とか有機とか小林さんが育てたとかどうでもいいっていうタイプだったけど、だけど今はね!届いてすぐ贅沢使い!文句をいうみかりはいない。
「みかり、お野菜たべるぅ?」
「がわあこ♥️」
「わかんねって♥️」
セロリをポキリと折ってみかりの手首より固いなあなんて思いつつみかりの口に入れてあげようとおもったがなんかもうそのあたりはよく分かんない感じで、ぼんやりと穴だらけになったみかりに何処かにちょうどいい入り口はないかな?と探してる俺がいて、そっか別にみかりは無理してご飯食べなくてもいいんだもんね、と笑えた。
架空の新聞記事をみかりに読んで聞かせる。
俺とみかりの記事で埋め尽くされた新聞。
楽しいね、みかり。
いつまでお金が勝手に引き落とされて
いつまでこうやって一日を引き伸ばしていけるのかな?
いつまでみかりが消えずに…
俺は本気で愛しているみたいじゃあないか
まるで今まで「ある程度」で貯めた気持ち貯金を全てなげうつみたいにさあ
どこまでが俺でどこまでがみかりか分からなくまで居ようね。
ああみかりで良かった
本当に心から。
ああ、そいでさ、俺で良かった。
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