第24話 文字数、ページ数、文字充填率

 現在(2020/02)、下書き継続中の長編について、テキストデータ化できている部分の文字数とページ数を計算したところ、以下のような結果を得ました。

  文字数:424,156

  ページ数:750

文字数については、全角文字を 1 文字として、半角文字を 0.5 文字として、それぞれ計上しています。全角文字は、いわゆる普通の文字です。半角文字は、テキストエディタに対してアウトライン表示させるための制御用として使用しています。また、以下の文字種については文字数の計上対象から除外しています。

  計上対象から除外している文字:

    全角空白文字、半角空白文字、タブ文字、改行文字

なお、「改行」も文字です。通常、目には見えませんが、データとしては存在しています。Windows 環境では通常 2 bytes、Linux/UNIX 環境では通常 1 byte です。改行文字を計上するかで文字数に大きな変動が生じるため、注意が必要です。応募要項などではそこまで考慮されているのかは不明ですが。文字数として一の位まで値を載せていますが、前述のとおりの計上方法であるため、一の位まで正しいわけではありません。


 1 ページについては、42 文字 × 17 行としてして計算しています。ページのレイアウトの設定としては、句読点・終わり括弧のぶら下げや、始め括弧の追い出しなどを有効にしていますが、組版しているわけではないので厳密に正しいわけではありません。組版するとすればかぎ括弧と句読点の間隔を狭めるなどの処理が行われるはずですが、それらの処理も行っていません。組版によってページ数も前後しますので、前述の値はおおよその値です。


 次に、文字充填率を計算します。ここで、「文字充填率」とは「 1 ページあたり、どれほど文字が含まれているか」です。計算式としては以下のとおりです。

  文字充填率 = ( 実際の文字数 / 最大文字数 ) * 100

ということで、前述の文字数とページ数とを基に文字充填率を計算してみます。

  文字充填率 = ( 424,156 / (42 * 17 * 750) ) * 100

        = ( 0.792... ) * 100

        ~= 80 [%]

約 80 % と値を得ました。1 ページあたり 8 割は文字で埋まっているということになりました。ただし、地の文のみの部分や会話部分も全て平均した場合の値ですので、必ずしも或る 1 ページについて 8 割が文字というわけではありません。ほぼ 10 割が文字のページもあれば、会話が多ければ 8 割に満たないページもあります。あくまで、平均の値です。


 ネット上では「十万文字あれば一冊分」ということを目にしますので、現在の書き方で何ページになるのかを計算してみます。

  ページ数 = 100,000 / (42 * 17 * 0.8)

       = 175.070...

       ~= 175 [ページ]

約 175 ページという結果を得ました。175 ページ……。意外に少ない……。175 ページの文庫本は薄い部類に入ると思います。読み手としては一冊あたり 300 ページはあってほしいところです。300 ページあれば、「読んだ」という満足感も得られますので。そこで、現在の書き方で 300 ページ分の文字数を計算してみます。

  文字数 = (42 * 17 * 0.8) * 300

      = 171,360 [文字]

それなりの値を得ました。


    ◇


 前述の計算をする前に――と或るおかたのエッセイを目にしたことも理由の一つですが――、書店の新刊コーナーで何冊か捲ってみました。分野にかかわらず何冊か中を開いたのですが、最近の本は一ページ当たりの文字数がずいぶんと少なくなっているのを感じました。特に時代小説は他の分野よりも文字数が少ないと感じました。1 ページ当たり 38 文字 × 16 行など、児童文庫(岩波少年文庫、他)に見られる文字数でした。目には優しいかもしれませんが、財布には優しくありません。この時代小説の 1 ページ当たりの文字数は、ターゲットとする顧客層を考慮した結果なのかもしれません。みっしりと詰まった紙面なのは、学術系のものと翻訳物とくらいでした。1 ページ当たりの文字数が多いほうが 1 文字当たりの単価が低いのでお買い得感もあるのですが、そうは問屋が卸さない、ということでしょうか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る