第21話 執筆に役立つ(かもしれない)辞典(二)――「慣用句、故事、ことわざ」――
別世界を舞台にしたファンタジー作品を作成しているときに、果たしてこの慣用句の使用はこの作品世界に相応しいのだろうか、ということに悩むときがあります。通常の国語辞典ではそれほど詳しい解釈が掲載されていないこともありますので、慣用句について収録された辞典を探しました。故事や
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『ポケット版 慣用句・故事ことわざ辞典』/監修:謡口明/成美堂出版
大きさ(ほぼ文庫本と同じ大きさ)と収録項目数の多さとで購入しました。収録されているのは、日本のもの、中国の古典由来のもの、外国語(英語、ラテン語、他)由来のもの、絵画の題名、などなど、さまざまです。ページ数も八〇〇ページ弱ですので、現在、隙間時間を利用して冒頭から目を通しているところです。知っているものも知らないものも多くあるため、読むだけでもおもしろいです。
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『故事ことわざ・慣用句辞典 第二版』/編:三省堂編修所/三省堂
前述の辞典一冊だけでは収録項目や解釈について少々不安だったため、こちらも購入しました。収録項目数は近いのですが、項目には若干の差があります。片方のみに掲載されている項目もあるため、重宝することがあります。一例として「鼻糞丸めて万金丹」はこちらだけに掲載されていました。収録されている項目は前述の辞典と同様ですが、こちらは紙面に余裕があるためか、中国の古典由来のものについては書き下し文と簡単な現代語訳が掲載されているものもありますので、原典を知るという点では有用だと感じます。こちらについても隙間時間を利用して、末尾から目を通しているところです。
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夏目漱石作の『彼岸過迄』を読んでいたときに、「ナイフ」を「肉刀」、「フォーク」を「肉叉」と当てているのを見つけました。確かに、用途や形状からこれらの漢字を当てるのは一理あると思いました。カタカナ語を使用しないという制限を課した中でも、この当て字(あるいは、言い換え)は使えるかもしれないと思ったのですが、実際に使うか(借用するか)は迷うところです。
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