第33話 ちゅうかんてすと

2日程、セーフティルームを拠点に、レベル上げ。

その後、5階層へと進んだのだけど。


ガッガッガッ


レベル45リビングミスリルアーマーの連撃を、タワーシールドで受ける。

シールドは破壊されないのだが、HPはどんどん減る。

別に貫通ダメージ、という訳ではなく、破損という現象が存在しないだけだ。

盾によるブロックが成功し、残ったダメージを受けている。


非常に痛い。

都度回復して貰えているが、さっきはHPバーがほぼ無くなっていた。


「ヴォルト!」


何度目かの宿名の魔法。

リビングミスリルアーマーが破壊される。


「まだ無理があるね」


茜が困った様に言う。


「レベル本来の強さより、強い気がしますわ。防御バフここまでかけて、あそこまで威力が高いとは」


紫苑が困った様に言う。


「陽斗であのダメージなら、俺なら即死だな。もう少しレベルを上げるべきか・・・」


宿名が言う。


「そもそも、難易度凶気と言うのが──」


「とりあえず、レベル45まで上げようか。集中合宿して、先輩にはエア補充しながら」

「それしか無いですわね」

「学校か・・・茜の部屋が都合良いかな」


茜、紫苑、宿名が言う。

前のめり過ぎないか?


ちなみに、同じ端末からログインしないと、同じダンジョンに潜れないらしい。

パブリックダンジョンなら可能らしいが。

各自、自宅からログインという訳にはいかない。


それにしても。

そろそろ中間テストって分かってるのか?


まあ・・・良いか。

俺は、くすり、と笑った。


--


流石に、テスト期間中は合宿を中止した。


テストを終え、テスト結果が返され。

そろそろ合宿も再開、という運び。


本当に久々に部室に集まり、談笑。


「びっくりしたのは、紫苑の点数だよ」


俺がそう言うと、


「・・・俺もあれは驚いた・・・まさか、あそこまで大きな態度をとっておいて、あの点数とは・・・わざと、でもないのだろう?」


宿名が呆れた様に言う。

そう言う宿名も、今回は不本意な結果らしい。

何時もは平均点より少し上を確保するのだが。

今回は、時間も余裕も無く、無手で挑んだらしい・・・結果・・・


「と言うか、みんなおかしすぎるだろう?!紫苑も滅茶苦茶、点数高いじゃないか!」


茜が涙目で叫ぶ。


「茜、貴方は低過ぎますわ。逆に、何故そんな点数になるんですの?」


紫苑が心配気に言う。


「茜、俺達が試験前に押しかけてたせいか・・・?期末テストは、俺と一緒に勉強しようか?」


俺も、心配になって提案する。


「先輩が・・・教え・・・先輩と・・・2人・・・」


ぷしゅう


茜が湯気を出し、真っ赤になってへたり込む。

可愛い反応だが、前は頻繁に2人だったからな?


ばたんっ


不意に部室のドアが開き、生徒会のメンバーが入ってくる。

先頭に立っているのは、副会長だ。


「だんじょんぶの皆様・・・残念なお知らせが有ります」


張り切る副会長。

後ろに立つ会長は、気乗りしない様子だ。


・・・用件の想像はついた。


「この度、正式に、DDS部を設立する運びになりました。つきましては──」


「DDS本体を学校側に返却すれば良いんだな?構わないぞ」


副会長に、結論を告げる。

最近は茜の部屋でやってるし、そもそも、10万程度なら俺が自費で買っても良いしな。


「なっ・・・いえ、我々もそこまで非道では有りません・・・貴方達にもチャンスを与えます」


副会長が俺を指差し、宣言する。

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