第2話 ぜつぼう

「・・・無い、って、どういう事でしょうか・・・?」


生徒会長から学園の説明を受けていて・・・入る部活を聞かれ・・・当然の様に答えた事を・・・生徒会長は困惑して否定した。

ちなみに、生徒会長と言っても、金髪美人とか、眼鏡美人とか、そういうのとは程遠い。

真面目そうな、男子だ。

眼鏡もしていない。


「いや、大阪だからといって、わざわざゲームをする部活を作るわけでは・・・確かに、高校の部活でDDSの活動をするところも有るし・・・高校生の大会も有るし、未来のスポーツと見る者もいる・・・が、うちには、無いよ」


生徒会長は、困った様に告げた。


・・・この展開は・・・


「もしや、生徒会長は、経験者でしょうか?そして、かつては優秀なプレイヤーだったけど、過去の事件が原因でDDSを憎む様になって・・・?」


「プレイヤーではあるが、部活でまでやる気は無いし、そもそも、高校になってからは生徒会が忙しくてログインしていないね」


生徒会長は淡々と否定する。


「つまり・・・俺が、DDSの部活を作れば良い・・・そういう事ですね?」


俺は、絞り出すように言った。

恐らく・・・妨害してくる筈だ。

良くあるパターンだ。

部活を立ち上げ・・・生徒会長の妨害・・・それを乗り越えて設立・・・実は生徒会長も本当は・・・的な。


「・・・止めはしないが・・・」


生徒会長は難色を示す。

そら来た。


朱智あけち君は、勉学も優秀、運動も優れ・・・できれば運動部に入って力になってくれるか、文化部で素晴らしい活躍をしてくれるか、生徒会に入って来年度は僕の後を継いでくれるか・・・そのあたりを打算してたんだがなあ」


生徒会長が大きく溜め息をつく。


「規定上、4人以上いなければ、部活設立は認められない。大会参加を考えているなら、正メンバーも4人だしな。学園からの支援はできないが、頑張ってくれ」


生徒会長は俺に紙を渡し、


「部活の募集に関する規則だ。それを守って募集してくれ」


生徒会長は、気落ちした様子で、そう告げた。


--


「だんじょん部に入りませんか〜?超絶面白いゲームですよ〜?」


だんじょん部。

俺のネーミングセンスに驚け。

端的に内容が分かり、しかも可愛い。

ついつい入りたくなる筈だ。


だが・・・何故、誰も来ない?!


あれから一週間、誰一人として入部していない。


「せ〜んぱ〜い。まだ募集するんすか?諦めて私と遊びましょうよ〜」


横で俺の肩をがくがく揺するのは、後輩。

転入初日に助けてやったら懐かれた。


ロリ巨乳。

背は低いのに、出る所は出ている。


顔も、はっきり言って好みだ。

本来なら嬉しいのだが・・・

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