赤ペン先生をやっていた主人公は、答案用紙に書かれた「死にたい」という文字を見つける。
就職活動がうまくいかずささくれだっていた主人公は、心無いことを書いてしまう。すると、「死にたい」と書いた生徒は、「テストで五百満点とったら死んでいいんですね?」と答案用紙に記した。
こうして、答案用紙を通しての二人の交流が始まります。
立場も悩みも違うけれど、あなたは私で、私はあなただと気づく主人公は、生徒を励ますことで自分の欲しかった言葉を見つけます。
グチャグチャに煮えたぎった感情が、物語が流れるうちにろ過され、透明になっていく。素敵な物語です。