二章 13 『委員初仕事からのカワイイ』
二章 13 『委員初仕事からのカワイイ』
テスト返却日から数日経ち週末の金曜日まできた。
あの事件から一週間、特にアーウェルサだっけか? に関係することも特に起きずわりと平和な一週間だった。
今週も終わりに差し掛かろうかという金曜日の放課後、美山先生に放課後委員の仕事があるから残れと言われた。ついに委員のことで仕事がきたか。めんどくせぇなぁ。
「と言うわけで先生からは以上です。この後委員で話があるから掃除の班以外は教室に残らないでね」
ーーてなわけで放課後へ。
「じゃあな咲都。委員頑張れよ〜」
「へいよ〜」
なんで鉄矢はいっつもニヤついて煽ってきやがるんだ。
「じゃあ掃除早く終わらせるために委員の三人も手伝ってあげてね」
「「はい」」
「え〜じゃあ美山ちゃんも手伝ってよ」
「え〜先生も? 仕方ないわね」
掃除をさっさと終わらせて委員の話し合いをする。さっさと帰りたいんだオレは。
そういや美山先生のあだ名は美山ちゃんになりました。
「え〜じゃあ始めましょうか。来週末に野外活動施設に二泊三日で行くわけだけどその時の活動班を決めてもらいたいわけなの」
なんだそんなことか。
野外活動施設というのは山の方にある家、通称山の家。そのまんまだ。あそこには小、中と行っている。なので今回で三回目になるわけだ。
最初に小旅行があるとすれば大体山の家に行く。多分ほとんどのやつが二回目とか三回目だろう。
「てか先生、班なんて掃除する時と同じで名簿順の班でいいじゃないっすか」
「ん〜それだと男女比が均等にならないのよね。それに掃除の時と同じ班じゃなんか面白くなくなくない?」
最初のはわかるが二つ目の理由はよくわからん。しかもなくなくない? ってなんだよ。
「という訳で三人でよろしくっ」
「えっ? 先生は何するんですか?」
「私は横から口出すだけよ?」
……さよですか。
てな訳で三人で班決めの話し合いをすることに。といっても男女比考えて適当に決めるだけでいいはずだ。
「……で虹夜くんはこんな感じの班でいいかしら?」
「いいんじゃないですかねイインチョサン」
「なんでシャッチョサンみたいな言い方なのよ。じゃあこれで決定で。先生もこれでいいですか?」
「うんいいと思うわ。これでとりあえずすることはなくなったわね。あ〜楽しみだわ〜」
美山先生がこの中で一番ワクワクしてる気がする。
班は六人班が六班。オレの班の男子はオレ含め三人、オレ、鉄矢、宇多くんになった。仲良くなったしこの三人で班になりたいと言ったらすんなり通った。女子三人はまだよく知らない人たちなのでまあおいおいで。
話し合いも何事もなく終わり無事帰宅。晴香には用事があるからと言って先に帰ってもらったので問題なし。
さ〜て、ゲームでもしますかね……いや、動画でも見とくか。
家に帰る途中にスーパーに寄ってお菓子とジュースでも買って帰るか。
って事でバイト先のスーパーへ。
アニメや動画を見ながら食べるお菓子は格別だ。今日は何を食べようかな〜っとオレの目に飛び込んできたのはおつまみ用のチーズ鱈……スナック菓子に比べればちょっと高いけど今日は君に決めた!
ジュースはミックスジュースが飲みたくなったので購入することに。
「お疲れ様です」
「いらっしいませ〜って咲都やんか。お疲れ様」
はい、新谷先輩です。今日もバイトに入ってらっしゃいました。
「学校の帰りか? なんやおっさんが食うようなお菓子買ってるな……酒でも飲むんか?」
「いやいや、未成年だしさすがに飲めませんよ。帰ってゆっくりするようのお供にって感じですかね」
「なるほどね。そういやさ、一週間前のスーツのお姉さんとはどんな関係なんだね?」
「あ〜瞳姉ですか? 簡単に説明すると近所に住んでるお姉さんですかね。どうしてですか?」
「いや綺麗な人やったしどんな関係なんかな〜って。そうか、近所のお姉さんか。今彼氏さんとかいはるん?」
「いないって言ってたけど付き合えないと思いますよ」
百合なんで。
「え〜そうなん? ならしゃあないか。まぁよろしく言うといて」
新谷先輩聞き分けのいい人だな。オレなら理由聞こうとするけど……素直な人なんだな。
「じゃ帰りますわ。バイト頑張ってくださいね」
「はいよ〜ありがとうございました〜」
スーパーに寄ったのでいつもと少し違う道で帰ることに。
何気なく鼻歌を歌いながら帰っていると同じ高校の制服を着た女子がいた。
何年生なのだろうか……この辺りではあまり見ない人だな〜。
なかなか綺麗な……いや、あれはカワイイの部類だな俺の中では。ああゆう人とお友達になりたいもんだな……はぁ。
もうすぐ家だしアニメ観ながらお菓子タイム〜ムフフとか思いつつ浮かれていると
「あの〜その制服同じ狭間高校の人ですよね? この辺りでの天野さんって苗字の家ありますかね?」
おぉ……声かけられた。しかも天野って晴香の苗字じゃねぇか。この辺で天野なんてあいつぐらいしかいないし。これはもしやお友達になれるフラグか⁉︎
「天野って天野晴香の家ですか?」
「そうです〜! もしかしてお知り合いですか!」
おぉ、いきなりテンション上がったな。ビックリした。
「はあ。知り合いっちゃ知り合いですね。家も近いし案内しましょうか?」
「ぜひお願いしますぅ! 貴方に会えて良かったですよ〜。晴香ちゃんに家行くねって言って大体の場所しか聞いてなかったんですよ!」
「そうなんすか。晴香と友達なんですか?」
「同じクラスで始めてお友達になったのが晴香ちゃんなんですよ! 今日もおうちに招待して貰ったんです!」
なるへそね。晴香と同じクラスってことは俺とも同じ一年か。てかどっかで待ち合わせするなりすりゃ良かったのに。
「晴香と同じクラスってことは五組っすか。俺同じ一年の二組にいる虹夜咲都って言います。まぁよろしくお願いします」
「そうだったんですね! 二組の虹夜くんかぁ〜。私、晴香ちゃんと同じ五組の荒川華絵っていいます。よろしくお願いしますね」
テンションがちょい高めな人だな。こういう人は一緒にいて元気になれる気がするし好きな方だ。
そしてやはりカワイイ。ストレート黒髪でフワッとした雰囲気……もしや晴香に出来た可愛い友達ってこの荒川さんか?
荒川さんと少し喋りながら家の前の通りに入ると晴香が自分家の玄関の前に立っていた。
「晴香ちゃ〜ん!」
すげぇ勢いで手振るなぁ荒川さん。
「あっ! 華絵ちゃん! と咲都……何で一緒にいるのよ」
「何でってお前の家聞かれたから案内してたんだよ。この前瞳姉と喋ってた時に言ってた可愛い友達ってこの荒川さんのことだろ? 一緒いちゃまずかったのか? ん?」
「うっ……そうなんだけど……華絵ちゃん変なこととかされなかった?」
おいおいどういう意味だそりゃ。
「……? 普通に道案内してくれたし優しい人だよね虹夜くんは。晴香ちゃんともお友達なんでしょ?」
「なら良かった。じゃ咲都一応ありがとう」
「一応ってな……まあいいか。荒川さんごゆっくり〜」
てなわけで俺は隣の自分の家に帰宅することに。
「虹夜くんありがとう〜って家晴香ちゃん家の隣だったんだね! だから晴香って呼び捨てだったのか〜最初は彼氏さんとかなのかと思っちゃった」
「「そりゃないわ」」
カワイイ荒川さんの有り得ない発言に二人でもろ被りのツッコミを入れ家に入る。
晴香の友達が本当にカワイイとは……なんとかして仲良くしてもらお。
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