第15話

俺たちは今日ららぽーとでいろいろなところに行った。

そしてついさっき俺の家に荷物を運んだ、という所だ。

「疲れたねー」

「ああ」

今は俺の部屋でお喋りをしているような感じ。

そのまま無言になる。

しばらく経って、俺は口を開く。

「俺さ、部活入らないことにしたんだ」

「うん、何と無くそうだろうなって思ってた」

この時、普通に由香里ってすごいなって思った。

「私は入るけど、別に気にしなくていいからね」

「ごめんな」

「気にしなくていいって言ったのに」

由香里は笑う。それにつられて俺も笑う。

「じゃあ私、部屋に戻るね」

この「部屋」は俺の家の中の部屋のことだ。

「ああ、わかった」

「じゃあね」

「じゃ」

由香里は部屋を出て行く。

由香里の部屋は俺の部屋の正面になった。それ以外に片付いている部屋がなかったから。

「……」

部屋が静かになる。

俺はこれまで座っていたベッドに横たわる。

「はぁ……」

俺は溜息をつく。

そのまま寝ることができずに俺はスマホを取り出す。

そして何と無く連絡先を眺める。

そこには亡くなった親の電話番号がある。

そう、気にしない方がいいとわかっていても所詮俺も人間だ。

親が二人揃って亡くなったことを気にしないことなんてできないのだ。

そんなことを考えている時に由香里からのラインが来た。

『あと少しで体育祭だね』

そういえば。

青葉高校では体育祭は五月にあるのだ。

『そうだな』

俺は返信をして、スマホの画面を消した。

俺は前のように「悩んでいてもしょうがない」と思うことにし、寝ることにした。

もうすぐ体育祭だ。俺は家のこととかを考えないようにして、体育祭を楽しみに待とうと思った。

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Time of growth 深山大輔 @miyamagrow

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