第14話

「……」

俺は目を覚ます。

しばらくするとスマホのバイブレーションがなっていることに気が付く。

俺は不思議に思いスマホを手に取る。

『リア充ツイートしてるのはこいつか』

『鈍感男w』

『フォロワー集めの一貫説』

「なんだ?」

俺はロックを解除して何が原因でこうなっているのか調べる。

どうやら俺の昨晩したツイートのリプライらしい。

「どういう事だ?」

俺はリプライしてくれた人が何を言おうとしているか全く分からず、下にスクロールする。

『それ、お出かけに誘ってるんじゃなくて?』

え! えぇ! そういう事だったの!

俺はとてもびっくりする。

でもそのツイートに結構いいねきているから恐らくそういう事なのだろう。

「ったく、最初から言えっての」

まぁ、問題は解決した訳だ。由香里が起きたら誘えばいい。

そして俺は由香里が起きていないのをいい事に着替え始める。

そして着替え終わるとほぼ同時に。

「ん……」

由香里が起きる。

「海翔、もう起きてるんだ。おはよ」

俺はなぜか返事がすぐできなかった。

「ああ」

それ、返事になってないだろ! と一人で突っ込みつつ、俺はそれを返事とする。

由香里は起きてすぐなので「本題」はまだ切り出さない。

そういえば、由香里、昨晩はあんなに不機嫌だったのに、今はなんかふわふわした雰囲気だしてるな。

起きてすぐだからなのだろうと俺は自己解決する。

「あ、海翔、着替えるから出てって」

「おうよ」

俺は素直に由香里の部屋を出る。

いや、そこで素直に出ない奴はいないだろうけど。

「海翔、おはよう」

そこには親父さんがいた。

「おはようございます」

「今日はなんかするのか?」

「由香里と出かけてきます」

そう言うと親父さんはニコニコしながら、

「そうかそうか、それはいいな」

と言う。

「そう言えば、海翔の家の話だけど、あのまま置いておいてもどうしようもないし、この家に子供二人は多いから、あの家で二人で暮らしてもらおうかと思っているんだが」

「は、はぁ!?」

俺は驚く。

いや、だって由香里と二人で暮らせって言われてるんだよ?

驚かない訳が無い。

「俺はいいですけど、由香里が、」

親父さんは俺の訴えを遮る。

「由香里の希望だ」

「え?」

「俺があの家をどうしようか迷ってる時に由香里がそう提案してきた」

「由香里がいいならいいですけど…」

「じゃあ決まりな、今日じゃなくてもいいけど荷物を運べよー」

「ああ、はい」

俺は納得はしてないんだけど返事はする。

そこにその話を提案した張本人の由香里が来る。

「パパ、おはよ」

「ああ」

いや、俺と同じじゃん、と心の中で突っ込む。

「海翔にあの話しておいたからな」

「べ、別にすぐ言う必要なかったのに!」

由香里は急速に顔を赤くする。

「だってお前が言うから」

「そうだけど!」

「ならいいだろ」

「納得できない……」

由香里は不機嫌な模様。

俺はそこで「本題」を切り出す。

「今日俺も行くからな」

「うんっ」

由香里はさっきの親父さんの影響か声が弾んでいる。

「海翔、何時に出る?」

「十時くらいかな」

「わかった」

俺は自然に由香里の部屋に由香里と一緒に戻る。

「準備するからもう少し待ってて」

由香里が部屋に入ったあたりでそう言う。

「ああ」

俺は布団を畳んだりと家を出る身支度をする。

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