第139話 増える嫁候補と納得の仕方

「えっと、何が如何なってそう成った?」

 先ずは問う、了解と答えるにしても、先ずは自分を納得させなくてはならない、嫁達の二人は既に納得しているようだが、正直自分が寝耳に水で不意討ち過ぎて如何対応して良いのか判らないのだ、考えさせてください撤退は色々叩かれそうなので、この場で決めたい。

 因みに、アカデさんを嫁として受け入れる事自体が嫌と言う訳では無い、割と美人で有るし、知識枠としても居て困る物では無い、何より貴方が必要だと言われたなら答えるまでだが・・・

「和尚さん居ない間に女子会と言う事で、食事会してまして、気に成った事を試しにカマ賭けしてみましたらボロボロと・・・」

 灯は悪びれた様子も無い。

「無暗に彫り出すのは止めなさい・・・」

 軽くつついてツッコミを入れて置く、つつかれて嬉しそうにしているが、前にボケ殺しでもされていたのだろうか?

「あの・・・やはり迷惑なら、聞かなかった事にしても・・・」

「聞いてしまった以上、無かった事にはしませんのでご安心を・・・」

 今更逃げようとするアカデさんを釘刺して留める、逃げ道を塞ぐ様にエリスが後ろで支えて居た。

 雰囲気も何もあった物では無いが、最初からそんな物は無いのだ、真坂あの告白を受けて、「分かりました、ベッドとお風呂どっちが良いですか?」で、其のまま直行では流石に問題だろう、答えの通りに一緒に月を見に行って月明かりの下で改めて?

 いや、明らかに自分のキャラじゃない・・・

 せめて酔っ払いの免罪符が欲しかったりもするが、酒は飲んで帰って来たが飲み潰れて居ないので、其処で誤魔化す流れも無い。

 独り身では無いので嫁達、灯とエリスの許可、いや、状況としてもう出てるのか・・・

 告白された時点で逃げ道も保留の線も何も無いと言う謎状態である、嫁援護が想像していた以上に怖い。

「多数決、全員参加、このままアカデさんを嫁として受け入れ、賛成なら挙手。」

 オチが見えて居るが、日和りたがる自分の思考を納得させる為の時間稼ぎである。

 灯が勢い良く手を上げ、エリスもそれに続く、義母上が面白そうに手を上げ、はい、観念しましたと言うポーズで諸手を挙げて負けましたと納得した。その様子をアカデさんは、「えー」と言う様子で見ていた。

「はい、賛成多数、改めて宜しくお願いします。」

「本当に、雰囲気も何もありませんね・・・・」

 アカデさんが呆気にとられた様子で呟いた。苦笑を浮かべて居る。

「俺が本当に独り身であったなら、状況も有りますが、其のまま押し倒したり、雰囲気やら何やら気を遣って色々有った訳なのですが。」

 一旦切って、部屋の中に居る面々を見渡す。灯にエリス、光にイリス、ウルザに義母上と義父上と、ついでにぬーさん、まあぬーさんは野生動物だから気にする事も無いが。

「現状、家族やら何やらいっぱい居ますから、後から何やかんやと理由を付けて返事保留して逃げ回ったりするよりは、先に返事を出した方がお互い楽でしょう?」

 自分で逃げ道を全部塞いだ形だ。どこぞの元エロゲのケモ耳国家の好色家面なら正室も決めずにほぼ全員に手を出すと言う流れも有るのだろうが、自分は感覚として小市民なので嫁達が怖い、物理的にでは無く、嫌われるのが怖いのだ。本気で夫婦喧嘩した場合純粋な腕力で負けかねないので怖いと言う意味では無い。

 意外と精神的には二人に依存して居たりするのだ。

「一人であの戦場に放り込んでも余裕で生き残りそうな人が何考えてるんですか・・・」

 灯が小声でツッコミを入れて来た、やっぱり読まれてた流れである。

「だから言葉にする前に読むな・・・」

 ツッコミとして軽くつついて置く。

 結局の所、アカデさんの告白と言うより、周囲の援護射撃で細かい事は置いて置いて押し込まれた形だ、いや、これからこっちが押し込むのだが・・・

「何時もの寝室開けておきます、私達はエリスちゃんの元の部屋で寝ますので、初日は二人っきりでどうぞ。」

 灯が良い笑顔を浮かべてエリスと一緒に手を振って居る。

「えっと・・・良いのでしょうか?」

 アカデさんも困惑気味だ・・・

「良いんじゃない?ごゆっくり。」

 義母上まで苦笑を浮かべて手を振って居る。

「歓迎はされてるんだと思いますよ・・・」

 色々酷い流れである、揃って風情も何もあった物では無い。

「当然ですけど、優しくしてあげて下さいね?」

「乱暴にする流れがそもそも無いだろう・・・」

 今まで乱暴にした試しがない、その手の事が出来る性格では無いのだ。

 ぐったりと突っ込む、果てしなく会話のペースが向こうにあるので色々疲れるのだ。

 色々諦めて乗ることにした。

 試しにアカデさんの手を握る、鍛えて居た分の剣ダコと、物を書く時のペンダコが有るが、何だかんだで柔らかい、女性らしい手だ。嫌がったり咄嗟に振り払われたりはしない、実際嫌われていて、無理矢理言わされたと言う事では無いらしい。

 手を握るのに合わせてアカデさんの顔が赤くなる、やはりあまり耐性が無いらしい。

「では、行きましょうか?」

「・・・はい。」

 手を握って目的の寝室に案内する、その後は、しっかりと優しくした・・・



 和尚達が居無くなった部屋での女達

「さて、覗きますか・・・」

「やっぱりその流れ何ですね・・・」

 エリスちゃんが突っ込みを入れて来る、

「初夜覗きは身内の特権よね?」

 お義母さんも乗り気だ、でもやっぱりと言うか何と言うか、覗くルートは有るらしい。


「こっちの部屋、あかりを着けたらバレるから、暗いままね?」

 お義母さんが覗くルートを案内してくれる、やっぱり覗かれていたのだろう、其れはそうと、やっぱり人に取られたと考えると何とも言えない気分になりますし、実際嫉妬も有りますけど、同じ人を好きになった以上はちゃんと向き合って欲しいですから、其れはそうと、後で念入りに可愛がってもらう事にしましょう。



追申

和尚は若干弱気な生き物なのでこんな時にグダります


いつも読んでくれてありがとうございます。

出来たらで良いのでブックマークと応援、感想レビュー等、協力お願いします。

序に言うと、アルファポリス側でファンタジーコンテストやってます、気が向いたら投票お願いします。

https://www.alphapolis.co.jp/novel/979548274/893260108

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る