第284話 救助殲滅活動

 しかしこんな辺鄙なところに、無駄に綺麗な施設だな。

 荒野に立つ神の奇跡が作った場所か。

 この外面だけ見てたたら、まさにその通りなのかもしれないな。


 まあ、実情は逃げたくても逃げられない陸の監獄。

 外部から完全に遮断された強制訓練施設でしかないけどな。


 さて、まずは施設の中に押し込まれてる子ども達からか。

 しかしあんな狭い上に録な設備も無い部屋に、子ども10人とかあり得ないだろ!


「博士、教授、108号の準備は?」


「108号の方は準備万端だ」


「ソラハラヌさん、ヘラレントさん、受け入れ準備の方は?」


「これ、すごいねぇ。離れた相手と普通に会話できるなんて。おっと、僕達の方も大丈夫だよ」


「妾も問題ない」


 それじゃあ、さくっといきますか。


「教授、博士、施設内の全情報をそっちに送った。マーカー作業を頼む!」


「性別に骨格、身に付けているものの材質まで……村長殿の魔法は、とんでもないことになってきているね」


「教授達と108号がいなきゃ、ただの文字と記号の羅列でしかないさ」


「それはそうなんだが。よし、終わったぞ村長さん」


「こっちの地図に結果を添付してくれ」


 やはり全員部屋の中か。

 なら、手間は少なくてすみそうだ。

 それぞれの部屋を魔力で覆って、転移っと。


「よし、転移完了」


「確認したよ。しかしヒダリ君はもう無茶苦茶だね、部屋ごと転移させるなんて。こんなことされたら対処のしようがないよ」


「この方が被害は圧倒的に少ないだろ?」


「まあ、それはそうなんだけどね」


「なら問題ないだろ」


「あははは。自画自賛じゃないけれど、直ぐに降伏を選んだ過去の僕を誉めてあげたいよ」


「とにかく第一段階は成功だ。ソラハラヌさん、ヘラレントさん、後は頼んだ」


「ああ、任されたよ」


「うむ、任せるのじゃ」


 お?

 施設の方が騒がしくなってきた。

 流石にあれだけ大がかりにやったら気づくか。


 さて、このくそったれな施設どうしてやるか。

 こういう宗教関係の連中と関わりたくないしな、このままサクッと消し飛ばす!


 とはいえ、なにも考えずにぶっぱなすと周囲の被害も大変なことになるしな。

 えーと、範囲を基地の規模にあわせて。

 中に眷属っぽい奴が何人かいるけど、大したことないし、威力もこんなもんでいいか。


 よし、できた!


「消し飛べ」


 おおおお!?


 ちょっと威力を盛りすぎた。

 抑えたつもりだったんだけどな。

 ちっと感傷的になりすぎたか、反省反省。


 次はもう少しうまくやれるように頑張ろう!

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