第240話 観光城ハイレイン?

 とりあえず、崩壊現場に戻ってきたが……誰もいないな。

 エチゴラさんはどこに行ったんだ?

 困ったな、右も左もわかんねーぞ。


 さてどうするか?


「村長。帰ってきたのか」


「サベローか、丁度いいところに。誰もいなくて困ってたところだ」


「エチゴラさんなら女王様の所に説明しに行ってるよ」


「そうなのか。流石にエチゴラさん一人に押し付けっぱなしって訳にはいかいな。サベロー、俺も女王様の所に連れていってくれ」


「わかった」




 これがハイレインの城か。

 ガウンティやノーゼノンとはまた違った感じなんだな。

 綺麗なもんだ。


「今門番に話して中に伝えてもらった。直ぐに謁見とはならねぇだろうから少し待つことになるぞ」


「わかった」


 一国のトップに会いに来たんだ、そんな簡単に会えないのが普通だろ。


「しかし綺麗な城だな、サベロー」


「ああ。何でもこの城を見るために、ハイレインに旅行で来る奴もいるらしいからな」


 へー。

 こういうのも需要があるのか。

 ならランドマーク的なものも受けるかもしれないな。


「なあ、サベローもニノンさん達を連れてきたいとか思うか?」


「そうだな。これだけ綺麗な城なら、ニノンやナノンに見せてやりたいとは思うな」


 なるほどね。

 やっぱり需要はありそうだ。

 ガンドラルになるのかラビリンスになるのかわからんが、ナセルリナ辺りに相談してみるか。


「ヒダリ様、サベローシラ様、女王陛下がお会いになるそうです」


 思っていたより早いな。

 こういうのって待たされるイメージだったんだか。




 門をくぐったら庭園か。

 この女性兵士さんに付いていけばいいのか?


「ご案内させていただきます!」


 しかし、なんというか大勢が観て歩くことを意識した庭だな。

 もしかして、一般人に解放してるのか?


「あの、申し訳ありません」


「はっ! なんでしょうか!」


 いや、そんなに気合いいれなくても。

 普通に話してくれればいいんだが。

 それともこの国じゃこれが普通なのかね?


「よろしければ、教えていただきたいのですが、この庭園は外部の人間にも解放しているのですか?」


「はっ! 週に二回、解放日を設けております!」


 声が大きいよ。

 まあ、これがこの国の普通ならしょうがないのか。

 しかし毎日この調子で、この国の女王様は疲れないのかね?


 そんなことより、この城、観光客を意識してるよな?

 面白い事する女王様もいるもんだな。


「こちらでお待ち下さい!」


 こいつは障壁か。

 デルバレバにあったやつとおんなじ感じのだな。


 しかしわざわざ障壁を木で隠すか。

 柵や壁と違ってこれなら庭園に来た観光客に、余計なプレッシャーもかからない。

 ますます面白いな。


「ヒダリ様! サベローシラ様! どうぞ!」


 さてさて、お城の中はどうなってるのかね?

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