♥️第140話

「兄貴、よろしくたのむ!」


 うん、まあ、ジジだしな。

 このノリも仕方ないか。


「クリ姉達に言われて着替えたんだけど、なんかヒラヒラして落ち着かない!」


 スレンダーなジジの要所をほんの僅かな布地が隠している。

 毎回思うんだが、この手の衣装を考えてる奴は誰なんだ?

 俺のツボを、かなり押さえられてる気がするんだが。


「兄貴、おかしくないか?」


「大丈夫だ。似合ってる」


 剥き出しになっているジジの肩にふれ、そのまま腰に手を回し強く体を引き寄せる。


「兄貴の顔が近いな」


 こちらを見上げるジジのおでこに軽く口づけ。

 そのままジジを抱き上げる。


「へへへ、もっと顔が近くなった」


 ぎこちない手つきでジジが俺の首に手を回す。

 嬉しそうにはにかんだ笑顔が色っぽい。

 さらに近づいたジジの唇に深く口づけをする。


「ん」


 口づけしたままジジの唇を軽く舌で刺激する。

 ジジの口が小さく開く。

 開いた唇にそのまま舌を滑り込ませ、ジジの舌先を軽くつつくと遠慮がちに舌が出ててきた。

 出てきた舌に自分の舌を絡ませる。


「ん」


 唇を離すとジジの目にはいつもとは違う色が宿っていた。


 抱き上げたジジをベッドにおろし、再度口づけを交わす。

 一度経験したことで慣れたのか、今度はジジも直ぐに舌を絡めてくる。

 深い深い口づけを交わしながら、ベッドの上で強く抱き合う。


「なんか、すげえな」


 ジジらしい感想に思わず笑みがこぼれる。

 ただジジらしい言葉とは裏腹にジジの表情は今までに見たことの無い妖艶な色を湛えている。

 抱き合ったまま、今度はジジの首筋に唇と舌を這わす。


「ん」


 ジジの口から艶やかな声が漏れる。

 さらに下へと下へと唇を這わせながら、ジジの纏っている布を取り除く。

 隠すもののなくなった箇所へと唇を這わす。


「んん」


 刺激されたジジが声をあげる。

 唇と舌での刺激は止めず、さらに別の場所を指先で軽く触れる。


「んっ」


 ジジの体が軽く跳ねる。

 それでも構わず唇と舌、指で刺激を与え続ける。

 ジジは眉間にシワを寄せながら、体をよじらせる。


「んー」


 ジジの体が軽く痙攣する。

 ジジの顔をのぞき込むと、惚けた表情でこちらを見つめ返してきた。

 半開きになっている小さな唇を唇でふさぎ抱き締める。


「あ、兄貴。オレ、もう………」




「凄かったぞ、兄貴!」


 ベッドで抱き合いながらジジの言葉を聞く。


「これがつがいになるってことなんだな!」


 元気だな、おい。


「今ので何となくはわかったぞ。次はもっと上手くやってみせる」


 なんというか本当にジジらしいな。


「さあ、兄貴。次だ次、次!」


 え?

 マジですか……。

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