第132話 エチゴラ衝撃の一日 その2
これはどういう状況なのでしょうか?
私の手足が、正確には首から下全てがなくなっているのですが。
「あのヒダリ様これは?」
「申し訳ありません、急を要するので」
急を要するのわかりました。
ですが状況の簡単な説明をおねがいしたいのですが。
流石に私も叫びだしそうです。
「ああ、大丈夫ですよ。手足は動かせるはずです」
動かせるはず、ですか……
おお、本当に動きますね。
ということは見えなくなっているだけでしょうか?
「運びやすいように、首から下は別空間に収納させもらっているだけですから。特に身体に別状はないはずです」
……。
ヒダリ様。
先ほどから仮定のお話ばかりなのですが。
「いかがですか? エチゴラさん」
如何と聞かれましても。
手足は問題なく動きますし、体に不調も無いようではありますね。
「今のところ問題は無いようです」
「個人差が出る可能性もありましたが、問題無いようですね」
なんでしょう。
ヒダリ様からの扱いが、そこはかとなく雑なような。
「兄貴、とんでもねえな」
「サベローさんの時以来ですね」
「左の字、流石にそれはちょっと」
「
お連れの方もそう思いますよね。
それとサベローさんという方が、同じ目にあっているのですね。
その方とは一度お酒を飲みたいものです。
「エチゴラさん、案内をお願いします」
皆様の非難は気にしないのですね。
私の意見は……。
多分ですが聞いていただけないような気がします。
「そやつと縁を持ちたいのなら、諦める部分も必要じゃぞ」
そもそも私の想像の枠の外におられるお方。
そのような方と対峙するのです。
私も腹をくくりましょう。
「わかりました。ご案内させていただきます」
「ありがとうございます。エチゴラさん」
「ただし。ヒダリ様、私とて商人のはしくれ。
このまま使われるだけでは終われません。
こちらの利も追わせてもらいましょう。
「たしかに。情報を無料でというのは虫が良すぎますね。私が対応できることなら、一考しましょう」
「それほど難しいことではありませんよ。そこにいる私の姪をヒダリ様のところで鍛えてほしいのですよ」
「な!? 叔父さ、ではなく会頭?」
「ナセルリナ、これは叔父としてではなく会頭としての判断です。ヒダリ様の元にいれば私たちが見たことのない世界が見られるはず、あなたの世界を広げてきなさい」
まあ、半分は嘘ですが。
ヒダリ様との血縁は是非ほしいところです。
まあ、そこまでいけるかはナセルリナ次第ですけれどね。
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