第126話
「私の名前はエヴラチゴラ・ネルバと申します」
「儂はガではなくクリオネ。さっきの話の村の代表はそこの若僧じゃ」
「ガンドラル村の村長をしております、サシチ・ヒダリと申します」
「ガンドラル村のヒダリ様ですか。私の事はエチゴラとお呼びください。これからよろしくお願いいたします」
エチゴラって……。
「あのエチゴラさん、爺さんのあの話だけで本当に私達に協力していただけるのですか?」
「もちろんです。無論、私も商人ですので無料というわけにはいきませんが、できる限りのご協力はさせていただきます」
「会頭、何をおっしゃっているんですか!?」
そうだよな。
今までの会話は明らかにおかしいよな。
「失礼ですが、この方達のおっしゃっていることは、全く信用できる話ではありません」
全くその通りだ。
竜を嫁にしてその住み処を村にしてるとか、普通は信用しないよな。
秘書?さんの言うとおりだ。
「ふむ。こういった規格外の事に関してはまだまだなのかもしれませんね」
「何を言っているんですか!?」
本当になに言ってるんだろねエチゴラさん。
「はあ、いいですか。まず今私が話しているクリオネ様。明らかに普通の魔獣ではありません」
まあ、魔獣じゃないしな。
側は地球の生き物を模したロボットだし、中身神様だし普通の所が何一つ見当たらないな。
「そして、あそこで気絶している方は派遣協会の対魔獣部門の一流どころですよ」
派遣協会ね。
派遣会社みたいなもんなのかね?
「な、フィーラリア様!?」
「そうそう、多分その方です」
てか秘書さん周り見てないのかよ。
エチゴラさんも一流どころとか言いながら、うろ覚えだし。
「そのフィーなんとかさんを一撃ですよ。この街にそんなことができる方が他にいますか?」
フィーラリアさんな。
ちゃんと名前は覚えような。
「もうこの時点で普通の方々ではないのですよ。普通でない方々が私達の常識の範囲を越えたお話をされたとしても、それを普通でないと言って否定するようでは大きな商機を逃しますよ」
「……確かに」
確かに、じゃねーよ。
秘書さん、今ので納得できるのかよ。
結構なとんでも理論だろ。
「それでは早速ですがクリオネ様、窯をご所望とのことですが」
「うむ」
「申し訳ありません、工房に窯があるわけではないのですよ」
「む?」
「窯に関しては現地で作成するという方法を取っておりまして」
「ならば設計図のようなものはないのか?」
「それを渡してしまっては私達の商売が成り立ちません」
まあ、そうだよな。
設計図わたして他のところで量産されたら、たまったもんじゃないよな。
「ならば使っていない窯はないか? もしくは数日使えなくても問題のない窯でもかまわん」
「ふーむ」
「会頭、会頭のお宅にある窯でよろしいのでは?」
この秘書さん、さらっとすごいこと言うね。
「そうですね、それが良いかもしれませんね」
いいのかぁ。
「クリオネ様、私の家の窯で良ければご案内できますが」
「よろしく頼む」
「ではご案内させていただきます」
話が早すぎるよ。
なんなのこのおっさん。
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