第91話
「まずはこの辺りの整地からだな。凶壁、どのくらいでできそうだ?」
「そうね。最初は私達だけのお屋敷でしょうし、今日中には終わりそうよ」
湖のほとりは樹木も生い茂っているし、それなりに石やらなんやらが転がってるしな。
明らかに骨っぽいものとか混じっているのは、クリスの食事の後かね?
「あなた、ルド様達にお力を借りてもよろしいですか?」
「ルド、ランガー、リシャル、レーブ頼む」
「わかりました、我が主の大切な拠点です。
「レイラさん、四人をつけるから自由に使ってくれ。申し訳ないが俺は何をして良いかさっぱりわからん、何かてつだえることがあれば声をかけてくれ」
レイラさんとナディがいてよかったよ。
村作りとか建設とか完全に門外漢だからな。
ルド達の全力となぜかレーブと打合せしているルルが不安だが、レイラさん達がいるし大丈夫のはず?
「あなた、巴ちゃん達の所を見に行って見ては?」
「湖を挟んだ東側の方で、ポタ族と一緒に彼等の住居を作っているはずだ」
「ありがとうナディ、行ってみるよ」
「おーい、巴」
「左の字〜」
「結構離れたところに住居を構えるんだな」
「湖に近すぎると畑を広げる時に苦労しそうなんだって。後はあんまり僕たちのお屋敷に近いと緊張しそうだがらだってさ」
後者が理由だろうな。
自分家の直ぐ側がお偉いさんのお屋敷とか、落ち着かなさそうだよな。
「
「こんにちはパポール」
今日もパポールはかわいいなぁ。
「
耳がピコピコ。
長文でぴゅいぴゅい。
これは拐われるわ。
「生活していけそうか?」
「
「手伝いは……要らなさそうだな」
チョコ太さんとポヨスケ、ポヨミが猛烈な勢いで整地している。
地球の重機も真っ青なパワーだな。
「移動式天幕もあるし、住むところより畑とかを早くやりたいんだってさ」
確かに、あの天幕があれば住むところは急がなくてもいいか。
「パポール、何か必要なものがあれば言ってくれ」
「
ここも特に俺のやることはまだ無さそうだな。
他に行ってみるか。
あそこで空飛んでるのはクリスとセフィか。
「クリスー、セフィー」
二人がこちらに飛んでくる。
「旦那さま」
「サシチ様」
「なにしてるんだ?」
「しばらく帰っていませんでしたから、見回りというか確認ですかね?」
「私は島の地形と周囲の様子を確認していたところです」
そういやセフィは軍人だったよな。
「防衛する上でなにか気になるところでもあったか?」
「これだけ大きなものが浮いていますからね、通常で考えれば砲撃の的なのでしょうが」
通常で考えればか。
竜とか普通にいるからな。
ルドの魔法もあるしな。
「通常があまり当てはまらない方々が多いので」
「それでも、備えは大事だろ」
「その辺はナディ様とレイラ様が考えてくれているはずです」
「それもそうだな」
「ですのでこの島の住民向けに、危険箇所等の細かい調査を行っています」
なるほどな。
危険なのは敵だけじゃないからな。
むしろ住民の事故やらの方が危険度は高いのかもしれないな。
「なにか危険なものがあった場合はすぐに連絡してくれ」
「わかりました」
「それと、クリスもセフィもヤバそうな相手がきたらすぐに逃げてくれよ」
竜の姿のクリスに不用意に近付くやつも、そうそういないだろうがな。
「わかりました、旦那さま」
「わかりました、サシチ様」
さてとそろそろ、作業も一段落したところかね?
「俺は一旦湖のほうに戻る」
のどかだし、敵対しそうな連中もいないし、幸先の良いスタートなのかね?
とりあえずは屋敷候補地にもどりますか。
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