第13話 魔法と魔方

 魔方、魔方か。

 俺、男で無属性なんだよな。

 ほぼ魔方に縁がないんだが。


 どうするか。

 また過去の文献を読み漁るか?


 んー魔方、魔方。

 なんかあったような気がするんだよな。

 なんだったか。


 ああ、爺さんが封印される前の時代の文献だ。

 たしか魔方の訓練の日記かなんかだったはず。

 

 あった、これだ。

 この時空魔法ってのはなんだ?

 たしか他にも何点かの文献にあったはず。


 風火水雷氷土闇光無以外の属性か?

 ん、そういえば無属性の記述を見かけてない。


 あー、もしかしてそういうことか。


 予想通りだ。

 爺さんの封印と前後して、時空魔法か無属性魔方どちらかの記述しかないな。

 象徴となる神が邪神あつかいだし、属性神も封印されてるし、なかったこと扱いなのかな?


 普通ならこうなんか裏があったりするんだが、封印の経緯もあれだしな。


 これもなんかこの属性のやつ少ないし。

 教えるやつもいないし。

 めんどくさいから無属性てことで、ちょっと不遇な属性だねって感じでほっといてるだけじゃないのか?


「だいたいその通りですね」


「やっぱりか。適当すぎるなガンドラル」


「ただ、このレポートでは合格とは言えませんね」


「?」


「たしかに時空魔法から無属性魔方への変化も大切なのですが、これは名称の変化だけで本質は変わっていません。ガンドラルの魔法についてはもっと面白いことがあるんですよ」


「面白いこと?」


「ええ、そうです。多分サシチにとっても面白いことだと思いますよ。頑張って下さいね」


 もっと面白いこと、か。

 なんだろうな、俺にとっても面白いこと。

 無属性がどうこうって話では無さそうだ。


 んー

 俺も面白いこと。

 面白い、面白い、面白い。

 そもそも魔方が使えないのに、面白いといわれてもなー

 

 ああ!それか!

 なんで男だけが魔方を使えないのか。

 面白いことってことは、もしかして男も魔方が使えるのか?




 やっぱりか。

 男の使いが存在していた。

 しかも魔方じゃなくて魔法ねぇ。


 かなり古い話だが存在していた。

 しかし魔法使いがえらく重宝されてるな。


 稀少な戦力ねぇ。

 爺さんの封印前後じゃ、

 複数対複数の魔方戦も頻繁にあったみたいだし、すくなくとも稀少って感じではないな。


 魔方が封印前後の時代ほど広まっていない?

 だが男も使い手として存在しているなら、むしろ使い手は多いのでは?


 5000を越える大部隊でも一人か二人しか、魔法が使える者がいないと書いてあるしな。

 いくら魔法が発達していなかったとしても、5000人いて一人か二人ってのは少なすぎる。


 この男が使っている魔法と封印の前後で使われていた魔方。

 もしかすると魔法の定義が違うのか?


 はるか昔はスキルのことを魔法と呼んだとか?

 いや、これは違うな。

 俺も面白いとは思わないし。

 ということはやはり魔法そのものが違っているのか?


 あたりをつけたのはいいがどうするか?

 近場にある魔方の基本から調べてみるか。


 まずは今使われている魔方の教本だ。

 最初に魔方式を作り出す。

 そこに体内にある魔力を流し込む。

 必要な魔力が注がれたらあとは自由に発動。


 この魔力を流し込む魔方式ってのが俺たちには作成できない。

 ということはだ。

 魔方式か?

 これを使用せずに使えるのが魔法ってことか?


 ああ、たしかに一定以上前の時代だと、魔方式なんて言葉、出てこないな。

 というか魔方式って言葉がでてくるのがごくごく最近だな。


 封印前後でも出てきていない。

 だが魔方使用の記述は増えている。

 んー、これか?


 方式術:

 魔方を発動させるための式を作るスキル。


 あたりっぽいな。

 ん?

 女神達が自分達と近い存在に贈ったギフト?


 おいおいおい。

 魔方関係の男女差は女神達が原因なのかよ。

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