8. 登場人物は全員あの街に多い名字ぶち込んでる
◆
うーみん:⭐🧡💛あけおめオッチマさん💚💙⭐今年もクラスタ潜入
でも、仕事あるし、最近はすぐ目が疲れちゃうおじさんだから、、、😢
若い子に肩
うーみん:ところで決意を込めてってことで、新年会やりませんか❗❔
うーみん:二人だけで、、、サ(ヘンな意味じゃないよ😝)
ぐぇあ。
うぐっ。
うーみんさんは気さくだけど、
今は午前十時過ぎ、お母さん達は
怪談:カウンティング婆探しもこれで四日目になる。
◆
昨晩ボタ雪が少し降って凍り、マナちゃんの右の
蔓はかなり成長して、
今日の目的地はマナちゃんちから一番近いファミマ。里山――
現地集合にしないのはもちろん色々聞く為だ。
「
「ねむ」
マナちゃんは
「今日見つけたとしても何もしないよ。
「ボク
それからガキ使に話が反れて、今年のバスはどうだ、ジミーのキャリアハイは何時だとか
サンシャイン
「コイトさんじゃない?」
「あーあいつか」
「あの人どうなったのかな」
「知らなーい」
マスクからモワーと白い息が出て、通り過ぎた地点に置き去りになっていく。
「いいんだよ、ああいうのはどうなっちゃっても」
「そうかな……」
「やっちゃいけないことやっちゃうやつなんだから」
「うーん」
四日でこれぐらいは話すようになった。
◆
先々月に開店したばかりで
来る日はいつもお昼以降だそうで、この季節なら日没までだろう。だから今日の予定は
「なんだお前ら」
ボクの隣のオタクと、その太った友達だ。二人とも
「ハラダ
マナちゃんが
ハラダ、隣席のオタク男子は 確かマナちゃんと同じ
「あっち行けよ、マナ達が使うから」
と彼女が指差すのはガラス
「バカ、お前らが行け」
ハラダは取り付く島もないけど、横の
「まあ席はあと二つあるし、ね、マナちゃん」
「ヤダよ。同じ場所にいたら
「なら今死ねよ」
「あー臭……ホラ見て店員さんも毒が
店員の若いお兄さんは
「マナちゃんあのね、ちょっと落ち着いた方が」
「いいから。東屋行きたいの?」
「そういうわけじゃ」
睨まれると黙ってしまう。
少し沈黙が生まれて、ジロジロこちらを見ていたハラダの目がマナちゃんの足の方を向く。
「つーかお前ら、何なんだよ」
何の意味が足のことか、ボクらの関係のことか取りかねていると、タラララタ・タターン……と入店のメロディ。
店内の全員の視線が入り口に集まる。
「あれ、マナ」
イトウさんだ。立ち
コンビニに同級生五人。
「モロズミちゃんまで。ねえ、マナ、どうしたの?」
「……
マナちゃんは後ろ髪をいじりながら、目を合わせず答えた。
イトウさんの眉が悲し気に垂れ下がる。
「……どうしてLINEも電話も出てくれなかったの?」
「ごめん。でも、謹慎中はスマホは親に取り上げられてたから」
「今は?」
「ごめんって言ったじゃん……」
普段からは想像もつかないぐらい歯切れの悪いマナちゃん。
イトウさんのお母さんが入口から不思議そうに通り過ぎて、店員さんに煙草を注文する。
「心配したんだよ、何か悩んでいるんじゃないかなって、みんなで」
「アサカ達はそんなこと考えなくていいよ。余計なお世話」
「そんな言い方!」
「そうだよ、もう少し話してくれてもいいんじゃ」
イトウさんの表情が見るに堪えないので、思わず口を
「マナ、最近おかしいよ。今の貴方を見ていると……」
イトウさんはそこで初めて目を伏せ、顔を上げると改めて口を開いた。
「不安になるの、去年のハルカちゃんみたいで」
「い、イトウさん!」
ボクの制止もお構いなしに彼女は続ける。
「ごめんね、思い出して辛いと思うけど。一人で苦しむのは止めて」
――私達、友達でしょ?
正面からぶつかっていく彼女を見ると、眩しくて、胸が痛んだ。
マナちゃんは無表情にしばらく黙り、思い出したように息を吸ってから口を開く。
「どうでもいいし。帰る」
それで入口の方に向かった。
「ちょ、ちょっとマナちゃんもう少し……」
ボクが追いかけてコートの裾を掴もうとするとマナちゃんはうざったそうに振り払い、冷めた目でこちらを見る。
「コウモリヤロー」
ぐぇあ。
タラララタ・タターン タラララタ―ン……。
うぐっ。
ダン!
「モ、モロズミちゃん!?」
一瞬の気絶で倒れかけ、
立ち直って店内を見回すとイトウさんやオタクや店員さん達が驚いている。
「……イトウさん、平気?」
「い、いや、私は別に」
そうは言っても彼女の瞳は
「あの、マナちゃんもいっぱいいっぱいだと思うんだよね。だからこういう時って誰かに当たっちゃったりするから……」
「うん、うん……」
それから彼女が落ち着くまでごちゃごちゃ
◆
うーみん:あれ😥昨日から返信が無いんだけど、、、
うーみん:深く考えなくてもいいんですョ❓
スマホを自分のベッドに投げ出して、重い息を吐く。
パジャマを脱いでクローゼットに向かう。
扉の鏡に人間が映っていた。ボブカットに
薄い肩をいからせ、唇を噛んでなるべく赤くしてみる。
行かなくちゃ。
◆
昨日ファミマから逃げ戻った後、マナちゃんには何もフォローしなかった。
どうせ答えてはくれないだろう。いつものままでいいとアルガ先生も言っていたし、カウンティング婆探しを続ければいいんだ。
あのカウンティング婆との
「嘘!?」
急いで駆け寄る。
その
「マナちゃん!」
声を聞くと彼女は両手で上半身をよろよろ起こし、体をボクの方に
「右足が、動かない」
辺りを見ると雪に新しい靴や
「ど、どうして!?」
「花が」
そう言われて右足を見ると、咲いている。
蔓がグルグル巻きの
「な、何で」
「昨日
ボ、ボクが連れ出したりしたから……。
「あそこの
「そ、そんな」
立とうとするマナちゃんに背中を向けてしゃがむ。
「お、
「いいよ。ミハルちゃんうるさいし、役に立たないし」
マナちゃんは少し這い、ガードレールを掴んで立ち上がる。
昨日と同じ、青い顔色に無表情。
「一人で何とかするから。ついてこないで」
この後、言葉に反してずっと家までついていき転びそうになる度支えたけど、結局口も利いてもらえなかった。
◆
呪いをなんとかしなきゃ。
ただ草が生えるだけで、他の人には見えてないようだからつい
マナちゃんちから戻ったボクは、例のファミマのイートインでノートとスマホを広げていた。ここならWi-Fiもあるし家と違ってお母さんやナツヤの
「いいなあスマホ……親父がダメってさ」
ハラダの友達がボクをチラ見して言うのが聞こえた。気にしてない風で買ったカフェオレを
一人対策会議は早々に
情報が無いのだ。蔓の生える呪いなんて聞いたこともないし、ググっても
行き
「おい」
突然、
「それ、
ハラダが見ているのはボクのノートに描かれた蔓の葉と花だ。
蔓の
彼はこちらの席に自分の椅子を引きずってきて、続けて小声で問う。
「あのブスに生えてたやつか?」
エッと声を上げそうになったけど、ハラダが友達を気にしているの見て止める。
「み、見えてたの?」
顔を寄せ、囁くように聞いた。
「……そういうのが見えるんだ、昔から」
初めてまじまじ見るハラダの顔はトカゲみたいにつるりとしてるけど、今日は何だか目が
「今、マナちゃんが大変なことになってて」
ハラダは一つ
「ああ。あの呪いは危険だ。このままだと……命取りだ」
◆
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