第41話
そうしてランクアップ試験が始まった。
フエルは突撃を軸にして濃密な斬撃を放つが、ユリアはステータスを解放させ全ての斬撃を見切り躱す。そしてここぞとばかりにユリアは唱える。愛する者が使える攻撃を、愛する者が使える技を、誇りに思うがゆえに使う、その技を
「剣よ、踊れ」
そう唱えると剣は空から、地中から、四方八方から魔力だけでできた剣がユリアを主として集まる。それはさながらユリアを守る騎士の様に、そしてユリアは唱える。愛する者が使う、
もう一つの技を
「魔よ、私に力を」
そう唱えると魔術などではない別の異質な何かがユリアの周りに集まる、そして最後にユリアは唱える。
「私のもとに集え、集い、敵を蹂躙せよ」
それはさしずめ王の命令、それを聞くと全ての者が膝まづかされ、全ての者がその威厳に頭を垂れる、この魔法は『汝。王女の命を聞け―――<カーディナル>―――』
この魔法はユリアが認知するもの全てに置いて命令することが出来るらしく、防がれる確率も一雫によると自分のステータス以下でも約96%という驚きの数値であり、それもユリアは1兆前後にステータスがなっているためほぼレジストするのは不可能である(創太は例外、もちろんだ)。
それはステータスがあろうともなかろうともユリアが認知できればいいのであり、例えば今使った魔力でもいいわけだ。そしてそれを支配下に置き、剣の形にするという命を出すと剣の形になったという訳だ。もちろんイメージのコンセプトはそこにいるユリアの勝利を疑わない、壁にもたれかかっている少年なのだが……。
◇
そうしてユリアは口にする、その勝利のための命を、
「全ての者よ、攻撃を開始せよ」
そういうと剣はさらに魔力を吸い込み、戦士の姿になり、異質な何かは純粋な魔力だった様で、その力は精霊となり攻撃する。その数は合計およそ15人。
もうフエルは声も出す余裕もないほどに攻撃を受けているがそれでも彼女はAランクの冒険者だ、少しづつではあるがこの状況を打開しようとしているあい、実際にだんだんと、少しずつ数は減っている。
だがまだユリアは口にする、王女であるその命を。
「竜よ、我に力を」
そう唱えると魔力が集まり、その姿を見せたのはギルドでもSランクモンスターに分類される竜そのものだった。「GYAAAAAA!!!!!!」といういう咆哮を浴びせられて、もうこれにはフエルも抗えない。
「降参、降参よ~」
そしてギルド譲は試合終了のゴングを鳴らす。
「試合、終了!勝者!ユリア!」
「ごめんなさいね~さっきはあんなこと言っちゃって、確かにあなたは強いわ、多分頑張ればすぐにAランクぐらいにはなれるわよ~、そして………そこの貴方もね。貴方力を何重にもセーブしてたでしょ、強い奴はそれだけで分かってしまう……だからもし力を隠したいなら気を付ける事ね~」
「ああ、忠告は素直に受け取っておくことにするよ」
何にせよ無事ユリアは勝った様だ、ユリアは勝った途端に艶めかしい笑みをぶつけてきたので、さすがこれには難攻不落の創太もドキッとさせられてユリアは大層満足げな笑みを浮かべておりましたとさ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます