第40話
ランクアップ試験を無事難なく突破した創太は、ギルドカードを更新するために1階の受付に足を運んでいた。
「では少しお待ちください、あと2,3分で出来上がります」
「そうか、じゃあ連れのクエストを受けさせてもいいか?何せ初めてのギルドで右も左も分からないらしいからな」
「はい わかりました、ではこのクエストと……」
そうして受けたのはまたまた5個のクエスト、そしてもちろん
「あ、あの、素材、あるんですが……」
ギルド譲は内心やっぱりか~、と思いながらマニュアル通りの対処を行う
「では素材を…確認しました。クエストは5つすべてクリアされましたのでランクアップ試験の資格を得ます、そして合計で報酬金が5210コルで銀貨5枚、銅貨2枚、鉄貨1枚です。お確かめください。」
「はい、確かめました。ありがとうございます」
このユリアの笑顔は見ている人全てを笑顔にしてしまうという能力でもあるのか、それが例えこのような笑みでも周りにいる冒険者はほわ~という冒険者という職業には似合わない様な雰囲気を例外なく醸し出し、ギルド本部がまるでお花畑にいる様な雰囲気を誰もが味わっていることだろうが、それでもギルド譲は本来の仕事を思い出し話を再開する。
「ランクアップ試験は今からでも受けることが出来ますが、お受けになりますか?」
「どうする?ユリア?」
「んっ、受ける」
「受けるらしいから、用意してくれ」
「はっ、はい。わかりました。担当はソウタ様と同じ者しか空いておりませんので、それでもよろしいのであればすぐに用意することが出来ます。」
「んっ、構わない」
「俺も見物人として見てもいいか?」
「構いません、ソウタ様のギルドカードもその後にお渡ししましょう」
「ああ、分かった」
「ではこちらにどうぞ」
そうして創太達は本日2回目となるギルド2階の階段を上り、そして
「やっほ~、久しぶりだね、で今回は誰なのかな~」
「はい、この少女なんですが……」
「え~~~!大丈夫なのー!少し弱そうに見えるけど」
「んっ、大丈夫…舐めないで」
いつもよりユリアが感情に流されようとしている辺り、少しカチンと来たのだろう。意外と沸点が低いのかな?と創太は首をかしげているが
「えー!ひどいなあ…あんまり調子に乗るのはいけないなあ~、一応Aランクの看板しょってるからねえ~、少し本気を出さないと失礼じゃあ無いかな~。安心してねギルドのお姉さん、ちゃんと審査はするからさ」
「安心して、私が勝つから」
「そこまで言うとは自信があるみたいだねえ~、じゃあさっさとやろうよ」
「は、はい、わかりました。では審判は私とフエルの2人で行います、開始の合図は私が、双方準備は?」
「「大丈夫。(だよ)」」
「それでは……始め!!」
そうして2人の試合が始まった。たかがAランクと、魔法に愛されし者の蹂躙劇が。
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