第16話
創無神とはこの世を創りし神と言われている。
創無神が作ったものは計り知れない。生、時、世界、宇宙、惑星・・・そしてありとあらゆるものを創った創無神はその対となる物も作られた。が、それは同時に対となる物も生んでしまった。そう。死、破壊などの意図されずに創造されたモノが生まれてしまった。
創無神がどうやって生まれたのかは分からない、だが創無神は無から生まれ、無から有を生み出すことことが出来る。物質を、土地を、家を、食材を、服を、ありとあらゆる物を創られ、そして世界でも……その世界の概念でも創れることができる。それは『無』という始まりから巡り巡ってそれが創造されていくからだ。
そして創無神は、『創無』の力を持つ者は世界が作られる以前にいる、創無神は人以外にもいる。虫、動物、時には山の一部になったりしている。そういうこともあった。
そして初めて創無神が人に移った、それが1代目創無神シャネル・ヘイズだ。
シャネルは創無神の能力を使い、人から人へと創無神を移して永遠に創無神の力を人に持たせることに成功した。そうやって『創無神』というものが守られ 見守られ 時には干渉してこれまでの世界を守ってきた。
そしてシャネルに【創無神】の力が出てきたとき、神の一人である最高神プリムが意義を唱え、邪魔をし、時には殺そうとも企んだ、それには訳があるが、単純に最高神としての地位を取られると思い行動したわけだ。
それぐらい創無神の力は強大という訳だ、何せ世界の概念をもひっくり返すぐらいの強大な力だ…そしてプリムはその力を…自分のために役立てようとした。だからこそ自分のそばに置くことで、その力を役立てようと考えた。
そしてシャネルを自分の世界。【神域】に呼んで自分のそばに置いた。
神界には神しか来られない。が、シャネルはまかりなりにも『神』としての器を満たしているので入れた、入れてしまった……。
その後どうなったかは分からない…が創太がそんな力を知らぬ間にそんな力を身に着けてしまったとはつゆにも知らず。
そして、こうして神の元へと赴くところから始まる創太の物語が、時を刻み始める………。
◇
「ここは…アルはどうした、そういえば俺、気絶したんじゃあないのか―――」
気が付いて辺りを見回すと、太陽が三つある空と一面に広がる海が見えた。
「もしかしなくても、前のあのスキルの時の世界なの…か?」
「また会いましたね、創無神」
「お前は…ああ、もしかしてシャネル様なのか、一代目創無神の」
「シャネルで結構ですよ、創無神 仲宮創太様」
「ああではそうするよ、俺の事も創太でいい、面倒だ。それでシャネル、早速だが質問していいか?」
「はい、創太」
「俺、前にここきた事があると思うんだが」
「…貴方は素晴らしいですね。創太、私に対して畏怖や尊敬などの念を持って話してはいないんですね」
「悪かったか、シャネル、やっぱり様付けしたほうがいいか?」
「いいえ、創太。新鮮なだけです。でさっきの質問の答えですが、創太は来たことがありますよ。確かアルとの闘いで神の扉を開いたんでしたっけ」
「えっ、ちょ、ちょっと待て、ここは、神様の世界だってのか」
「はい、そうですよ、ここは神だけの世界【神域】。でも創太は人の身でありながら、この神の域である神域まで達してしまった。全く面白い人ですよ創太は、これからが楽しみで仕方ありませんね」
「そうか、じゃあ世間話も終わったし創無神の義。だったか、始めてくれよ」
「分かりました、創太、では始めますね」
と創太の背中に手を当てて、
「待ってくださいね すぐ終わります」
と何秒か手を当てられた所で、
「人から神への書き換え 完了、よし・・・終わりましたよ、創太」
「よし ありがとうシャネル、じゃあ俺は帰る。待たせている奴らもいるしな」
「あ あともう一つ。貴方の力、<WORLD EDIT>ですが」
「ちょ、何で知っているんだ、俺は少なくともお前には言ってないが…まあまかりなりにも『神』って事か」
「ああ、それは私の能力がその<WORLD EDIT>の縮小版だからです」
「ああ…マジか」
「はい、マジ。です、ちなみに名前は、<WORLD STEIKAR>。そしてそんな先輩から一つ、アドバイスです、あの能力を使うとき、自分の世界に入りますよね?」
「ああ、そうだ」
「そこで世界の固定化をやったらどうでしょうか」
「何だ?固定化って」
「自分の入る世界を固定にするのです。世界によって取れる知識が取りにくかったり、自分に合わなかったりと違ってきます、だから世界を固定にするのです。自分にとって一番世界から知識が取りやすいように」
「へえ…でも、俺はまだいい、決まってないしな」
「そこで相談なのですが、ここにしたらいかがですか?」
「シャネル。一ついいか…最初っからそれ言うつもりだっただろ?見え見えだぞ?」
「ウフフ、よくわかりましたねっ、創太」
「まあ 平たく言えばそうなります、でもメリットはあります まず一つ、この世界の多くは様々な物の知識が詰まった世界だということです、二つ 私が手伝うことが出来ます。以上です創太、どうですか」
「一つ目はまあいい、二つ目はどんな理由だ。おい」
「ウフフ あれぇ?創太さんは私が手伝うのはダメなんですかー、この先輩である私が」
「――――まあいい。もうめんどくさいっ!いいよ、固定化しろ」
「はーい、分かりましたっ、エイ♪」
「絶対準備していただろ、これ」
「いやいや。なんのことだかさっぱりわかりませんねー、ウフフフフ」
「まあいい。で、何でそこまでその固定化をすすめたんだ」
「貴方がアルファスに似ていたので、できるだけ多く、長く会いたいな・・・と、思っただけですよ」
「そうかい。じゃあ今度こそ帰るわ、シャネル」
「ウフフ。また来てくださいね、創無神・中宮創太さんっ」
とシャネルが言ったと同時に、創太の意識が薄れたので、後は体に任せた。
創太がこの世界から去った後、シャネルは独り言のようにこうつぶやいた。
「創太。中宮創太…か、本当に似ていますね、アルファスに…髪の色は少し違うけど、それ以外。喋り方、骨格、表情、全てが似ている、いや 同じなんですよね…またしばらく待っていましょう。今の世界のアルファス…仲宮創太。この世界にまたきてくださいね」
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