第13話


————戦いの始まりは、ゴングの始まりと共にすでに始まっている。時計の針がその秒針を超えた時点で、自身の命は保証されない。そこにあるのは、ただ一つ。己の力のみを信じることのできる絶対の闘技場。




創太とアルとの戦いが始まった。創太は同時に進化を発動。

だが前を向くとアルが飛び蹴り数cmの所まで来ている、どうしようとコンマ0.01秒の思考時間を必要とした。



(ヤバいっ!!!)



そして転移を使い何とか脱出する。

————この時点で創太は力の差というものを痛感していた。




「へえ 転移か、そんなスキル持っているんだ。やっぱりすごいねキミ」

「おいおい何言ってるんだよ、これ勝負にならないぞ、おい。避けるので精いっぱいだぜ全く…」




創太は直感で分かってしまった、こいつとは勝負にならない…と。




そしてそれを分からせるだけの金色の魔力と、その歴戦を勝ち抜いてきた風格というものがアルには十分すぎるほどに備わっていた、それは生半可な奴では感じれない、いつも戦いに身を置くものだけが纏えるものだった。


「まあ。僕は神だからね、神の攻撃をよけられるだけで十分すごいけど、それだけじゃ叶わない」

「そうか…」




創太は正直少しパニックになっていた、だが自分のできる事を考え




(短期決戦だ、これで通用するか分からないが進化の時間ぎりぎりまで削る!)


と思いながら、進化の時間を60分から5分にする、同時に倍率が36倍と、常時3倍で足して39倍へとなる。


「ああー!また変わった!こんどはステータスが変わったな!」

「だからなんだよ、勝てないなら————勝てる確率が上がるまでステータスあげるしかないだろ」


と言い放ち、小鉄とジャガートを構え臨戦態勢になると同時に、アルの動きを見逃すまいと血走った眼でアルを見つめる。


「あっはっはっは!キミはまだ勝つつもりなんだ!」

「もちろんっ!ならこの試合受けてないだろ!」




「じゃあ再開しようか、その試合とやらを、ね!」




とアルが飛び蹴りを繰り出そうとするが。



「同じ手が通用すると思うなよ!!」


とその飛び蹴りを躱す、そして創太はジャガートに魔力を込めては放つ。小鉄を抜き構え、アルの動きに限界までついて行こうと歯を食いしばっている。


一方アルは体を使った蹴り・拳・膝げりや肘鉄。武道の心得が何個もあるような動きをアルは息でもするかのように繰り出す。


そうして1分、戦っている者としては10分、いや100分にも感じているかもしれない……程に感じているだろう。


気が付くともう、この時点で無意識に2人は音速を越えて戦っていた。


創太は我武者羅に剣を振る。ジャガートを構え、そして撃つ、超チート性能の体だからこそ、アルの攻撃を読むだけの頭脳と体が手に入ったがアルはそれ以上のスペックで創太を追撃する。


「あっははははははは!!!久方ぶりだよ、こんなに楽しいと思えたのは」

「それは 俺もだ!!!なんか楽しいわっ!!!」


と言いつつジャガートを撃ち、小鉄を力いっぱい振る。ひたすら我武者羅に。そうやって戦っている内にこの音速の戦いはもう5分を過ぎようとしていた…が。


(くっ、そろそろ進化の時間が)


と、ただでさえ全神経を集中させないと生きられない死合なのにその意識を少しでもほかのところに向けるとどうなるか。それは何より創太と、あるが知っていることだと言うのに。


「はあい!よそ見しちゃだめだよー」


と音速で近づいて腹にきつい拳の一撃をお見舞いしてくる。


(まずいっ!体制を————)


だが、創太はもろに入ってしまい、




「うっ!!!————」




と情けない声を上げたと思えば、闘技場の中心から端まで一気に飛ばされる。


創太の口からはたら…っと血が出ていていた。


あの創太のチートステータスで傷を負うことになった。なってしまった。それゆえにアルの攻撃が計り知れないことがここからうかがえる。


(やばいっ――これはここ初めてのピンチだわ、打つ手がもうほぼない、神の血が飲めるほどアルに隙は無い)


「ねえ、今思ったんだけどステータスが下がってない?———見たところ、限界突破みたいなスキルであげていたのかな?」

「ああそうだ、今さっき下がった。打つ手なし、ほんとピンチだ、やばい」

「でも残念!————ここでは戦闘続行不能になるまで戦闘は続くよ。」


薄れゆく意識の中で創太は思い出す。あの地上の姿を、最後まで慕ってくれた友を、自分を心配し、涙してくれた勇気ある少女の事も、



「ああ……そうだな。まだだ、まだ終われないんだよあ。地上に戻るまで、なぁ!!!」



決意と覚悟の含んだ言葉を言い放ち、創太の相棒たちを強く握りしめる。その言葉には死んでも残った覚悟を感じさせる。そして同時に今ある最大の魔力をこの武器たちに込める———と同時にアルの隙を突きなんとか神の血を飲み、体力及び魔力を回復する。


今思えば隙を作らしてくれたように見えたが、それでも生きてさえすればいい。アルが塩を送ってくれていたとしても、最終的に、どんな手段でも、最後に勝利の実を掴んでさえいればよいのだから。


(もう進化の効果はとっくに切れた、神の血が飲めてよかった、そして今勝てる確率があるのはこれしかない……少なくとも今考えられる精いっぱいだ…これにかけるっ!)


「じゃあ 行きますかっ!!!」


と、今度は創太の方からアルスに反撃しようと勢いよく近づいていった。一撃を喰ら意識を朦朧としながらも小鉄を振りかぶりアルの体を真っ二つにせんと振る———それ名さながら鬼のように、そしてまるでピアノの華麗に引くかのように繊細な動き、だがアルスは軽々しく避けた。だがまだ終わらない。


「よしっ!いまだ!」


それも創太はまるで未来が見えるかのようにわかっていると、ジャガートの魔力を最大まで載せてアルスに向けて放つ。


「あああああああああああああああ!!!!」


と創太は相棒のトリガーを引く!アルは油断していたか弾丸の距離はわずか数cmだったが、


「まだだっ!!!!」


アルスがその声と共に勢いよくその弾丸を体をひねって避ける。だがこれは、創太の予想通り。


(やっぱりそうだと思ったよ。アルっ!予想通りに動いてくれてっ!!!)


と同時にアルの方に向かって全力ダッシュする。創太の体は限界を超えて動き、細胞の一つ一つが活性化していく。


「なっ!!」


今更気ずいた様だが、もう遅い、創太は神をも超える反応速度で動き、アルを殺すためにそれを振るう。


「いっけけええええええええええええええええ!!!」


創太のもう一つの相棒、小鉄を今創太の持てる全力を振りかぶる———


「手ごたえ……あった。やったか!」


 やったか————そう思ったが、それでもアルという人には、届かない。それぐらいに。


「うんうんっ!!————惜しいね。今一瞬本当に焦ったよ。掠りもしたかもしれない。だけど僕を倒すには至らなかった。もう何個か武器を創っておいた方がよかったかも…ね」


アルの体には何の傷一つもついていなかった。


「おいおい…あれ本当に限界なんだぜ、勘弁してくれよ全く…あれも苦肉の策だよ」


「へえ…そうなんだ、じゃあ今から耐えてくれよっ」


そしてアルは覚悟と覇気をもってこの言葉を創太に向かって送る。


「あいにく戦闘では僕は戦士だ。キミの戦いを見て、僕はキミを戦士として扱い。そして戦士として今からキミを倒す!」


と創太の方へと猛ダッシュ!創太を拳で吹き飛ばす!そして吹き飛ばされる前に創太が壁に着く前にまた拳で吹き飛ばす。それはただただ殴っているようで、アルの武術の奥の奥が垣間見える様な拳を創太に全力で振るう。


「悪いけどねっ!これが一番倒しやすいんだよっ!僕のやり方だ、ちょっと痛いけど我慢してくれよっ!!!」




—————ドカーン!!ドカーン!!!




創太はアルに拳で攻撃されながらも。生と死の間をさまよいながらも、創太はひたすらに自分の意識と向き合っていた。









(あれ…俺、死ぬのか?)

(大丈夫…なのか?もう神の血も飲めない。しかも痛い)

(死んだら、どうなるのか、な……うっ)

(あれ…俺何で地上に帰りたいと思ったんだっけ、がああっ)

(中川、北川、大丈夫かな。優衣は、彩は大丈夫かな)

(家に帰りたいな。彩に会いたい、父さんに…母さんに会いたいなあ)

(また、帰りたいなあ……)

(あの地球に、帰りたいなあ……)











(帰りたいなあ……故郷に…地球に)
















その瞬間。創太の本能が、奥底に眠る心が、その言葉を受け覚醒する。それは地球への想い、。生きたい。と、そう願った創太の次にやるべきことが。そして理解する。創太はただ生きたいんじゃない。生きて地球へと、故郷へと帰りたい。と、
















(帰りたい・・帰りたい・・帰りたい・・帰りたい・・帰りたい・・帰りたい・・帰りたい・・帰りたい・・帰りたい・・帰りたい・・帰りたい・・帰りたい・・帰りたい・・帰りたい・・帰りたい・・帰りたい・・帰りたい・・帰りたい・・帰りたい・・帰りたい・・帰りたい・・帰りたい・・帰りたい・・帰りたい・・帰りたい・・帰りたい・・帰りたい・・帰りたい・・帰りたい・・帰りたい・・帰りたい・・帰りたい・・帰りたい・・帰りたい・・帰りたい・・帰りたい・・帰りたい・・帰りたい・・帰りたい・・帰りたい・・帰りたい・・帰りたい・・帰りたい・・帰りたい・・帰りたい・・帰りたい・・帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたいっ!帰りたいっ!帰りたいっ!帰りたいっ!帰りたいっ!帰りたいっ!帰りたいっ!帰りたいっ!帰りたいっ!帰りたいっ!帰りたいっ!帰りたいっ!帰りたいっ!帰りたいっ!帰りたいっ!帰りたいっ!帰りたいっ!帰りたいっ!帰りたいっ!帰りたいっ!帰りたいっ!帰りたいっ!帰りたいっ!帰りたいっ!帰りたいっ!帰りたいっ!帰りたいっ!帰りたいっ!帰りたいっ!帰りたいっ!帰りたいっ!)












そしてその本能からの命令を受ける。創太の全てが、肉が、骨が、細胞一つ一つが――創太を構成する全身が反応し、そして思っているだろう、願っている事だろう。……帰りたい…と、生きて帰りたい――――――と。
















(ああそうだ!!!そうだよ!!!俺は帰りたいんだ!あそこに、地球に…俺の故郷に!!!—————)




そしてその人として、化け物としての、2度目の人生の限界を超えた願いがかなったのか、気が付くと海と太陽が5つも6つもある世界に創太はいた。




(WORLD EDITでは…ないな、ここ)




と不意に、金色に輝いている1m四方の球体の水?の様なものが急に創太の前に現れた。




「これは……まさかスキル?」




WORLD EDITを使っている創太は感じた、あのスキルが自分の中で作られる感覚とほぼ同じ様なものを感じてしまった。




「そうか…まあ、もうスキルに頼るしかないもんな」




そして分かった、この海が全てスキルによるものだと。ということにそして創太はスキルを作るときと同じく創造力を働かせ、アルに勝てるだけのスキルを作る。




俺の力だけでは叶わない、だったら。俺が見た。聞いた。喋った。俺に関わった全ての者から力を吸い取る、そんなスキルを創ろうとする。


この海の中からそのスキルに必要な要素を創太の中に入れ、創太に合うように形を創り、形成する。その要素は数千、数万、下手をしたら億、兆の要素を詰め込み創太の中で形にする。




こうしてできたのはもはや比較対象などない程の、人智を超越した超極悪チートスキル。


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魂ノ力ヲ顕現セシ者降臨 ランク ???????????????

スキル所有者の見た、会った、聞いた者から、力を吸い取り自分の物にする事ができる吸い取った力を使うことができる。(複製することもできる)


吸い取ったときの肉体の反動は計り知れない物となる可能性がある。


*スキル顕現ノ力降臨 解放

スキルも吸い取れるようになれる スキルはLVをそのままにして吸い取れる

(スキルも複製して自分の物にすることができ 同じスキルがある場合 LVを+する)

吸い取ったときの肉体の反動は計り知れない物となる可能性がある。


=================================




(これが俺のスキルかやっぱり超チートスキルだ————この際体の反動はどうでもいい…俺は帰るんだよ。あの故郷に!俺の体がどうなっても、たとえ化け物になっても生きて故郷に帰ればそれでいい。そして最後だ、このスキルを持って戦士としてアルを倒す!そして地上に————出てやる!)


「この世界とも、お別れだな」


と創太は言葉を残して、この世界を去った。


{また会いましょう。私の創無神}


とこの世界にいる誰かが言い放ったのをにかすかに聞き取れたのを最後に創太はこの世界を去った。




そして創太が去ったこの世界から、また誰かの声が木霊した。


{また会えるといいですね、創無神}


着いて目を開けるとまた激しい痛みに襲われ続けながら。それでもと立ち上がる。それは最後の抵抗かもしれないが、今回は違う。




「があああああああああああああああ!!!!!!」




と力の限りを尽くし立ち上がると、アルがすかさず答える。もう創太の体はいたるところから血で吹き出ておりもう体はボロボロで創太は満身創痍だが、それでも、


「うん?なあに、創太」

「俺はやっぱりまだ負けられないわ」

「うん、そうなんだ、でどうするの?勝てるの?」

「いや…知らん、だがな」





「勝てなきゃ、勝たなきゃ、ダメなんだよ」









その言葉と共に、人智を越えたスキルのトリガーを、創太は迷うことなく切った。それは『中宮創太』という者の進化。それは神へと至るためのステップであり、こうして創太は一歩一歩その道を歩く、「人」ではなく、【神】の存在へと手を掛けた、そして創太は進化する。











「ドオオオオォォォォォォォォォン!!!!!!」




と言う振動、音がアルを襲うとともに地面が揺れ、




「ゴワアアアアァァァァァァァァァァァ!!!!!!」




と言う竜巻が3つも4つも出ては、このスタジアムを駆け巡り、




と同時に地面が熱くなってはマグマの様な物が地面から、はい出るように出てきては。




「ドオォォォォォォォォォォォォォォォォン!!!」



とまるで百獣の王の咆哮の如き爆音と共に柱になってアルを襲う。




そしてすべてを飲み込む水が地下から途方もない勢いで湧き、それがマグマと当たり冷やされ水蒸気となり、また岩石となる。


そしてその水蒸気を風が巻き上げ、あっという間に環境が、いや自然が変わっていく。これを人々はこう呼ぶのであろう。”天変地異”と






そして、この天変地異よりも大きいこの災害の中心には・・・創太がいた。






創太は超極悪チートスキルを使って、全ての者から力を吸い取る。その反動から肉体が、骨が、精神が、この体全てが別の存在へと生まれ変わる。それでも、それでもとまだ全ての者から力をまだ吸い取る。




「まだっ………だ。まだ、まだ必要だ!!!!もっと———もっとだ!!!」




それをみてアルは——————笑った。




「やっと…やっとか、そうか………そうか――――――ついに、ついに至ったのか創太君!!!!アハハハハハ!!!!!!アッハハハハハハハハハ!!!!」


まだ創太は力を吸い取る。体の影響も半端ない。創太はあの体だったからまだ耐えられたが、そろそろ影響が出てき始めた。髪の毛の色素が落ちてしまっている、そして黒と白が混ざってしまい、骨や筋肉が人の枠を超えて進化、いや神化する。


だが体の痛みも半端なく、痛覚という痛覚が悲鳴を上げ、常人には耐えられない痛みとは言わない何かが創太の体を蝕む。悲鳴を上げるレベルなどというそんな生易しい物では断じてない、そして創太を構成する全てが警笛と悲鳴をあげる。


それでも創太は耐え抜いた、地球の事を思い、妹の事を思い、友を思い、なんとか耐えた。耐え抜いた———人の道を外れた痛みを、人という種族が、限界の壁を越えて。



そして人々は括目する。人の道を外れ、その地下から這いあがってきた化け物と、人を超え、人よりもはるか上にいる存在である神の戦いを、




「じゃあやろうか、アルっ!第2ラウンドの開始だぜっ!!!!」


「アッハハハハハハハハハハ!!!いいね、やろうか、創太っ!!!」




ちなみにここで創太 アルのステータスはこれだ

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仲宮創太

職業   レベルZX?H#&%?>O<>


ステータス

筋力:約#$ZX*>(&#$&

体力:約><ZX)&%$#X>

耐性:約ZXS<%A&‘#%><

敏捷:Z&%XM#“S‘IM<>B

魔力:‘ZX><%$T&$#QK>

魔耐:MZX”#%#“MZX”’$&!

スキル

RIA BOOST

WORLD EDIT


魂ノ力ヲ顕現セシ者降臨


称号

異世界人 創無神の器

=================================








=================================

アルス

職業 創無神 レベル ???????

ステータス

筋力:約12兆

体力:約15兆

耐性:約13兆

敏捷:約11兆

魔力:約16兆

魔耐:約10兆

スキル

神の目

神招来ノ義

神化

神の術式


称号

創無神 

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