第12話
「———何を言っているんだ?そもそも戦えるのか?アル、戦えないように見えるが」
「ええっ!ひどいなぁキミは……もちろん戦えるよ。多分キミよりもステータス上かな?」
「いや、俺も一応化け物ステータスだけど相手になるのか?」
「いやあ、本当酷いなあ……じゃあ言ってあげるよ、僕のステータスの一部。というかヒントになるのかな?」
こうしてアルの口からは、少なからず創太を驚きの渦に巻きとる一言が放たれた。
「全てに置いてのステータスは1兆オーバー・全属性魔法使用可能・切り札完備—————これでいいかな?」
創太は唖然とした、創太も化け物だと思っていたけどこのアルスという者は僕より化け物、いや神の域に到達しているのではないか。
「いやあ。実はね……僕は神様なんだ。」
「へぇ……で、その神様とやらが俺に何の用だ?」
「えぇぇぇぇえ!!!そこは顔をしかめっ面にして驚くとこでしょ!」
「いやすまんな、実感なかったからな。後確認……あの神の事をアルは言っているんだよな?」
「うんっ、そうだよ。キミが思っている神で間違いない……そして次の神様候補にキミを選びたいんだよねぇ、そのための戦いだよ、勝っても負けても関係ない。もちろん死なないようにするし、ただしちょっと痛いかも?———どうする、受ける?」
「おい待て、お前さらっとひどいことというかすごいことを言った気がしたんだが何て言った?俺を神にするだって?できるのか?そんな事」
「うん。できるよ、僕の力をもってすれば」
創太は内心驚いていた。それがどんな手段であれ、地上に帰ることが出来るかもしれないからだ。
「俺が勝ったら。どうなる」
「うーん、そうだね、じゃあ地上まで送り返してあげる、これは約束するよ」
そう聞いた瞬間に創太の心は歓喜した、地上への道がわずかながら開かれたのだから————
「負けたら————どうなる?」
「勝つまで戦う。それだけのことだよ、もしくはキミが一生ここで過ごす」
「それは俺にとって大分不利じゃないか?」
「ああ、うんそうだね、じゃあこうしよう。100回負けたらキミには資格なしとしてここの迷宮の100層に転移させてあげる、一応出られるでしょ、キミの力をもってすれば………ただし時間はかかるけどね」
これは賭けだと創太は思った。負けたら余計に時間を食う、勝てばここから抜け出せる。だが、それでも創太はここしかこの迷宮を抜けだすチャンスは訪れないと思っているのだ。そして創太は、チャンスの目の前にして手を伸ばさない人間などではない。
(やらないわけ…ない!)
「分かった、勝負を受けよう」
「アハハハハ!キミはそう来ると思った!よし、じゃあ決戦場に行こう。転移するよ、さあ僕の手を握って!『転移』!」
こうして、勝負に応じた時点で即、勝負の場へと案内されようとしていた。
そういわれて来たのは、いかにもローマのコロッセオの様な所だった、相互5m位の所定の位置に立ち、アルがこう宣言するとともに試合が始まろうとしていた。
「じゃあ早速だけど始めようか、60秒後にスタートね」
「ああー———分かった」
とアルが言ったのを最後に僕は何度も助けてもらったあの超チートスキルの名を口にする。
「<WORLD EDIT>」
そう唱えた言葉と同時に自分の世界に入っていく、そしてこれが今回の政策一覧だ。
◇遠距離武器
◇ステータスの底上げスキル
◇魔法系スキル(回復系が好ましい)
◇ポーションなどの回復系の道具
◇転移をノーコストで使えるようなスキル又は道具(スキルが好ましい)
(これで勝てるかは知らないが、それでも今の俺に創れる限界だ。これで勝負する。向こうは1兆と言っているが冷静に考えて多分5~10倍くらいはある。だからこそここで妥協したら、間違いなく終わり。あるのは破滅だけだ)
創太は冷静に状況を把握し、最近ようやく使いこなせてきた極悪チートスキルを使って限界まで創る。アルに————神に勝つために。
こうしてできたスキル・道具一覧だ。
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武器 ジャガート ランク 8
魔力を込めてトリガーを引くと、その魔力弾を直線状に放つ。その魔力の込めた量によって魔力弾の威力が変わる。
*属性魔力弾
魔力弾に全状態異常属性、全属性を魔力弾に追加できる
(属性は選択して追加することができる)
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神の真血 道具 ランク 9
飲むと体力、魔力が全回復し、全状態異常属性を解除することができる。
飲むと体力、魔力を5分間1秒当たり自分のステータスを100分の1ずつ回復する事できる。
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進化 スキル ランク 10
使うと60分間だけ全ステータスを3倍化する。時間とステータスは反比例し、時間を割っていくと 割った分の数字×全ステータスを3倍する。
*獲得経験値を×50倍する
*常時進化 解放
常時ステータスが3倍上昇
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魔転移 スキル ランク 9
範囲15kmの範囲で視認できる所であれば転移でき、5kmまでなら魔力を必要としない
(5km以上で転移できる範囲が長ければ長いほどより多くの魔力を必要とする)
*既来転移
行ったことがある所であれば1kmあたり魔力100を消費し転移することができる
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千里眼 スキル ランク 7
30kmまでなら魔力を使わず見ることができ、消費魔力は1kmあたり魔力100を消費して見る事ができる。
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全魔法適正超上昇 スキル ランク 10
このスキルを持っているものは魔法適正が無くても魔力を1.5倍消費して魔法を使え、適正を持っている者がこのスキルを持っていても威力が上がったり、魔力消費を抑える事ができる。
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これで創太は魔法が全種類使えるようになり、ステータスが全部で約500億になり、目で見える範囲ならどこにでも一瞬で移動でき、そして視力が大変よくなった。これだけ創る事が出来る創太もチートだが、それでも勝てない相手だと思っている。神というものはそうなのだ。
創太は『神の真血』を含み、世界から出るための言葉を唱える。
「<WORLD EDIT>」
目を開けるとさっきいたアルスとの決戦の場だった。だがアルスの気が変わっているのが創太にもひしひしと伝わってくる。
「あぁ……キミなんか使ったでしょ———見たところスキルかなあ」
「……どうしてわかった?」
「…なんとなく、キミの周りの魔力が変わった」
「へえ、そういうのでも分かるんだ」
「じゃあそろそろ時間だよ。君と僕との死合を始めよう」
そう言い放つと、アルの体から金色の魔力が噴き出す。それは覇者の魔力。全てを統べ、全てに勝る魔力を惜しげもなく放つ。
「……後3秒、2、1!!!」
こうして、死合のカウントダウンが開始される。それは創太とアルの、運命を決める戦い。
「試合…スタートっ!!」
というアルの掛け声によって、これからの創太の命運を左右する試合が始まった。
——————天から舞い降りた神と、地の底から這いあがった化け物が。今、ぶつかる。
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