第11話
アルと名乗ったこの男は、自分を見つめると同時に、
「じゃあ、おい。アル、聞きたい事がいっぱいありすぎて困るくらいあるんだが————」
「じゃあ、とりあえず僕が住んでる所にきてよ、詳しい話はそこでしよう。それじゃあ!転移するから僕の手を握って————行くよ!転移!」
と転移したのはいかにも清楚な、それでいて生活感溢れる所にいた。
創太は奈落に落ちてからというもの、人型の生物にあってはいない。だからこそこうして態度を少し軟化させつつ、それでも舐められない様にと声を張っている。
「ようこそー僕の部屋に、聞きたい事とはなにかなぁ?」
「色々あってまとめられていないんだが」
「じゃあお茶をいれるよ、その間に話したいことまとめといてねぇ~」
といいつつ席を離れ、お茶を持ってきた所で話を再開する。
「まずここは迷宮か?そして迷宮なら、何層目だ?」
「いやだなあ、声に緊張が走っているよ【中宮創太】君」
「―――は?何で俺の名前を知ってる?」
「まあ、その事は後で、それでここは迷宮「創神の塔」第101層、まあ101層は僕の部屋なんだけどねぇだから 君がさっきいたところが100層の最終層、キミはそのボスをわずか1撃で倒した、僕の最高傑作を1撃で!だからキミに興味を持ったんだ、少し野暮用もあったしね」
「じゃあ遠慮なく、でもあのコカトリスエンペラーだった、ステータスがあいつと2倍くらいしかかわらなかったよ?何故だ?」
「アハハハハハ!!やっぱりキミは面白いよ、あのコカちゃんは49層とはステータスが2000くらい違うから、大体の人はあそこで止まるし、30層くらいで魔物と人のステータスは大分大きく差が開くからそこまでは大体の人はいけない、まあ勇者様たちは多分行くけど、80層からは『真の迷宮』となっているから、いくら勇者でもいけないんじゃないかなあ」
「2つ、何で俺の名前を知っている?」
「ああそれね、基本的にこの迷宮は僕自身、僕が作ったからね。だからこの迷宮に入ったときに大体の情報が迷宮側から送られてくるんだ、迷宮は生きているからね」
「3つ、さっきも口に出したが、何故コカトリスエンペラーがあの階層で出た?それとあの魔狼はなんだ?正直あのボスよりも強かったぞ、ステータス一桁違ったじゃねえか」
「ああそれは、まず迷宮から魔物が出る方法から教えなければならないけど・・知ってる?」
「少しだけなら知っている、確か迷宮内の魔力が迷宮の中に吸い取られ、その魔力の量に合わせて、魔物を出していると聞いたことがある」
「うん、あともう一つ、僕が魔力を使い出す方法もあるが、今回はさっきキミがいったやり方で出されたみたいだ、そして魔力の量が多くなると強いモンスターが出てきてしまう」
「つまり———」
「何者かが魔力を故意に放った……ということになるね。それもあれはいつものコカちゃんよりステータスが1.5倍ぐらいあったからね…あれだと70層クラスになるのかなあ。ちなみに僕は見ていただけだよ。あの時は慌てたね。うんうん」
「ちなみに魔狼の方は100層にある魔物と戦って生き延びてきた。100層創設からずっといて、魔物を狩って生きている。つまりレベルを魔狼自身で上げた奴だよ。しかも魔物を食いすぎて、その魔物の魔力から突然変異を起こしてしまった。だからあんなにステータスが違ったんだね、僕もそこまで害はなかったから放置したけど、一応ごめんとだけ謝っておこう」
「じゃあ、あと一つ……地上に出られる方法は?それが俺は一番聞きたい」
「ああ、それね、それは僕だよ。僕はこの迷宮の創設者、迷宮の階層ならどこでもどんな所でも転移できるし、さっきも言ったけど迷宮のどこでも好きに見る事ができる、だがこの迷宮から僕は出られない」
「ああ、やっぱりか。じゃあ早く出してはくれないか?俺は地上に用がある。」
「ダーメ!君が地上に用事があるように、僕もキミに用事があるんだ—————単刀直入に言うよ」
そして告げられる。その内容が。
「僕と戦ってよ。仲宮創太君」
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