第9話
「ああ。だるい、歩くの辛い―」
なんて戯言を言い続けながら、それでも歩き続けているのが我らが創太だった。
創太は一人きりの環境で、どうしても寂しくなってしまったので、こうして感情表現が豊かになっていたりもする。
それでも創太は、自分が生きるために何をしたいかを考え続けた。自分が何をしたいのか、どうしたいのか、と。だからこそ創太はここを出る。それに今の自分の全てを置いた。だからこそ創太は攻略に躍起になっている。
そうして創太がこの「創神の塔」100層、奈落という場所に落とされてはや12時間が経った。創太はこの先の見えない迷宮を歩き続け、それで2時間。ようやく景色が変わったと思えば、森のような鬱蒼とした木々が無造作に生え、伸び、それでも何とか視界が確保できているのが現状だ。
そしてその森に入って3分後、新たな魔物と遭遇した。
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ステータス
ハウンローダー レベル 93
筋力: 9320
体力: 8750
耐性: 7860
敏捷: 2040
魔力: 940
魔耐: 5080
スキル
金剛 状態異常無効化 攻撃増加
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ハウンローダーという人型の岩をまとった魔物だが、ハウンローダーがこちらを視認すると威嚇しながらもこちらに向かってきた、創太はこの魔物の行動パターンを読みながら、武器は無いので魔力を纏わせた素手で攻撃する。そして、素手でのパンチが3発目になったところでハウンローダーは倒れた。
(この魔物は防御が高い、まあ岩だからな、仕方ないといえばそうか)
そうしてハウンローダーを倒した辺りを見てみると 何か落ちていたので<解析>してみるとハウンローダーの魔石×1と解析された。魔石とかはファンタジー小説そのままだなと思っていたら、急に頭の中にこんな文字が浮かんだ。
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「解析が進化条件を満たしました 進化させますか?」
YES NO
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と出てきた。強くなるなら何でもいい、この先何が起こるかわからない、<解析>はこの迷宮を攻略するために絶対必要だ、無くなるかもしれないが冒険しないと突破できない、だからYESと念じる。そして自らのステータスを<解析>する。すると…
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スキル
真紅の魔眼
ステータスや様々な物のさらに詳しい情報を知れ さらに偽装スキルも見破れる
さらに 魔力を使って透視することができる。
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創太は驚いていた。自分のスキルの存外さに。
(何だ?このステータス、自分でもちょっと麻痺していたが……なんかもう感極まっている、だが、それでもこれで強くなれたのなら、これはこれでいいのだろうな)
それとLVの後に何も書いていないことから、LVが無いのだろうと推測できる。
こうして探索して約2時間。もう一体の魔物と対峙したが、創太がワンパンを入れると、
「グエエエエエエエエエエ」
という音と共に倒してしまった、ちなみにあの魔物はレイルボアと言うらしい。
創太はもうレイルボアのステータスも見ていない。でも落としたドロップ品は今後の迷宮探索の悩みを一つ解決してくれた。
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レイルボアの肉4kg。食べても問題はない。塩をかけるとよりおいしくなる。
レイルボアの魔石1個、Aランク
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これで食料問題は解決した、あと何匹かレイルボアを狩ると、少し眠くなってきた、体感時間はもう真夜中だと告げている、早く拠点を作りたいなと思いながらも落ちた所に戻る。
あそこがこの迷宮の安全地帯だったみたいだ、あそこに戻り肉を食べてから、新たなスキルを作らねば そう思いながら創太はそこに向かう、そこで肉を食ったあと、あのスキルを口にする。
「<WORLD EDIT>」
そう唱えながら自分の世界に入っていく。
(さて何から作ろうか、まず武器を作らなければならない、その次に移動魔法や攻撃スキル、その他にも 切り札なる物を作らなければ いざというときに使えるスキルを、そして持ち物系だな、インベントリみたいなのがいい、できれば容量無限がいい)
「じゃあまず武器が必要だな、やっぱり日本人だから刀かな」
といい頭の中で刀をイメージする、そして魔力を使い形にする、こうしてできたのがこれだ
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武器
鉄魔刀 小鉄 ランク 8
*所持者登録
所持者以外の者はその刀が見えず、触れない。
*魔力刀
魔力をまとえば 刀身が50cm伸び 魔力に属性があれば 刀もその属性の攻撃になる
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「よし できた」
これで武器問題は解決だ。次にスキル、これは作った物が多いのでまとめると、
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スキル
索敵
スキル所持者は自分を中心とした直系200mの敵の存在を感じ取れる
*索敵範囲変更
索敵範囲を変更できる。直系200mまでは魔力を使わないが直系200m以上は常時魔力が必要になる。
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スキル
転移
範囲3kmの範囲で視認できる所であれば 転移できる
(転移できる範囲が長ければ長いほど より多くの魔力を必要とする)
*既来転移
行ったことがある所であれば1mあたり魔力100を消費し転移することができる
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次は道具だが、創太はインベントリ系の道具を創造する。
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道具 ランク 8
インベントリの指輪
魔力総量×5倍のg数分物が入る指輪。壊れないように設計されている
所持者登録
所持者以外が触ろうとすると結界が発動し、仮に破られたとしても持ち物の空間は開かないようになっている。
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(これは凄い、約5億gって正直すげえな。さすがはチートスキル、格が違う……)
攻撃系のスキルも作ろうと思ったが疲れでイメージができないので今日は寝ようと創太は思った。
ここにきて気付いたことがあるが、まずここでの時間はむこうではゆっくりと、ゆっくりと動いているらしく、ここでは何時間いてもむこうには影響が出ない。これは創太にとっても好都合だ、時間は1秒も無駄にはしたくない。そしてここで寝ても魔物に襲われることは無く時間も向こうではたたない。まったく、本当にチートなスキルだなと、寝る前に思った瞬間。頭の中でまた声が響いた。
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「RIA BOOSTの能力を解禁できます。解禁しますか?」
YES NO
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これはいい、今すぐさせようと、創太はYESと選択する。
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スキル
RIA BOOST
全ての生物のステータス×自分のステータスをかけて自分に与える
相手のステータスを徐々に奪うか 複製するかして自分の物にすることができる
*スキルブランダー解放
相手のスキルのレベルごと略奪・収集・複製ができるようになり
同じスキルの場合レベルごと合算できる。
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「きたっ!!!!!!——————」
と創太はガッツポーズを出さずにはいられなかった、
(これで魔法を魔物から奪えば俺も使える。これは大きいぞっ!!!)
と、新たな力を手に入れる創太。これが一日のサイクルだ。
迷宮を探索し、魔物を狩り、その肉を食べ、そしていつものところに戻って寝る。こんなことを何日かつづけて10日ぐらいのことだ。扉のような、何か気になる物を見つけた、魔眼で解析してみると。
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ボスのドア
100層のボスのドア
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—————そこには、創太が待ち望んでいた100層を突破するための、試練の扉だった。
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