第8話
そうして創太は目を覚ます。常世の異世界へと……。
(うっ、こ、ここはどこだ…お、俺は、確か暗い所で—————そうか、そうだったか、アハハハ、アハハハハハ!ここからは俺の第二の人生だ)
そうして創太は目を開け、周りの様子を確認しようと目を開ける。そして創太は気づいた。魔狼よりも目線が上なことに、そうして気づいた。創太は今……浮いていることに。
浮いている理由が魔力によるものだと感じた創太は、その膨大な魔力で創太の体を浮かせている。創太は今寝そべっている体勢だが、魔力を感じて、動かそうと試みる。魔狼はその膨大な魔力を感じて威嚇している。だからこそ容易には近づけない。そして、
(治っている、足が)
創太は足が生えているのを確認して、その体をようやっと迷宮の地に付ける。その周りには赤い血と、魔狼の威嚇の声。それでも創太は焦らずに魔狼のステータスを確認する。
==========================================
魔狼 レベル355
筋力:1524000
体力:1320000
耐性:1245000
敏捷:1760000
魔力:1665300
魔耐:1664000
スキル
魔狼の咆哮
狂化
俊足
=======================================
この魔物が、100層に出てくるもの、確かに創太の2、5倍ものステータス値を誇る魔物に勝てるはずがない。それは弱肉強食の世界であり、自然の摂理だ。そして今、生き返った所で、創太は弱い、だからこそ食われる、それは当然だ。そう、今の創太のままなら。
「生きるために食らう、それは当然。————まあ、少なからずの礼だ。生き返らせてくれてありがとう、ってな」
こうして創太はまた生まれ変わる。RIA BOOSTの力と共に、
そして創太は魔狼のステータスを糧とし、また進化した。創太のステータスはこれだ。
=================================
ステータス
中宮創太 職業 無職 レベル 4
筋力:約15億
体力:約16億
耐性:約13億
敏捷:約16億
魔力:約17億
魔耐:約15億
スキル
解析∞
偽装∞
RIA BOOST
WORLD EDIT
=================================
そうして創太は唱える。あの闇の中で見つけたもう一つの力を、創太は唱える。それは創太が後に超極悪スキルと言わしめた。そのスキルの名前は—————。
「<WORLD EDIT>」
こう唱えると、創太の景色が一瞬で変わり、夜の暗い空間の中で星々が輝いて見える。そして地面には一層と生い茂る芝生、それは心落ち着く空間であると共に、全てを「無」から作り出す、最強の生産チート。
「この草、いや芝生は……知識か?俺の」
スキルを使用した創太には分かった。この地面に生えている草は自分の知識。
「そして星は――要素か、この草からの知識をこの空間で物質へと昇華させる為の要素、そういう事か?…まだ、分からない所が多すぎるな、それでも」
創太は目に覚悟を浮かべ、自分の創りたい物を想像する。それはあの魔狼だけを切るための鋭利な剣。そのイメージが思いへと変わり、スキルであるこの空間がそれに答える。要素が組み合わさり、交わり、溶け合い、こうした完成した剣で、一刻も早くあの魔狼を、創太が生きるために殺す。
「よし、これでいいか」
そう言い放つと創太はWORLD EDITを閉じる。また迷宮の魔狼が睨み、うなる地へと降り立つ、そして。
「あばよ、魔狼。ありがとう。」
そう言い残して、魔狼は死んだ。剣一本全てを使い果たし、剣は剣としての役目を終え、ただの棒きれになり果てた。そして無数の傷跡と、縦横無尽にカットされたそれは、最早魔狼なんていう大層な名前ではない。ただのサイコロカットされた肉の様だったと伝えておこう。
「ああ、そうか、ここから、俺の次の人生が始まるのか……フフフ、アハハハハ」
こうして化け物は産声をあげ、この世界に降り立つ、だが、創太にはどうでもいいこと。だからこそ、創太は迷宮を徘徊する。全てを失い。それでも生きるために―――――――
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます