第6話・コインガチャ


「こ、これは!?コインガチャのコインじゃないかっ!?」


ユーナはテーブル上のあるコインを手に取る。


「うふふ。お久し振りですの、ユーナさん♪」


「......へ?そ、その声は!?」


聞き覚えのある声がする方角にユーナは顔を向けると、


「ああ、やっぱり!あんたナナじゃないのさ!?何で南大陸にいる筈の

あんたがここにいるのよ?」


そこには見覚えのある、キラキラと輝く金髪が美しい少女、ナナが

ニコニコ笑顔で立っていた。


「それはですね。実はこの度わたしの店とコインガチャがコラボをする

次第となりまして、ここギルドにはそのコインガチャ設置とアピールも

兼ねてやって来ましたの♪」


「な、何だと!?あんたの店とコインガチャがコラボですってぇぇえ!?

それはマジなのかい、ナナさんよっ!?」


「はい、マジなのです♪」


うわ...ホントかよ。


守銭奴の代表みたいなこいつと、私の大好きなガチャコインが

コラボだなんて。


......ヤバい。


「私は勿論のこと、ギルド連中のお金がこいつのコインガチャに全部

搾取されるのがこの目に浮かんで見えてくるぞっ!」


「うふふ♪しかし例え搾取されると分かっていても、コインガチャに

お金...注ぎ込むんですのよねぇ♪」


「ふ、あたぼうよ!」


ユーナは然も当然でしょと、サムズアップを決める。


「ぐ!そ、そうだった!三年前、こいつが気まぐれでやったコインガチャで

良いものを当てやがって以来、コインガチャにハマりまくっていたのを

スッカリ忘れていたぜっ!」


何となく回したコインガチャ。


その時当てたアイテムが、何とユーナの食い扶持レベルでいうところ、

約半年は楽勝で食っていけるくらいの希少アイテムだったのだ。


「ユーナの奴がそのビギナーズラックを発動させてしまったせいで、

ガチャコイン中毒状態に陥りやがってよ。この大陸にくるまでガチャコインじゃ、ガチャコインじゃって毎日煩かったからなぁ......」


その挙げ句、一文無しになって空腹で死にそうになったり、


その空腹のせいで俺を見て、


「あ、目の前に焼き鳥が♪」


とかいって、襲い掛かってくること約数十回。


だから俺様がこの迷惑極まりないこいつを強引に引きずって、この大陸へ

仕事場を移したんだよ。


「あんな酷い目に合わされたっていうのに、忘れていたとはな......」


「そりゃ、忘れるっしょ!だってあんた鳥じゃん?あの三歩歩いたら

何もかも忘れちゃうっていうさぁ~♪」


ユーナは揶揄うように、ププッと笑いながら言う。


「はぁあああ!俺様をあんなもんと一緒にすんじゃねぇぇえぇえっ!

俺様はあの気高き種族と謳われた十姉妹様だぞっ!」


「いや、十姉妹も鳥の種族じゃん?」


訳の分からない持論で文句を言ってくるシロに対し、ユーナは呆れた表情で

そんな正論をソッと口からこぼす。


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食べ物大好き娘とタバコ大好き鳥+ポンコツっ娘の大冒険 アオ&アオ @aiaiaoi

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