第3話 武道館
あ!こっちでーす!!
Starry sky5周年記念ライブの会場となる武道館には開場前だというのに沢山の人でごった返している。
グッズを買う人、推しメンタオルを持って写真を撮る人、生写真やグッズ交換をする人
人、人、人……
‥‥こんな人混みの中で大声ださなくても!
周りからの視線が恥ずかしい…
声の主の元に早足で向かう
「遅いですよー!」
「いや、生田さん声が大きいですから!
余計目立っちゃってますからね!」
目立たないように来てくださいと言ったのは生田さんの方だ。
「しかも開場は16時、開演は18時からなのに
集合が早くないですか?」
15時に集まって今からどうするというのだろうか。
まぁまぁ、とりあえずこっちこっちと言われるがまま着いて行くと
‥‥関係者入り口?
生田さんは慣れた手つきで首からぶら下げているスタッフ証明書を警備の人に見せる。
付いてきてくださいと言われドンドンと中に入って行く。
「関係者入り口から入っても大丈夫なんです
か?」
「今回はご招待という形なので特別ですよ」
普段入れない場所に来ている
この上ない優越感だ
しかし、この上ない優越感に浸れていたのもここまでだった。
いくつも扉がある廊下をグイグイと進んでいき、ある扉の前でピタリと止まった。
生田さんがガチャリと扉を開けた
「こちらで少しお待ちください」
一見普通の楽屋って感じの部屋だ
「えっ…ここで待つって何を??」
「まぁまぁ、お堅い事は言わずに」
相変わらずの適当な発言をした後、では
と生田さんが出て行く。
1人取り残された僕
‥‥もしかしたら、今回の事は一切の他言無用でお願いしますって誓約書とか書かされるとか?
急に不安が込み上げてきた
さっきの優越感はどこにいったのだ
1人取り残された部屋で不安になっていると突然、ドアをノックする音が聞こえた。
入りまーす
若い女性の声だ
もしかしたら別のスタッフが間違えてこの部屋に入ってきてるかもしれない
‥‥ヤバイヤバイ、どうしょう!!
1人テンパる僕
ガチャリと開いた扉から入ってきたのは…
西野麻衣
えっ、西野麻衣じゃん
驚く僕と笑顔の彼女
‥‥何この状況
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